2008/06/30(月)写真の著作権と肖像権
自分が写っているからといって、コピーなどの複製をとることは違法行為になります。同様に、自分が撮影したからと、お客に無断でサンプルに使ったり宣伝に使ったりすることはできません。
著作権に対する意識は、一般の個人になるほど希薄です。その次は官庁ですかね。公の使用なら許される・・という甘さがあります。
著作権と肖像権についてシビアなのは、コマーシャルフォトの世界です。どの宣伝媒体で、いつからいつまで使用するか?という決め事がキッチリしています。使用期限が切れたのにポスターや看板を揚げたままだと、ペナルティーを取られます。
販売店に配る企業の宣伝物も同様ですが、一旦市中に出回ったものは、そこまでシビアな管理はできません。それでも、煩いタレント事務所だとクレームを入れるようで、「○月○日以降は店頭から撤去してください」という案内文が回ってくることがあります。
実際には、ちゃんと案内しましたよ・・ということで、店頭に残っていてもどうこうないようですが・・・
美術館の依頼で、プロが作家の作品を撮影した場合の著作権は、どうなるのでしょうか?
元CM写真をやっていた例の酸化セリウムの先生によれば、とくに取決めがなければ3者対等なんだそうです。美術館がお金を払ったからといって、作家や写真家に断りもなく、予定外の目的で使用することはできないわけです。
同様に、自分が作った作品でも、作家が写真を欲しいと思ったらお金を払って買うことになります。1枚くらいなら美術館がオマケしてくれるかもしれませんが・・・
最近では、ダビング10デッキで著作権の問題が話題になりました。著作権や肖像権に対する意識は、文化レベルのバロメーターでもあります。
2008/06/29(日)写真屋の買い渋り
地域で指折りの写真屋さんにとっては、楽しみのひとつでした。
知り合いの写真屋さんも招待客の常連で、年に2回ほど旅行に行ってました。大抵は奥さんです。メーカーの招待旅行は、奥様旅行会みたいなもんですね。営業担当のひとは、「我々は男芸者だ」なんてことをいってました。
観光地に行くと、地元の写真屋さんがスナップ写真を撮り、旅館のロビーで写真を並べて販売している光景をよく見かけます。感材メーカーの招待旅行でも同じです。
写真業界の人達だから、たくさん買うかと思えばさにあらず。自分も本業だけあって、よほど気に入った写真でもなければ、なかなか買いません。同業者は渋いですね。
わざわざ買わなくても、同行の担当者が撮った写真が、後でタダで貰えますから当然かもしれませんが・・・
感材メーカーの招待旅行で、地元の写真屋さんが撮った写真がほとんど売れ残ったのでは、バツが悪いですね。売れ残った膨大な写真を見て、幹事は溜息をつくことになります。
幹事役の課長が部下に「よさそうな写真だけ会社で買い上げて・・」と言いかけてから、思い直して「いいから全部買って!」と指示していたそうです。管轄エリアが違っても、○○はケチだった!と言われたくなかったんでしょうね。
きっとこの課長、出世したと思います。
2008/06/28(土)観光写真のロス率
カメラマンが事務所と無線でやりとりしていたのは、こういう情報だったんでしょうね。商売の要です。
仕上がった写真は、乗客の数よりもかなり少なめです。たくさん売れることも大事ですが、売れ残りを少なくすることも重要なポイントです。早く買わないとなくなる・・という効果を狙っているのかもしれません。
それでも、完売するケースは稀のようですね。
同じ団体のツァーなら、事前に「何枚買うからいくら?」という交渉の仕方があると思います。やり手の幹事ならそうするでしょうね。
確実に売れる枚数がわかっていて、まとまった数だったら、写真を作る側にとってこんなありがたい話はありません。あとでまとめて送るのなら、急いで仕上げる必要もないし・・・
でも、記念撮影は大抵「不意打ち」なので、交渉している時間的余裕がありません。売れたら売れた分が儲け・・という感覚です。お互いにもったいないですね。
結婚式の集合写真も同じです。全世帯分の焼増し注文の場合は大幅値引!だったら、数をケチることはないと思います。後でコピーなんて姑息なことを考えなくて済みます。
現実には、ホテルや式場のリベートだとか複雑な問題があって、プライスダウンは難しいようですが・・・
知ってる写真館だったら、本店に直談判してみますかね。