2008/03/30(日)ストロボの閃光時間

 小型ストロボの閃光時間は、かなり速いです。全力発光したときでも1/1000秒くらいで光ります。距離が近くて少ししか光らないときだと1/20000秒くらいになります。

 人間の瞬きは約1/500秒ですから、ストロボ光は一瞬の光です。
 1/500秒でシャッターを切ると、ヘリコプターの羽は静止した状態で写ります。暗闇でジャンプしたときにストロボ光だけで写真を撮ると、人間が空中に浮いた状態で写ります。
 ミルクに1滴落として王冠の形を作った写真は有名ですが、これは高速で発光するストロボを使って撮影しています。

 一眼レフはフォーカルプレーンシャッターを使っています。カメラによって多少違いますが、1/250秒以上の高速シャッターを切ると、シャッター幕は全開せずに、スリットの状態で走ります。より高速になると、スリットの幅を狭くして露光量を少なくするわけです。
 連続した定常光ならこの方法で制御できますが、ストロボ光は一瞬の光ですから、スリットの幅だけ写ってあとは未露光になってしまいます。いわゆる「幕切れ」です。

 アマチュア向けのカメラは、自動制御になっているので、汎用タイプのストロボを使わなければ幕切れは起きません。専用ストロボを使ったときは、同調速度を超えないように制御されているからです。
 緩速発光タイプのストロボが使えるカメラなら、通常の同調速度を超える設定をしていても、ストロボ撮影ができます。(次回に続く・・)

2008/03/29(土)ストロボの調光方法

 ストロボを2灯使ったときのガイドナンバー(GN)について、難しい話をしました。この話は、ストロボが全力発光することを前提にしています。

 カメラに内蔵された(あるいはカメラに直結した)ストロボは、自動調光機能をOFFにする必要があります。カメラの露出をマニュアルモードにしても、外付けのストロボが自動調光のままでは、計算どおりの結果は得られません。
 カメラによっては、自動的に多灯調光できる機種があります。よくわからないひとは、カメラ任せにするのもひとつの手ですけどね。

 一眼レフの専用ストロボは、TTL自動調光で制御されています。Through The Lensの略で、レンズを通った光を測って調光します。外光制御に比べて確度が高い方式です。
 ストロボ光だけを測る方式と、定常光とミックスして測る方式があります。後者は、明るい場所ではストロボは少ししか光りません。その代わり自然な描写が得られます。

 カメラの露出補正は、定常光とストロボ光の両方に働きます。機種によっては、定常光とストロボ光を別々に補正できる機能がついていることがあります。ストロボを補助光として使うときには便利です。
 人物のポートレート写真なんかでは、ストロボを弱めに焚くほうが自然な描写が得られます。マイナス1から1.5くらいが目安ですね。自然光だけで撮影できる露出にしているので、ストロボ光はあくまで補助光として働きます。影を和らげたり、発色を整えたりする効果があります。

 ストロボだけを弱めに焚くことができない機種は、カメラの露出モードをマニュアルにセットします。シャッター速度と絞りを固定するわけです。そこでマイナス側に露出補正をかけると、TTL自動制御モードになっているストロボだけに補正がかかります。
 結果的に、ストロボを補助光として使うことができるわけです。

2008/03/28(金)2灯のときのGN

 ストロボを2灯同時に使ったときのガイドナンバー(GN)は、いくつになるのでしょう。簡単そうで難しい問題です。

 同じ光量のストロボを2灯焚いたときは、1灯のGNのルート2倍(約1.4倍)になります。GN20が2灯ならGN28です。GN40にはなりません。GN40にするためには、GN20のストロボが4灯必要です。

 この答えは、一般的に正しい模範解答です。実際には、この計算どおりにいかない場合があります。
 集合写真を撮るときに、左右の両隅までストロボ光が回らないことがあります。これをカバーするために、ストロボをカメラの左右に振り分けて2灯セットしたときは、1灯と同じGNで計算します。
 照射角度を広げるために2灯使うわけですから、光量が2倍にはなりません。

 照射角度は十分あるが、光量が足りないのでカメラ位置に2灯束ねて使う場合は、光量は2倍になります。GNは1灯のときの約1.4倍で計算します。
 GNが異なるストロボを2灯束ねたときの計算方法は、少々ややこしくなります。ストロボAがGN20、ストロボBがGN30の場合は・・・
 (20x20)+(30x30)=1300 (それぞれのGNの自乗の和を出す)
 この数値の平方根が合算したGNとなります。答えはGN36です。

 最近の電卓には、平方根(ルート)のキーがない機種が多いですね。多少高くてもルート計算できる電卓を購入するようお薦めします。
OK キャンセル 確認 その他