未来のカメラデザイン2009/09/03(木)
ほかにも一時の話題に終わってしまった試作機は、たくさんあります。
発売する予定がないのに発表されたカメラもありました。ミノルタの「エレクトロズームX」です。1966年のフォトキナに展示されました。
当時としては「ありえない」30-120mmズームレンズ搭載のレンズ固定式一眼レフで、フォーマットサイズは 16mmフィルムでした。将来、無粒子フィルムが開発されたらカメラはこうなる・・という「未来のカメラ」です。
いままでない斬新なデザインでした。30年ほど経って発売されたディマージュZシリーズに、そのデザインは受け継がれます。135SLRの横に平ぺったい形ではなく、前後に長い円筒形ボディーにグリップがついた独創的な形状です。
この形は、レンズ固定式の高級機によく採用されました。OLYMPUS フォーサーズやFinePixシリーズにも似た形のカメラがあります。
レンズ固定式の一眼タイプで爆発的なヒットになった機種は、あまり記憶にありません。レンズが換えられないのがネックなのか、あるいはデザインが不人気なのか、それとも両方なのか?
結果的に135SLRのデザインを踏襲したカメラが、DSLRの主流になりました。
ミラーレスのペン E-P1が売れているところをみると、レンズ交換ができる魅力はバカにならないようです。いまは2本しかなくても、将来発展する可能性があるからでしょうか?
「一眼レフ」ではないのに「マイクロ一眼」という謳いこみには、疑問を覚えますが、「レンズ交換=一眼レフ」という常識を錯覚的に利用したのが、功を奏したようです。
いままで不人気だった前後に長いボディーは、動画機能が充実すれば、評価が変わるかもしれません。液晶画面を横に配置し、ティルトできるようにすれば、スチールカメラとムービーカメラのどちらでも使えます。
家庭用のデジカメとムービーは、将来はひとつに融合すると予想します。そのときのデザインは、135SLRとは違った形になると思います。
一眼レフのデザイン2009/09/02(水)
コスト的な問題があったからだと思います。初期のデジイチは、海のものとも山のものともつかない存在でした。135フルサイズよりも小さい撮像板を採用しながら、ボディーはフルサイズのままというのは、販売台数が見込めないという事情があったからでしょう。
時代は変わって、デジタル一眼レフは全盛期の様相を呈しています。そろそろ135SLRとは違うデザインのモデルが登場してもいいように思います。
理由のひとつは動画対応です。135SLRのデザインのままでは、動画の撮影には不向きです。三脚に据えないと使い物にならないのでは、せっかくの新機能が生きません。
フォーマットサイズがAPSや135ハーフのカメラには、独創的なデザインのものがありました。ミノルタの VECTIS-S や京セラの SAMRAI です。
SAMRAI シリーズは、レンズ交換ができない一眼レフです。ビデオカメラみたいなスタイルでした。ハーフサイズは 24x18mmですが、SAMRAI は 135シネサイズ(24x17mm)です。35mm映画フィルムと同じで、フィルムは縦送りでした
縦送りということは、横位置画面が基本です。ハーフ判の OLYMPUS PEN-F が背負っていた、縦位置が基本という「欠点」をうまくクリアしていました。ハーフ判が主流にならなかったのは、画質が落ちることのほかに、縦位置が基本になっていたことだといわれています。
VECTIS-S シリーズは、レンズ交換式のAPS一眼レフです。独自マウントを採用していて、交換レンズは専用でした。ペンタプリズムの出っ張りがないスマートなデザインで、小型軽量が特徴です。
APSフォーマットでこれだけ小さくまとまるのなら、APSCサイズのデジイチでもできそうに思えますが、難しいのでしょうか?
動画機能を活かすなら、フィルム時代の交換レンズと互換性を持たせることに拘る必要はないように思いますが・・・
デジイチの動画機能2009/09/01(火)
新製品が発表されるたびに、動画の性能がどうだとか、動画対応でないのにガッカリしただとか、いろいろ意見が飛び交います。未発表の次期モデルに動画機能が搭載されるかどうかも、話題になっているようです。
個人的には、デジイチに動画機能を求める気はありません。コスト的にどのくらい違うのか知りませんが、そのために高くなるようなら要らない機能だと思います。
ミラーアップしたライブビュー中に、オートフォーカスを作動させるのは、いままでの交換レンズでは無理があるような気がします。カメラのデザインそのものが、ムービーを撮るのに適していないのも理由のひとつです。
デジイチに動画機能を搭載するなら、スチールカメラとしては限界のあるフォーサーズタイプでしょうね。小さな撮像板にスチール写真の画質を求めるよりも、動画機能を持たせて付加価値をつけたほうが、製品の魅力アップにつながります。
ビデオカメラとムービーカメラが融合すれば、家庭用記録カメラとしては、オールマイティーです。大型パネルテレビの普及で、写真と動画がお茶の間で手軽に楽しめる環境は整いつつあります。
APSCサイズのDSLRも動画対応は付加価値のひとつです。ただし、フィルム時代の交換レンズを引きずっているうちは、専用のムービーカメラと勝負するのは無理でしょう。
135SLRのボディーデザインのままで動画機能をつけても、オマケ程度にしかなりません。パトローネを入れる必要はないのだから、動画に適したボディーデザインが望まれます。
スチール写真の画質を求めるデジイチは、135フルサイズにシフトしていくと予想します。今年中に20万円を切り、いずれは10万円を切るボディーが登場するでしょう。
135SLRのデザインを踏襲するなら、動画機能は不要です。動画を楽しむなら、サブカメラに任せるのが順当なやり方だと思います。そういう意味では、次世代のAPSC機に動画機能は、あったほうがいいかもしれませんね。