2008/03/18(火)ローアングルとエレベーター

 卓上三脚や8段・10段の携帯三脚は別として、ほとんどの三脚には、エレベーターというセンターポールがついています。写真にうるさいひとは、「ブレるから使っちゃダメ!」と脅しますが、便利だから、ついつい使っちゃうんですよね。

 日本で売られている三脚は、小型の低価格品を除いて、ギア式のエレベーターが付いています。同じモデルでも欧米で販売するものはフリー式が多いと聞きました。
 中型くらいまでの三脚に、ギア式のエレベーターは必要ない・・というのが、欧米流の合理的な考え方のようです。手で上げ下げしたほうが、手っ取り早いですからね。ギア式のほうが高くつきそうだし・・・

 小型の三脚でハンドルを回して、エレベーターをチマチマ上げ下げしているのは、日本人くらいだ!という話を聞いたことがあります。そういえば、いままで海外輸出モデルの三脚を何本か買ったことがありますが、すべてフリー式でした。同じ型式の国内向けは、ギア式なのに・・・

 ローアングルができるタイプは、必然的にエレベーターが短くなりす。こんな短いエレベーターにギアを付けて、もったいない・・と思いますが、メーカーに言わせれば、短く切るだけで同じパーツのまま作ったほうが、コストが安いんだそうです。
 フリー式で、エレベーターシャフトを2本つなぎにしているモデルのほうが合理的です。輸出モデルのパーツを流用して作っていると推察します。

 外したシャフトが邪魔なので、どこかに収納できると便利なのですが、何かいい方法はありませんかね。マジックベルトで脚に留めるとか・・・

2008/03/17(月)三脚の新素材

 ここ何十年かで、三脚に使われる素材は多様化しています。さすがに鉄パイプの三脚はほとんど見かけませんが、主流だったアルミ材の他に、カーボンなどの新素材が増えました。
 玄武岩を原料にしたバサルトファイバーなんてのもあります。カーボンファイバーよりも低コストだそうです。あのGitzo(ジッツォ)から出てます。

 脚部以外に使われる素材は、もっと多様化しています。低価格のものは、プラスチック系が多用されるようになり、高級品にはマグネシウム合金が使われるようになりました。
 マグネシウム合金は、カメラボディーにも使われています。軽くて丈夫なのが特徴です。

 Velbonのクイックシューにマグネシウム合金が使われたときは、ビックリしました。三脚や雲台に比べれば小さなアクセサリーですが、シューの部分はカメラに取り付けたまま使うので、軽いに越したことはありません。
 このクイックシュー(QRA-635)が発売になる直前に、アルミ合金製のテストモデルを見せてもらったことがあります。初めはこのアルミ製を手に取ってチェックしながら「なかなかいい出来だね」と評価を伝えたら、「実は製品はこちらなんです」とマグネ合金のほうを渡されました。
 思わずアルミ製を持った手が下に下がりましたね。そのくらいマグネ合金製のほうが軽かったわけです。

 B級品でゲットしたPH-275もマグネシウム合金製です。三脚の頭に載せる雲台は軽いほうが安定性が増すので、ありがたいです。足は無理してカーボン製を買ったけど、雲台はケチってアルミ製では、バランスが悪いですからね。

 毎年3月はPIE(フォトイメージングエキスポ)の季節です。今年も19日から東京ビックサイトで開催されます。
 SLIKから、アルミ・マグネシウム・チタン合金製のULTRA1シリーズが展示されるそうです。発表では「エレベーターをなくし、さらなる軽量化を・・」となっていますが、エレベーターが付けられない「何か事情」があるような気がします。
 エレベーターのない三脚が、日本で売れるかどうか・・そちらも興味がありますね。

2008/03/16(日)三脚はステータス?

 手ブレ補正機能の登場で、三脚の出番は減りました。小型のデジタルカメラなら、写真愛好家でも三脚を持たずに出かけるひとが多いと思います。1コマごとにISO感度が変えられるので、ISO1600かISO3200まで上げれば、画質はともかく、なんとかブレずに写せます。

 フィルムカメラ全盛の時代は、「写真が趣味」を自認するひとは、皆三脚を担いでいました。とくに風景写真を撮るひとには、必需品でしたね。画質重視のリバーサルフィルムは、ISO50か100ですから、被写界深度を稼ぐために絞り込むと、シャッター速度は必然的に手ブレ領域です。
 ブローニー判のカメラは、三脚と「一心同体」でした。傷だらけのボロボロになった三脚が、そのひとの「写歴」を物語っていましたね。一種のステータスです。

 三脚メーカーから、たまに「B級品」という傷モノが放出されることがあります。「新品」だけど傷があるから新品としては売れない・・・つまり特価品扱いということです。
 量販店の展示用か、クレーム品の再生版か、理由はともかく安いわけです。三脚はすぐに傷がつくので、多少の傷など問題ではありません。カーボンや大型のものは、めったと出ませんから、見つけたらラッキー!ですね。

 手元にあるVelbonのNeo Carmagne 730は、運良くB級品をゲットしました。840と2本あって、840のほうを買うつもりでしたが、話を聞きつけた知り合いのプロの先生に、横からさらわれてしまいました。プロは大きいのに目がないですね。
 「お前は趣味だが、私は写真で稼ぐ!」というのが、この先生のいつもの口説き文句です。それでも譲るのを渋ると、「私が使えば世のため人のためになる」と畳み掛けてきます。
 泣く子とプロには勝てませんね。

 写真機材を担いでいる人と遭遇したら、カメラでなく三脚を見ます。
 カメラは、見栄や道楽で高級機を持っている素人が大勢います。三脚に金をかけているのは、大抵プロか腕の立つアドアマですね。
 ハスキーの3段なら、コマーシャル系かな?なんてアテ推量するわけです。

 「いい話を聞いた!」と、結婚式場に大きな三脚を持っていくのは、やめといたほうがいいと思います。カメラの良し悪しはわからなくても、大きな三脚は目立ちます。
 業者と間違われて、あとで「持込料」を請求されたら、新郎新婦がかわいそうですからね。
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