2008/03/22(土)ストロボは補助光
ISO800とか1600なら、ストロボなしでも写せます。披露宴会場は明るいですからね。ストロボを使う場合は、万一不発だったり、天井が高くて光量が足りなかったりしたときでもキチンと写るように、カメラの露出を設定します。
ストロボを補助光として使うわけです。プログラムオートのままだと、かなり速いシャッター速度(1/125秒以上)になってしまうので、シャッター速度優先などに変更します。1/60秒くらいが無難ですね。マニュアル露出なら、充電していれば間違いなくストロボは発光します。
絞りは、F4からF5.6くらいになるはずです。ズームレンズだと開放に近い絞り値です。前後に奥行きのある場合は被写界深度から外れる可能性があります。
腕に自信のあるひとなら、1/30秒を推奨します。手ブレ補正機能があるカメラなら、なんとかブレずに撮影できるでしょう。レンズの焦点距離は、標準レンズよりもワイドぎみに設定します。
フィルムカメラ全盛のころには、1/30秒で撮るようにしていました。
一般のゲストのひとは、自動露出のままなので、かなり速いシャッター速度で撮影しています。近くの人物はストロボ光でキチンと写りますが、背景はドーンと暗くなります。
1/30秒でF5.6くらいだと、ISO400程度のフィルムでも背景が写ります。その場の雰囲気が描写できるので、ゲストの写真と差がつくわけです。
デジタルカメラは色温度の補正が楽なので、ストロボを直焚きする必要はありません。天井バウンスを多用して、全体に光を回す撮り方が主流になります。
ストロボを補助光として使うことで、自然な描写が得られます。「上手な写真」の基準は、時代とともに少しずつ変わってきています。
2008/03/21(金)外部ストロボはエクソシスト型
外付けのストロボでも首が振れないタイプは、内蔵型と同じです。光量が大きいだけで、内蔵型と何ら変わりません。
外付けのストロボを購入するなら、価格は高くても首が振れるタイプを選ぶべきです。それも、上下だけではなく、左右にも首が振れるタイプを選びます。
360゚とはいわないまでも、真後ろまで首が回るタイプは、俯瞰撮影のときに天井バウンスできて便利です。こういうタイプを「エクソシスト・バウンス」と呼びます。(私が勝手につけた名前なので、あまり本気にしないほうが身のためですが・・・)
壁や天井にバウンス(反射)させることで、正面以外の方向から、面光源で照明することができます。
気をつけるのは、壁や天井の色です。白ならいいのですが、茶色だったりすると、反射光も茶色っぽくなります。それを百も承知で、逆に色目のアクセントにすることもアリですけどね。
結婚式で、チャペルや披露宴会場に入ったときは、すぐに壁や天井の色をチェックします。白なら自然な発色が得られますが、そうでなければバウンス撮影に制限が生じます。
この判断が自然にできるようになったら、もうプロの領域ですね。
2008/03/20(木)ストロボの活用法
フィルム全盛の時代は、室内などの暗い場所での撮影には、ストロボは不可欠でした。ISO400程度のフィルムで、ストロボなしで撮影するのは、かなり無理があります。
手ブレするという露出的な問題よりも、色温度の補正が難しかったからです。(色温度補正フィルターを使えば、露出倍数がかかるので、当然ブレずに撮影することは無理ですが・・・)
ネガフィルムは、プリント時に色補正することができます。ただし、普通の写真店で、タングステン光(約3000K)をデーライト(約5500K)に変換できる技術を持っているところは、ほとんどありません。
フィルムでの室内撮影は、明るさを補完するだけでなく、色温度を補正する必要があったわけです。太陽光とほぼ同じ色温度のストロボは、この二つの問題を同時に解決できる切り札でした。
露出のバランスは、ストロボ光だけで適正露出になるようにセットされます。カメラの自動露出機能は、普通はそういう仕組みになっています。
自然光(室内光)で手ブレするシャッター速度になると、カメラの自動露出機能は、ストロボ撮影に切り替わります。ストロボの光だけで写真が撮れるような設定に、自動的に変更するわけです。
ストロボ光が届く範囲なら、露出面での失敗はありません。問題なのは、正面から点光源で照明するので、立体感や雰囲気の描写に欠ける結果になることです。
FUJIFILMから発売されているナチュラというカメラは、同名のNATURA 1600というフィルムを詰めたときだけ、ストロボが不発光になります。演色性の高いISO1600のフィルムなら、色温度の違いは緩和されるので、その場の光だけで撮影して自然な描写を得ようという考え方です。
結婚式の撮影には、威力を発揮しました。デジタルカメラの高感度化が進んで、いささか影が薄い存在となりましたが、正面からストロボを直焚きすることの味気なさをカバーする画期的な方法といえます。
ストロボ光だけに頼っていては、雰囲気のある写真は撮れません。デジタルカメラの高感度化・高性能化は、ストロボの新しい使い方を模索するきっかけとなりました。続く・・・