2008/06/18(水)写真集の印画紙
以前にも少し触れましたが、カラー印画紙は湿気に弱いので、表面にラミネート加工しないと、写真同士がくっついてしまいます。モノクロ写真は銀で画像を作っているので水を弾きますが、カラー写真は色素なので吸湿性があるからです。
額に入れておいたカラー写真が、ガラスにくっついてしまった経験をお持ちのかたもおいでになると思います。
表面ラミネートをかけるなら、印画紙はグロッシー(光沢)を使います。シルク(絹目)なら触れ合う面積が少ないので、ラミが要らないように思いますが、実際には不都合があるようです。
最近は、マット(艶消し)やラスター(微粒面)をラミなしで使うケースが見受けられます。おおむね良好のようですが、お茶をこぼしたりしないよう、水気に注意したほうが無難ですね。
写真の印画紙は厚みがある上に、台紙も厚手のものを使い両面粘着テープで貼り付けるので、かなり重厚になります。30ページものになるとズッシリ重いですね。
本格的な裁断機でないと切れないので、制作する業者は限られます。知り合いの写真屋さんは、10ページ程度の写真集は自家制作ですが、ブライダルものは外注しています。裁断機がネックのようです。
薄手の印画紙を使って、印刷物に近い厚みにしている写真集もあります。どちらがいいかは、好みの問題でしょうね。
2008/06/17(火)印画紙の値上げ
石油や小麦粉の値上がりに比べれば、大きな数字ではありません。利用している分野が限られるので、生活への影響は少ないと思います。
写真業界では、値段が云々よりも、いつまで供給が続くか?のほうが問題です。今夏、値上げするということは、当面生産を続行するということなので、とりあえずひと安心、といったところでしょうか。
衰退する分野の値上げは、衰退をより加速するという側面があるので、安堵ばかりしていられませんが・・・
銀塩カラーペーパーは、表向きの標準価格とは別に「対策費」のウエイトが高い商品です。キタ○ラなどの全国ネットのチェーン店や警察納入品などが対象です。大手の需要家向け価格がどうなるのかは、あまり情報が表に出てきませんね。
警察が使う銀塩写真材料は、かなりの量みたいですね。各県警本部には、自動現像機が置いてあって、「自家処理」をしています。外部委託できない内容の画像が多いので、内部処理をしているわけです。
白フチつきでないと、証拠写真にならない・・なんて話を聞いたことがあります。フチなし写真は、どこで切ったかわからないからだ、というのですが、どうなんでしょうね。
街の写真屋さんで、「フチつき」のプリントを指定するひとは、大抵は警察関係のお客さんだ、なんて話を聞きましたから、まんざらガセではないようですが・・・
ブライダル関係の写真がフィルムからデジタルに移行したので、警察関係は最後に残った大口重要先です。いずれデジタルに替わる日がくるでしょうけどね。
2008/06/16(月)メタリック調の印画紙
以前、FUJIFILMから出ていたメタリックペーパーは、白の部分がシルバーだったので、人物に使うと違和感がありました。どこかのエアコンのテレビCMに出てくる、ステンレス顔のお母さんみたいです。
これらは、印画紙自体がメタリック仕上げになっているので、デジタルで色をつけて同じような表現にすることはできません。メタリック調の紙を用意すれば、近い表現になるかもしれませんが、インクが顔料系だと、インクの載った部分の光沢感がなくなってしまいます。
染料系のインクがうまく紙に染み込むかどうか、テストしてみないとわかりません。表面加工した紙は、難しいかもしれませんね。
エンデュラ・メタリックペーパーは、ディスプレイ用に開発された印画紙ですが、ブライダル写真集に利用している業者もあるようです。
でも、写真集全部をメタリック調にするのはどうですかね。他社との差別化にはなるでしょうが・・・
どこか1箇所か2箇所、見開きでメタリック調にするのが、効果的な使い方だと思います。
プロ用ペーパーなので、市中の写真屋さんが使っていることは、まずないと思います。写真集の制作会社でも、業者向けのところに限られるので、一般のアマチュアが利用するのは難しいかもしれませんね。
興味のあるかたは、一度覗いてみてください。
コダック・プロフェッショナル エンデュラ メタリック カラーペーパーはコチラから