2008/03/12(水)船上から手持で撮影

 プロは、揺れる船の上から300mmの望遠レンズを手持で撮影できる・・・という話を聞いたことがあります。New X700の手ブレ計測器を試す前は、「それはスゴイ!」と思っていました。でも、垂直方向の揺れを補正するコツを掴むと、自分でもできそうな気がします。

 揺れる船の上から風景を撮るときは、三脚は何の役にも立ちません。揺れを忠実に再現するだけです。強いて言えば、雲台のストッパーをすべて緩めておいて、手持感覚でフリーで使うやり方しかありません。
 人間の身体は柔らかいので、自分の体で揺れや振動を吸収するようにすれば、300mmの望遠レンズでもブレずに撮れる可能性はあります。
 VTRカメラなら、カメラに付けた紐の先をループにしておいて、片方の足にはめて踏み付けます。上に引っ張り上げるようにして手持で撮影すると、かなり安定した画面で撮影することができます。スチール写真は静止画ですから、紐の力を借りなくてもできると思います。

 シャッター速度を早く設定することは、当然でしょう。地上でも安全パイは1/300秒以上ですから、船上なら1/500秒でも心配ですね。超高速シャッターは、ただの飾りではありません。ここぞというときには活用しましょう。
 船に弱いひとは、数千分の1秒でも危ないけどね。

 同じ船の上に乗っている被写体に対しては、三脚は有効です。一緒に揺れてますからね。船上での結婚式を撮ったことはありませんが、もし機会があれば三脚は忘れずに持っていくようにします。
 船の上で集合写真・・ということもありますから。

2008/03/11(火)三脚のエレベーター使用は御法度?

 昔から、写真にうるさい連中の間では、三脚のエレベーターを伸ばして使うのは、御法度だといわれてきました。ブレやすい、というわけです。理にかなった言い分だと思います。

 かなり前になりますが、あるカメラ雑誌のテストで、エレベーターを伸ばしたときの方がブレにくい・・という実験データが載ったことがあります。三脚の機種によってテスト結果はマチマチでした。しかし、特定の機種であっても、エレペーターを伸ばした方がブレにくいというのは、予想外の結果です。

 これも前回話題にした「共振現象」だと思います。あるシャッタースピードに限って、常識と逆の現象が起きたのだと考えられます。三脚メーカーのひとは、かなり困惑してましたね。自分達が日頃言ってきた「鉄則」が崩れてしまうことになりますから・・・
 自分の持っている三脚とカメラで、どれが魔のシャッター速度かをテストしておいたほうがよいかもしれません。エレベーターを伸ばしたときもテストしておくことをお薦めします。

 簡単にできるテストの方法は、黒い紙(黒ケント紙など)に針で無数の穴を開けておいて、三脚にカメラを載せてシャッター速度を変えながら複写するやり方です。必ずケーブルレリーズかセルフタイマーを使います。
 レフ板やライトを使って、紙の後ろから照明するとよいでしょう。針の穴は、真円になるように慎重に開けます。後で原板を顕微鏡か高倍率ルーペで見て、ブレているかどうかをチェックします。デジタルカメラなら、画像ソフトでピクセルが判別できるまで拡大すれば、ブレを検出できます。

 使う交換レンズの重量や長さによって、魔のシャッター速度は変わります。ブレを重視する望遠レンズやマクロレンズを使ってテストするとよいでしょう。

2008/03/10(月)魔のシャッター速度

 前回の続き。
 New X700の手ブレ計測器を基準がシビアなモードに切り替えた途端、赤ランプが出まくりです。標準レンズで1/125秒がエラーになるなんて! そんなバカな! アタマにきて、店に並んでいた三脚を借りてテストしてみました。1/125秒で赤ランプです。VelbonのVGB-3というオールアルミのスタンダード型ですから、1/125秒で手ブレ警告というのは、あまりにもシビア過ぎます。
 この機械、壊れてんじゃないの?と疑いましたが、1/250秒から上はグリーンランプです。

 手ブレというのは、許容量の問題です。どんなに速いシャッター速度で切っても、厳密にはブレています。ミノルタの手ブレ計測器は恐るべし・・・ シビアなモードでは、わずかなブレでも検出するようです。
 試しに三脚に付けたまま、1/60秒でシャッターを切ってみました。今度はグリーンランプです。1/125に戻すと、やっぱり赤ランプが点きます。どうなっているのでしょう?

 三脚には「魔のシャッター速度」というのがあります。シャッターを切ったときのカメラの振動と、三脚固有の振動が合致すると、共振してブレるというものです。VGB-3は、1/125秒が「魔のシャッター速度」だったのかもしれません。
 昔(第一次世界大戦のころ)ヨーロッパで、軍隊が整然と隊列を組んで行進していたら橋が崩れた!という話が残っています。この「共振現象」でしょう。兵隊たちは、ビックリしたでしょうね。

 重いカメラと軽いカメラでは、どちらが手ブレしやすいか?なんて論争もありました。重いカメラは低速だとブレやすく、軽いカメラは高速でもブレやすい・・というのが定説です。
 重いカメラは、長い時間保持するのに力が要ります。軽いカメラは、長時間保持するのに、あまり力は要りません。逆に、重いカメラは、短時間に動かそうとすると、力が必要です。軽いカメラは、少しの力で簡単に動かすことができます。単純な話ですね。

 丈夫な大型の三脚だからといって、油断は禁物です。魔のシャッター速度・・なんかバミューダトライアングルみたいですね。バミューダトライポッド・・なんちゃって!
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