2012/02/20(月)メタハラの使いみち

 昨年 12 月に、蛍光灯や LED 照明の高演色ライトを採りあげたときは、メタルハライドライトは検討の対象外でした。ストロボ屋からの情報で今回調べてみて、写真撮影にも使えそうなことがわかりました。

 高演色の AAA 蛍光灯は、40W と 20W の直管のみです。一般的な事務所はともかく、家庭や商業施設では、照明器具の関係で使えないケースが多々ありました。メタハラが加わったことで、選択の幅が広がります。
 ただし、高演色のメタハラは価格が高めです。LED 電球のフルスペクトルタイプとあまり価格差がないのに、定格寿命で見劣りするのが辛いところです。

 こうしてみると、効率が悪いうえに寿命が短いと疎まれたタングステン電球は、写真撮影用としては安価で優秀な光源でした。(まだ過去形は早い?)
 とにもかくにも Ra100 のフルスペクトルライトだし、邪魔な輝線スペクトルはありません。デーライトにするには色温度の変換が必要ですが、デジタルカメラなら簡単にできます。
 省エネ・節電の世相には合わなくなりましたが、写真を撮るときくらいは、お目こぼしということで・・・

 メタハラの使いみちは、その特徴を活かして大光量の照明として利用することだと思います。庭や駐車場など、建物近くのアウトドアなら電源の問題もクリアできます。
 昨年3月の大震災では、工事用のものが実際に避難所の屋外で使われたそうです。フルスペクトルの明るい光は、例え僅かでも被災者に安心感を与えたことでしょう。

 バルーン形の投光器は個人で買える代物ではありませんが、電球だけなら手の出せる価格です。ちなみに、パナソニック・スカイビーム 100V 400W の実売価格は1万円程度。普通の LED ライトでは得られない大光量が手に入ります。(但し口金の規格は E39)
 工事用の 400W 投光器が 30 万円前後もするのは、発電機代とバルーンの開発費ですかね。

2012/02/19(日)バルーン投光器のランプは?

 ストロボ屋さんから、工事現場のバルーン投光器が写真撮影に使えると聞いて、ライトの性質を調べてみました。光源はメタルハライドランプです。略して「メタハラ」。(メタボな腹・・じゃない)

 バルーン投光器については、ランプがメタハラの何ワットか表示があるだけで、口金の規格や型式は調べてもわかりませんでした。1社だけ SOCKET:E39 と口金サイズを公開していましたが、他社がどうかは不明です。このメーカーは、色温度も 6000K と表示していました。

 メタハラが普及し始めたころは、水銀灯の改良型くらいにしか思っていなかったのですが、いまではかなり演色性の高いランプが登場しています。岩崎のカタログを見ると、色温度 5500K、演色評価数 Ra 90~92 というのが載っていました。
 分光特性はフルスペクトルで、540nm あたりに輝線スペクトルらしいピークがあるほかは、クセのない分光分布図です。これで 1500W とか 2000W の大光量ランプがあるのは驚きです。

 東芝からは、演色評価数 Ra96 のものが出ています。口金は一般的な E26 ですが、電圧が少し低めで安定器は専用です。定格電力は 70W と 150W。色温度は 3500K と 4500K の2種類。
 どうやら水耕栽培用に作られたみたいです。太陽光に近い光を求めるのは、写真だけじゃないんですね。

 パナソニックからも Ra96 のスカイビームシリーズが出ています。片口金 PG 型で、4300K は 100/150/250W の3種類。6000K は 150W のみとなります。紫外線放射を抑えているので、こちらは商業施設やスポーツ施設を想定しているようです。

 同じスカイビームシリーズで、口金 E39、演色評価数 Ra93 というメタハラがありました。定格電力は、400/1000/1500/2000W。色温度は 6000K です。
 ストロボ屋が絶賛のバルーン形投光器に使っていたのは、おそらくこのランプですね。分光分布図では、530nm あたりに輝線スペクトルがあるのと、420nm あたりの若干高い部分を除いて、ほぼ平均したフルスペクトルでした。これなら写真撮影に使えそうです。

2012/02/18(土)工事現場のバルーン照明

 ストロボメーカーの人と話をしていて、LED 照明の話題になりました。フルスペクトルの LED 光源が低価格で供給されるようになったら、そちらにシフトしていくのでは?と言うと・・・

 それはないだろうとの見解です。光の性質が面光源向きでないのが、その主な理由のようです。個人的に LED の光質は好きになれないとも・・・(早い話が LED 嫌いなんですね)
 写真撮影に使うなら、工事現場でよく見かけるバルーン形の照明装置がいいと言ってました。実際に試してみたら、発色も悪くないそうです。この人、ストロボ以外の光源を否定する姿勢ではないようです。

 LED は元来が直流電源向きだから、鉛蓄電池などのバッテリーが使えます。屋外での使用には便利な光源です。一方、バルーン形はメタルハライドランプで、交流電源仕様です。屋外では発電機を使います。
 バルーン形投光器は、400W クラスと 1KW クラスがあり、30~90 万円あたりが相場のようです。写真用の照明装置としては、ちょっと荷が重いですね。(目方も重たい)

 メタルハライドランプ(略してメタハラ)は、いろんな種類があって、演色性がよいとされているのは、希土類ハロゲン化物を加えたタイプです。寿命が短くなる傾向があるそうですが、プロ野球などのスポーツ施設に使われているのはこのタイプです。1回あたりの照明時間が短いのと、テレビ中継があるからでしょう。

 テレビ局や映画の撮影に使われているのは、さらに高演色タイプのメタハラで、ハイビジョン対応を謳うものも出ています。
 メタハラは、水銀灯と同じ安定器が使えるので、設備はそのままでランプだけ交換することが可能です。現在は大型商業施設やスポーツ施設で広く使われています。水銀灯は輝線スペクトルの関係で、写真が緑被りするのが難点でした。これが緩和されるようになったのは歓迎です。
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