2008/03/21(金)外部ストロボはエクソシスト型

 ストロボ撮影の一番の「功罪」は、[1]正面から [2]点光源を [3]直焚きすることです。カメラに内蔵されたストロボは、モロ!これに該当します。
 外付けのストロボでも首が振れないタイプは、内蔵型と同じです。光量が大きいだけで、内蔵型と何ら変わりません。

 外付けのストロボを購入するなら、価格は高くても首が振れるタイプを選ぶべきです。それも、上下だけではなく、左右にも首が振れるタイプを選びます。
 360゚とはいわないまでも、真後ろまで首が回るタイプは、俯瞰撮影のときに天井バウンスできて便利です。こういうタイプを「エクソシスト・バウンス」と呼びます。(私が勝手につけた名前なので、あまり本気にしないほうが身のためですが・・・)

 壁や天井にバウンス(反射)させることで、正面以外の方向から、面光源で照明することができます。
 気をつけるのは、壁や天井の色です。白ならいいのですが、茶色だったりすると、反射光も茶色っぽくなります。それを百も承知で、逆に色目のアクセントにすることもアリですけどね。

 結婚式で、チャペルや披露宴会場に入ったときは、すぐに壁や天井の色をチェックします。白なら自然な発色が得られますが、そうでなければバウンス撮影に制限が生じます。
 この判断が自然にできるようになったら、もうプロの領域ですね。

2008/03/20(木)ストロボの活用法

 三脚の話が続きました。結婚式の撮影でウエイトが高いのは、三脚よりもストロボです。ここしばらくは、ストロボの使い方について考えてみようと思います。

 フィルム全盛の時代は、室内などの暗い場所での撮影には、ストロボは不可欠でした。ISO400程度のフィルムで、ストロボなしで撮影するのは、かなり無理があります。
 手ブレするという露出的な問題よりも、色温度の補正が難しかったからです。(色温度補正フィルターを使えば、露出倍数がかかるので、当然ブレずに撮影することは無理ですが・・・)

 ネガフィルムは、プリント時に色補正することができます。ただし、普通の写真店で、タングステン光(約3000K)をデーライト(約5500K)に変換できる技術を持っているところは、ほとんどありません。
 フィルムでの室内撮影は、明るさを補完するだけでなく、色温度を補正する必要があったわけです。太陽光とほぼ同じ色温度のストロボは、この二つの問題を同時に解決できる切り札でした。

 露出のバランスは、ストロボ光だけで適正露出になるようにセットされます。カメラの自動露出機能は、普通はそういう仕組みになっています。
 自然光(室内光)で手ブレするシャッター速度になると、カメラの自動露出機能は、ストロボ撮影に切り替わります。ストロボの光だけで写真が撮れるような設定に、自動的に変更するわけです。

 ストロボ光が届く範囲なら、露出面での失敗はありません。問題なのは、正面から点光源で照明するので、立体感や雰囲気の描写に欠ける結果になることです。

 FUJIFILMから発売されているナチュラというカメラは、同名のNATURA 1600というフィルムを詰めたときだけ、ストロボが不発光になります。演色性の高いISO1600のフィルムなら、色温度の違いは緩和されるので、その場の光だけで撮影して自然な描写を得ようという考え方です。
 結婚式の撮影には、威力を発揮しました。デジタルカメラの高感度化が進んで、いささか影が薄い存在となりましたが、正面からストロボを直焚きすることの味気なさをカバーする画期的な方法といえます。

 ストロボ光だけに頼っていては、雰囲気のある写真は撮れません。デジタルカメラの高感度化・高性能化は、ストロボの新しい使い方を模索するきっかけとなりました。続く・・・

2008/03/19(水)雲台をビデオ用に

 カメラ用でもビデオ用でも、三脚の脚部に大きな違いはありません。ビデオ用三脚の特徴は、雲台にあります。
 ビデオ撮影は、スムースな動きを要求します。大抵は、バネや油圧の力で「ゆっくり動き始め、ゆっくり止まる」仕組になっています。一般にディフェンサーというやつです。雲台だけビデオ用のものを取付ければ、ビデオ用三脚に早変わりします。

 結婚式の撮影で、どうしても三脚が必要なのは、集合写真くらいです。あとは、会場の片隅に邪魔にならないよう片付けておくだけです。
 ビデオカメラを持ってきているひとで、三脚も一緒に持参していることは少ないですね。もともと三脚を持っていないひとが多いようです。
 集合写真に使う程度なら、ビデオ用の雲台にしておいて、使わないときにビデオ撮影のひとに貸してあげればよいと思います。三脚を使ったことのないひとには、難解なシロモノなので、簡単な使い方くらいは教えてあげないといけませんが・・・

 そういう私はビデオ用の雲台を持っていません。いままで何個か買ったのですが、ぜひ貸して欲しいとか、譲って欲しいとかいうことが続いて、とうとう手元にはなくなってしまいました。
 大抵は、結婚式の撮影を頼まれたので・・というのが多いですね。ご祝儀代わりに進呈するハメになります。ビデオカメラを持っていないので「ま、いいか」と、補充せずにそのままにしてありますが、機会があれば手元に置いておきたいと思います。

 ビデオカメラを持っていないのに、なぜディフェンサーの雲台が欲しいかというと、望遠鏡を載せるためです。動きに制限があるので、天体望遠鏡には使えませんが、地上用望遠鏡には便利です。
 望遠鏡に使えるということは、超望遠レンズにも有効です。早い動きのスポーツ写真には不向きなことがありますが、400mm以上のレンズを使うときに威力を発揮します。いまのビデオカメラには、分不相応な大きなディフェンサーが欲しいですね。
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