2008/03/24(月)ガイドナンバーとは

 ストロボの光量を表す単位には、ガイドナンバー(GN)と、ワットセコンド(WS)があります。一般向けの小型のものはG.No、業務用の大型のものはWSが使われます。

 ガイドナンバーは、距離と絞りの数値を掛けたものです。日本では、距離はメートル、絞りはF値を使います。フィルムや撮像板の感度が変わると、GNも変わるので、必ずISO感度を併記することになっています。
 GN24(ISO100) というような表しかたです。絞りF8なら3mまで届くことになります(8x3=24)。ISO400ならGNは48なので、6mまで届きます。

 えっ!なんで?感度が4倍だからGNは96じゃないの? という疑問を持つひとがいるかもしれません。光量は距離の自乗に反比例するので、感度が4倍になっても届く距離は2倍にしかなりません。4のルートは2です。

 メーカーは、ストロボの光量を大きく表示したいので、ISO感度を高めの数値にしている場合があります。一般的にはISO100を基準にするのが常識ですが、最低感度がISO200のデジカメは、ISO200で表示していると思います。(ニコンのD70Sは、最低感度がISO200ですが、ISO100とISO200の両方を併記しています。丁寧に20℃と気温まで表示しているのは、いかにもニコンらしいですね。)

 GNは、ISO感度以外に照射角度によっても変わります。135フルサイズ換算で28mmと35mmでは、35mmのほうがGNは大きくなります。照射角度が狭いほうが明るいわけです。
 外付けのストロボは、レンズの焦点距離によって照射角度が変わるようになっています。135フルサイズ換算で何ミリの焦点距離を基準にしているかを確認する必要があります。
 24mmでGN28のストロボAと、80mmでGN36のストロボBなら、Aのほうが大光量になります。同じ焦点距離のGNで比べれば一目瞭然です。

 ストロボは自動調光になっているので、GNを使った計算をすることはほとんどありません。GNは、到達限度を知るための「参考値」です。
 参考値と断ったのは、周囲の環境によって到達限度が変わるからです。白い壁の部屋と、黒い壁の部屋では、反射して戻ってくる光量が変わります。野外なら戻ってくる光はありません。
 GNは、反射して戻ってくる光も加味しているので、一般的な室内撮影以外なら、小さめに見ておいたほうが間違いないでしょう。

2008/03/23(日)「写ルンです」は高感度のものを!

 結婚式の主催者が、ゲストへのサービスとして「写ルンです」を用意することがあります。たくさん写真を撮って欲しい・・という期待の表われです。
 特価品を用意しているケースを見受けますが、悲惨な結果に終わることが多いですね。

 結婚式場や披露宴会場は、一般家庭に比べてかなり広いです。「写ルンです」は、戦いの武器に喩えれば、ピストルみたいなものです(デリンジャーといったほうが正確かもしれません)。目の前の近距離の被写体しか写りません。
 特価品の「写ルンです」は、大抵ISO400のフィルムが詰められているので、ストロボの届く範囲は、せいぜい3mまでです。それ以上離れると露出不足となります。
 家庭内なら問題はありませんが、結婚式場では少し離れると5-6mにはなるので、露出不足でシャビシャビの写真になってしまいます。

 結婚式に使う「写ルンです」は、ISO1600の高感度フィルムを使ったNight & Day Superを推奨します(同じメーカーでも類似品があるので注意!)。価格は高いですが、現像料とプリント代を無駄にすることを考えれば、これしかないことが理解できると思います。「安物買いの銭失い」にならないよう注意してくださいね。

 ストロボの光は、距離の自乗に反比例して暗くなります。距離が2倍になったら、2の自乗の4分の1になるわけです。ストロボ光をISO400の到達限度の2倍の距離まで届かせようとすると、感度は4倍のISO1600が必要です。

 ISO1600のNight & Dayでも、ストロボ光の到達限度は5m程度です。結婚式での撮影は、「スーパー夜景モード」にします。万一、被写体との距離が5mを超えても、その場の光で写る可能性が高くなります。
 通常モードでは、ストロボ光が届く範囲よりも遠いものは全く写りません。この設定が大事な要素ですから、忘れないようにしてくださいね。

 「写ルンです」なんて素人の使うものは関係無い・・と思っているアナタ! 機材のトラブルで撮影手段がなくなったときに、カメラバッグの片隅に入れておいた「写ルンです」が、あなたの「命綱」になるかもしれませんよ。
 Night & Day Superは、保険みたいなもんですね。

2008/03/22(土)ストロボは補助光

 デジタルカメラは、コマごとにISO感度を変えることができます。初期のデジカメは、感度を上げるとノイズが出て、画質が相当悪くなりましたが、最近はかなり改善されました。

 ISO800とか1600なら、ストロボなしでも写せます。披露宴会場は明るいですからね。ストロボを使う場合は、万一不発だったり、天井が高くて光量が足りなかったりしたときでもキチンと写るように、カメラの露出を設定します。
 ストロボを補助光として使うわけです。プログラムオートのままだと、かなり速いシャッター速度(1/125秒以上)になってしまうので、シャッター速度優先などに変更します。1/60秒くらいが無難ですね。マニュアル露出なら、充電していれば間違いなくストロボは発光します。

 絞りは、F4からF5.6くらいになるはずです。ズームレンズだと開放に近い絞り値です。前後に奥行きのある場合は被写界深度から外れる可能性があります。
 腕に自信のあるひとなら、1/30秒を推奨します。手ブレ補正機能があるカメラなら、なんとかブレずに撮影できるでしょう。レンズの焦点距離は、標準レンズよりもワイドぎみに設定します。

 フィルムカメラ全盛のころには、1/30秒で撮るようにしていました。
 一般のゲストのひとは、自動露出のままなので、かなり速いシャッター速度で撮影しています。近くの人物はストロボ光でキチンと写りますが、背景はドーンと暗くなります。
 1/30秒でF5.6くらいだと、ISO400程度のフィルムでも背景が写ります。その場の雰囲気が描写できるので、ゲストの写真と差がつくわけです。

 デジタルカメラは色温度の補正が楽なので、ストロボを直焚きする必要はありません。天井バウンスを多用して、全体に光を回す撮り方が主流になります。
 ストロボを補助光として使うことで、自然な描写が得られます。「上手な写真」の基準は、時代とともに少しずつ変わってきています。
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