2008/04/17(木)光とインクの三原色

 色の三原色は、R(レッド)・G(グリーン)・B(ブルー)と、C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)の2種類の組み合わせがあります。
 RGBは光の三原色、CMYはインクの三原色です。

 光の三原色は、各色を均等に混ぜ合わせると白になります。インク(絵の具)の三原色は、逆に黒になります。学校かどこかで習いましたよね。
 そんなことはもう忘れた・・というかたは、もう一度おさらいしてください。この三原色の原理がわからないと、画像の色補正はできません。

 RGBとCMYには、補色の関係があります。
 ・R(レッド)のなかには C(シアン)が含まれない。
 ・G(グリーン)のなかには M(マゼンタ)が含まれない。
 ・B(ブルー)のなかには Y(イエロー)が含まれない。
 この逆も同じで、CのなかにはRは含まれません。ということは、Rを足すことと、Cを引くことは、イコールということになります。

 しかし、実際には、そう単純にいきません。G+Bで作ったシアンとCMYの元のシアンとは、微妙に色合いが異なります。(この話は難しいので後日することにします)

 日本語の色の表現は、ファジーです。R(レッド)もM(マゼンタ)も「赤い」と表現します。B(ブルー)とC(シアン)も「青い」といいますよね。
 写真のプロでも、よく「赤い」「青い」という言い方をします。10Mとか20Rとか、正確な言い方をするひとは少ないですね。だからラボの担当者としょっちゅうもめてます。「赤いといったじゃないか!」なんて怒っても、レッドなのかマゼンタなのかが曖昧ですから仕方ありません。

 さらに、始末が悪いのが「青い」という概念です。ブルーとシアン以外に、グリーンまでもが「青い」という範疇に入ります。
 信号の青は実際には緑色です。でも普通は青信号といいます。信号が緑になったら・・なんていいませんよね。
 ひょっとすると、塩原太助の馬の名も「あお」じゃなくて本当は「みどり」だったのかも・・・。それはないでしょうね。

2008/04/16(水)色補正の方法

 撮影した画像の発色が正しいかどうかは、標準反射板を使って確認する・・という話をしました。標準反射板には、2つの要素が含まれています。反射率18%とニュートラルグレーです。

 標準反射率は、露出を測るときの基準です。ニュートラルグレーは、色の偏りを測るときに使います。
 標準反射板は、そんなに値段の高いものではありません。送料を払っても二千円程度です。銀一のはA4サイズの紙が2枚入っているので、友達と分けるなり切るなりすれば、負担が軽くなります。

 手元に標準反射板がないときは、水道配管や建築工事に使うグレーの塩ビ管を利用します。まったく一緒ではないものの近い結果が得られるはずです。
 ペンキの黒と白を混ぜたものは、ニュートラルグレーにはなりません。色が濃いから黒に見えるだけで、普通は赤っぽいか青っぽいかのどちらかです。

 画像処理ソフトを使ってニュートラルグレーの部分の色の偏りを調べたとして、どうやって色補正をしたらよいのでしょう?
 ひとによって、やり方は様々です。一般的な方法は、RGBを個々に調節するカラー補正機能を使います。どの程度ズレていたら数値をどの位いじるかは、ソフトによって違います。大抵は、やってみてダメならやり直す・・という繰り返しになります。

 JPEGの画像データは、修整を重ねるほど画質が低下します。結果がダメなら続けて補正せずに、一旦キャンセルしてからやり直します。できるだけ1回の補正で済ませます。
 補正した画像データは、同じファイルに上書きしないように注意します。「開く」と「保存する」を何回も繰り返すと、圧縮と解凍を重ねることになり、元の絵をダメにしてしまうからです。

 1文字でも違えば別のファイル名ですから、「名前をつけて保存」するクセをつけたいですね。

2008/04/15(火)デジカメをカラーメーター代わりに

 デジタルカメラは、撮ったその場で画像が確認できるので、色温度が大幅にズレていたら、すぐにわかります。デジカメをカラーメーター代わりに使う方法もないではありません。

 撮ったその場でパソコンに入れて、モニターで確認するのは不正確なやりかたです。モニターの色調整がきちんとできていれば、ある程度は識別できますが、普及品の液晶モニターでは難しいですね。
 数年前まで出ていたブラウン管式のCRTか、ナナオの数十万円する液晶モニターなら、カラーセンサーを使って正確な色調整ができますが・・・

 ある程度正確な色温度調整をするなら、テスト撮影時に標準反射板を使います。反射率18%のニュートラルグレーの板です。露出計メーカーのSEKONICや、プロ機材の銀一から発売されています。

 標準反射板を一緒に撮影しておいて、パソコンの画像処理ソフトを使って読み込みます。Adobe社のPhotoshopが有名ですね。
 スポイトツールで標準反射板のグレーをチョイスして、色のバランスを確認します。RGBの各色が同じ数値で並んでいたら、ニュートラルグレーが正確に表現できていることになります。
 数値がいくつであるかは大きな問題ではありません。数値が揃っているかどうかが重要です。8ビットカラーの場合、RGB各色が0,0,0なら真っ黒、255,255,255なら真っ白で、その間(例えば198,198,198)がグレーです。

 スタジオでの「ブツ撮り」なら、この方法でもよいですが、人物撮影や野外での撮影には不向きです。
 とりあえず撮影しておいて、あとで画像処理ソフトを使ってネチネチ色補正をすることになるんでしょうね。
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