ずいぶん前に、蓮の写真コンテストの審査に立ち会ったことがあります。その村の名産品が蓮根だったので、村おこしの一環として催されました。
審査当日に村役場まで行くと、四つ切の写真がドン!と積まれていました。数百枚ではきかない数だったと思います。その日のうちに審査しないといけません。
写真がわかる人はそう何人もいないから、事前審査はしなくていいと伝えてありました。まずは粗よりしないと・・・
1枚あたり数秒のペースで、1時間以上かけて選り分けます。基準を甘くしずぎたのか、それでも何百枚か残りました。再度、粗よりです。
広い会議室の机の上に並ぶ程度の数になったところで、関係者全員で見て回りました。なかなかの力作です。入賞にはどれを選んでもいいような・・・
地元のアマチュア写真家に知り合いがいて、その人の依頼で審査を引き受けました。当然、その知人もコンテストに参加しています。どの写真かは知りません。
ハネようとして、「ン?」と思い留まった写真がありました。一旦はメリハリに欠けると判断したものの、よく撮れていたからです。
タイトルを見ようと裏をめくったら、「いやー、バレちゃったなー」と知人が頭をかいていました。「やっぱりアンタだったのね」
コンテストに出すのには、難しい風景写真でした。ポイントが多過ぎます。この人独特の味ですね。じっくり見れば、いい写真です。
村長は、「私の写真は3秒でボツだった」と、ガッカリしていました。写真の腕と肩書きは別モノです。関係者の大半が、粗よりでボツでした。
次の年には催されなかったところをみると、審査のやり方が不評だったのかも?