2010/09/21(火)ネガ現像機は風前の灯火
クリックして覗いてみると、QSF-T15LV という小型機が1機種だけ載っていました。135/IX240/110 は処理できますが、ブローニーが流せないミニラボ機です。
全盛期のネガ現機は、2レーン式で同時に2本現像できました。T15LV は1レーン式です。レーンの幅が狭いので、母液タンクの容量を小さくできます。
タンク容量が小さいということは、少ない処理量でも補充が利いて母液が回転します。1日6本処理すれば、安定した液管理ができると書いてありました。
ひと昔前なら、1日6本の現像なんて最も少ない日の話でした。いまでは、その6本のノルマが重くのしかかります。
処理量が減ったのを理由に、いまさらネガ現機を買い換える店はないと思います。後ろ向きの設備投資をするくらいなら、定期的に母液更新したほうがマシ・・と考える経営者のほうが多いのでは?
ブローニーが処理できたら、写真館の需要があったと思います。銀塩にこだわる写真館は、多いはずです。レーンをあと少し広げるだけのことですが・・・
あえてそうしなかったのは、小さいタンク容量でブローニーを処理することへの抵抗感が強かったからだと言います。業務用途の現像はシビアです。開発技術者のこだわりですね。
FUJIFILM は、ブローニーの単品販売を打ち切りました。5本パックに切り替えです。プロラボの地方撤退や銀塩素材の製造中止が相次いでいます。
もう外堀は埋まったと言ってもいいでしょう。
2010/09/20(月)DPEはドライ式に?
世界的な銀塩プリンターメーカーであるノーリツ鋼機のサイトでは、QSS シリーズの上にドライプリンターが位置していました。
L判が1時間に 1,180 枚もプリントできる新製品まで投入しています。ネガやリバーサルからプリントするためのスキャナーは、オプション扱いです。「ビジネスを革新させる新鋭機」となっているところをみると、写真店だけがターゲットではないようです。
ここのインクジェット技術は、エプソンとの業務提携です。初代の dDP-411 は、顔料インクを使用していました。(現在は染料インクに変わっています)
顔料インクは、褪色には強いものの、光沢仕上ができませんでした。ハイライトの白い部分は、インクが載っていないので紙自体の色です。斜めから見ると、インクが載っている部分と載っていない部分が、はっきりわかりました。
染料インクは、紙に染み込むため、光沢紙にプリントすればグロッシー仕上が可能です。印画紙に近い質感が得られます。
褪色しにくいインクの開発で、耐久性はかなり向上しました。水に弱いことを除けば、初期の顔料インクよりも有利だと思います。
FUJIFILM も Frontier シリーズにドライ式のプリンターを加えています。こちらのサイトは、銀塩式の 700 シリーズのほうが上になっていました。ゼロックスとの関係があるせいか、インクジェット式にはあまり力が入っていない印象です。
液管理の問題もあって、DP店のプリンターはドライ式に替わっていくと思います。処理速度が速いだけで、パーソナル機の出力と大差がないというのは、ちょっと寂しい気がしますが・・・
2010/09/19(日)スタジオ写真のプリント
スーパーの撤退で、直営店が閉店してしまうと、フィルムで撮影するメリットがなくなります。自家処理と外注では、コストが違ってきます。
直営店を閉めた時点で、撮影をデジタル化し、銀塩プリンターだけスタジオに移設してはどうかと、社長は言います。スタジオ1店舗だけのプリントでは、液管理は難しいでしょうね。
写真館のプリントサイズは、六切が主流です。サイズが大きいから、少ない枚数でも液管理ができるかというと、実際にはそうでもありません。
六切(8x10 インチ)は、L判に換算すると、約4.5枚です。六切を6枚焼いて、やっと 27 枚撮の同時プリント1本分と同じ面積です。
これでは、どう電卓を叩いてみても、1ヶ月あたりL判換算で1万枚ほどの処理をして、現像液を維持していくのは無理です。
スタジオ撮影はデジタル化するとして、プリント出力は外注にするか、自家処理をしたいならドライ式にするかです。
ドライ式は、昇華型とインクジェットの2種類あります。処理枚数に関係なく、液管理の問題はありません。業務用途だから、パーソナル機のプリンターでは力不足です。
このスタジオは、L判のプリントを使ってプレゼンするのが特徴です。短時間に高速で出力するとなると、インクジェット式のDPプリンターが向いています。
赤字のDPショップを維持していくことを思えば、この程度の設備投資で済むのなら、経営的には楽になるかもしれません。