2010/01/25(月)インスタント写真は割安?

 一般論として、銀塩式でもデジタル式でも、インスタントフィルムを使ったプリントはコストが上がります。プリント1枚あたりの原価は、デジタル<フィルム<インスタントの順に高くなります。

 「うんにゃ、そうではない」という人がいます。「酸化セリウム」の先生です。
 この人は、まかりなりにもプロだから、結婚式にお呼ばれしても写真は撮りません。「お金をもらえば話は別…」というスタンスです。歌手がその辺のカラオケで歌わないのと同じですね。

 親しい仲だと何もしないわけにはいかないから、そういうときはインスタントカメラを持っていくそうです。撮ったその場で写真をあげれば喜ばれます。一応「写真のプロ」というフレコミだし・・・

 持って行くフィルムは何パックまでと決めているそうです。撮り切ったらそれで終わりです。この方法だと、用意したフィルム以上の費用は掛かりません。
 インスタント写真は一点モノです。相手にあげてしまうから、手元には原板も何も残りません。後で人数分を焼増しして・・なんて気を遣うこともないわけです。考えましたね。

 この先生、結婚式で写真を撮らないのは、プロとしてのもったいつけ以外にも理由があります。写真がヘタだからです。
 モデル相手にきちんとしたライティングをして撮るのは慣れていますが、素人を相手にあるがままの照明でスナップ写真を撮るのは苦手です。期待されるだけに、後でまとめて写真を渡すと、「あの人プロでしょ」とガッカリさせることになります。

 インスタントカメラで高級機というのは、ほとんど知られていないから、多少写真がまずくても「カメラがアレだから・・」ということで大目に見られます。
 スナップ写真が苦手なのをごまかせるし、写真代も定額で抑えられるし、インスタントカメラはいいことづくめです。このあたりのツボを心得ているのは、さすがプロですね。

2010/01/24(日)チェキのデジタルプリンター

 プリンター一体型のプリンカムが不発だったFUJIFILMは、次にチェキのフィルムを使ったインスタントプリンターを発売しました。フィルムサイズはチェキと同じでも、発色性の違いから専用フィルムとなっています。

 プリンターの名前は「Pivi」(ピヴィ)で、フィルムは「Pivi専用フィルム」の名称です。フィルムの価格はオープンで、チェキよりも安めに販売されているようです。
 現在、MP-70とMP-300の2機種が継続販売されていますが、発売からMP-300が3年半、MP-70は4年以上経ちます。期待したほどフィーバーしなかったみたいです。

 デジタルカメラの進化はスピードが速いので、すぐにスペックが古くなってしまいます。一番激しいのは高画素化でした。
 MP-70のプリント可能なデータサイズは、最大で2048x1536ピクセル(約300万画素)です。これではいまどきのデジカメには対応できません。「ケータイphoto」というキャッチコピーで何とか存続を図っています。

 後発のMP-300は、最大6400x6400ピクセルです。こちらはデジカメの画像をプリントするのに十分なサイズです。赤外線送信のほかにUSB接続が可能となっています。
 結婚式の披露宴会場で活躍するのは、MP-300のほうでしょう。MP-70では対応しない機種が多そうです。最近発売のFinePixに赤外送信機能がないのは、同じメーカーとしてどうかと思いますが・・・

 プリンカム発売時に特徴として謳っていた「同じコマが何枚でもプリントできる」というのは、便利でもあり金喰い虫でもあります。
 インスタント写真の良さは、撮ったその場で写真が手に入ることと、その写真が一点モノだということです。写真1枚に値打がありました。
 それが、何枚でもプリントできる・・となったら、有り難味が薄れます。フィルム代もしっかり掛かるし・・・

2010/01/23(土)デジカメとインスタント写真

 デジカメの画像をその場でインスタント写真にする機種がありました。FUJIFILMから出ていた「プリンカム」(FinePix PR21)です。
 230万画素のデジカメにインスタントフィルム「チェキ」を内蔵したキワモノでした。いまから10年ほど前だから、メガピクセルという謳いこみがまだ新鮮だったころの話です。

 筐体が大きかったためか、話題性があった割には売れなかったみたいです。何もデジカメである必要はなかった・・ということでしょう。ボディーサイズは、インスタントカメラと同じでした。
 それでも、新発売のときのニュースリリースには、デジカメならではの特徴が列挙してあります。インスタントカメラと違う点とは・・・

[1]撮影しておいて後からコマを選んでプリントできる・・なるほど。あくまでプリンター内蔵のデジカメということです。

[2]トリミングや複数枚のプリントが可能・・確かにインスタントカメラではできない芸当です。(チェキで「2枚プリント」というのはありますが・・)

[3]オートホワイトバランスで自然な発色・・色温度変換はデジカメのオハコです。

[4]スマートメディア内の画像をインデックスのようにプリントできる・・スマメというのがいかにも当時らしいスペックです。

[5]撮影日時をプリントに入れられる・・日付機能はインスタントカメラでは機構的に無理があります。

[6]デジタルフィルター機能でエフェクトプリント・・モノクロ・セピア・美肌など。それだけではプリクラみたいな加工は無理ですが・・・

 ほかにもいくつかデジカメの特性を活かした機能を羅列していました。売れなかったのは、やはりカメラボディーの大きさでしょうね。
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