2008/04/29(火)色温度の設定2

 色温度を固定しても補正しきれないことがあります。そういうときは、ホワイトバランスをカスタムモードに設定できるカメラは、便利ですね。

 カスタムモードでホワイトバランスを設定するときには、白かグレーの部分を測ります。白は、色が飽和した状態なら皆「白」なので、ニュートラルグレーのほうが正確です。標準反射板を使います。

 電球色の蛍光灯など、色補正が難しい照明下でも、そこそこの色で写ります。何回か測ると、そのたびに微妙に発色が違うので、一番いいと思う結果が出るまで測り直すとよいでしょう。何パターンか記憶できる機種なら、比較できるので判定が楽です。

 カスタムモードは、測り方で補正が微妙にバラつきます。いつも同じ照明下で撮影するのなら、もっと安定した補正方法があります。
 色温度を固定しておいて、補正フィルターをかけるやり方です。電球色の蛍光灯は、この方法で色補正したほうがいいかもしれません。3000K前後に固定して、輝線スペクトルがのる分だけ補正フィルターをかけるわけです。
 具体的な補正値については、現在調査中なので、結果が出たら報告します。多分、メーカー間の差があるはずですが、僅差だと思います。

 美術館でよく使われる高演色性の電球色タイプは、知り合いのプロがデータを握っていました。色温度を合わせておいてから+10Bだそうです。ただし、これはタングステンタイプのリバーサルフィルムを使ったときの話です。
 元の光源は、どうやら3000Kよりも高いようです。3200K以上はある、といってました。デジタルカメラなら、3200-3500Kの間で設定を変えながら試してみるとよいでしょう。補正フィルターは05Bでいいかもしれません。

2008/04/28(月)色温度の設定

 輝線スペクトルがある蛍光灯のような曲者は別格として、太陽光や電球照明下での撮影は、色温度の原理を知っていれば補正は楽です。

 最近のデジタル一眼レフには、マニュアルで色温度が設定できるモードがついている機種が増えました。
 スタジオ撮影によく使われているFUJIFILMのFinePix S3proには、この色温度設定がなかったので不便でしたが、後継機のS5proには装備されました。

 前回のLBフィルターの話でお気づきかと思いますが、色温度が高いときと低いときで、同じ500Kの違いでも発色が大きく変わります。
 色温度が高いとき(例えば7000K)と、低いとき(例えば3000K)では、500Kの「重み」が違います。7000Kと7500Kは、ほとんど同じようなものです。3000Kと2500Kだとかなり違いますね。

 デジタル一眼レフの色温度設定は、たいてい100K単位になっています。太陽光(5500K)よりも上なら、100K単位でも細かい補正になりますが、下にいくにしたがって、100K単位では粗い補正になっていきます。
 色温度が低い場合は、補正が50Kとか細かくできるようになるといいですね。

 3年ほど前になりますが、ビックサイトで開かれた「スタジオ写真フェア」での話です。
 とある大手プリンターメーカーのブースで、写真スタジオの照明についてオープンセミナーをやってました。ストロボ照明についての講演です。
 「各ストロボの色温度の差を100K以内に調整しておかないと、とんでもないことになりますよ!」というのが、このセミナーの内容です。

 入場者は大半が業者なので、聴衆のなかに写真スタジオの先生方も混じっていたはずですが、誰からも疑問の声や質問は出ません。皆、黙って聴いていました。
 この講師・・多分プリンターメーカーの技術者だと思います。スタジオの照明に関しては素人ですね。ストロボ照明で、100Kちょいズレたら一大事!なんてことはありません。

 それよりも、自分とこのプリンターのほうが問題です。インクがなくなる寸前と新品に換えた後とでは、色が違うし、紙を替えるたびに色が変わるし・・・
 発色の問題をストロボのせいにされても、納得いきませんね。

2008/04/27(日)電球の色補正3

 業務用途にはあまり使われないデーライトタイプの写真電球ですが、まったく出番がないかというと、そうでもありません。
 デーライトとミックス光源で使うときには、色温度の差が少ないので便利です。

 直射日光の押さえに使うには光量が足りないので、窓際など室内での撮影に使います。
 普通の「白球」だと、光源にブルーのフィルターをかける必要があります。そんな面倒なことをするくらいなら、レフ板を使ったほうが手っ取り早いですよね。
 レフ板は反射の面光源なので、生(なま)光、ディフューズ光が必要なときには重宝します。

 インターネットのオークションに出す商品写真を自分で撮るひとが多いようですから、最近は、使う機会が増えたのではないかと思います。太陽光とミックスで撮るなら、蛍光灯よりも発色が安定します。

 デーライトの色温度調整は、フィルム時代は、色の薄いLBフィルターを使っていました。LBB(LBA)の2とか4です。ネガなら4ですね。
 ケンコーなどのフィルターメーカーから出ているガラスのフィルターだと、「曇天」(W4)とか「朝夕」(C4)がこれに相当します。WはWarm(暖かい色)、CはCool(冷たい色)ですかね。

 デジタル一眼レフで色温度が設定できる機種なら、色温度を固定すればフィルターは要りません。
 5500Kを基準に、LBフィルター効果を出すための設定色温度を提示しておきます。
 LBA2・・・6180K(100K単位なら6200K)
 LBA4・・・7050K(100K単位なら7000Kか7100K)
 LBB2・・・4970K(100K単位なら5000K)
 LBB4・・・4500K
OK キャンセル 確認 その他