2008/03/13(木)畳で三脚は要注意
地上で三脚の大敵は、畳の部屋です。畳は人が歩くとかなり揺れます。畳の上に三脚を据えたときは、自分はもちろん、他の誰かが歩いていないか注意してからシャッターを切るようにします。
仏前式で、お寺の本堂や大広間で集合写真を撮るときは、この点に気をつけます。集合写真でブレたらアウトです。大光量のストロボは、閃光時間が遅いので、安心はできません。高速シンクロ可能なストロボは、とくに注意が必要です。
乗鞍高原に「番所の大滝」という滝があります。鉄の階段を下りて滝壷のそばまで行くと、ベランダ状の場所があります。滝の撮影は、シャッター速度を遅めに設定して、水の流れを演出するのが一般的な撮り方です。
手持ちではブレてしまうので、三脚を使うことになりますが、ベランダがかなり揺れるので、誰もいなくなるまで待たなくてはなりません。シャッターを切るときは、自分も息を殺して動かないよう注意します。
最近は行ったことがないので、どうなっているかはわかりませんが、昔は木製のベランダでした。かなり揺れましたね。
尾瀬や上高地などの木道でも同じことがいえます。景勝地での撮影には、「待つ」という忍耐が必要ですね。
2008/03/12(水)船上から手持で撮影
揺れる船の上から風景を撮るときは、三脚は何の役にも立ちません。揺れを忠実に再現するだけです。強いて言えば、雲台のストッパーをすべて緩めておいて、手持感覚でフリーで使うやり方しかありません。
人間の身体は柔らかいので、自分の体で揺れや振動を吸収するようにすれば、300mmの望遠レンズでもブレずに撮れる可能性はあります。
VTRカメラなら、カメラに付けた紐の先をループにしておいて、片方の足にはめて踏み付けます。上に引っ張り上げるようにして手持で撮影すると、かなり安定した画面で撮影することができます。スチール写真は静止画ですから、紐の力を借りなくてもできると思います。
シャッター速度を早く設定することは、当然でしょう。地上でも安全パイは1/300秒以上ですから、船上なら1/500秒でも心配ですね。超高速シャッターは、ただの飾りではありません。ここぞというときには活用しましょう。
船に弱いひとは、数千分の1秒でも危ないけどね。
同じ船の上に乗っている被写体に対しては、三脚は有効です。一緒に揺れてますからね。船上での結婚式を撮ったことはありませんが、もし機会があれば三脚は忘れずに持っていくようにします。
船の上で集合写真・・ということもありますから。
2008/03/11(火)三脚のエレベーター使用は御法度?
かなり前になりますが、あるカメラ雑誌のテストで、エレベーターを伸ばしたときの方がブレにくい・・という実験データが載ったことがあります。三脚の機種によってテスト結果はマチマチでした。しかし、特定の機種であっても、エレペーターを伸ばした方がブレにくいというのは、予想外の結果です。
これも前回話題にした「共振現象」だと思います。あるシャッタースピードに限って、常識と逆の現象が起きたのだと考えられます。三脚メーカーのひとは、かなり困惑してましたね。自分達が日頃言ってきた「鉄則」が崩れてしまうことになりますから・・・
自分の持っている三脚とカメラで、どれが魔のシャッター速度かをテストしておいたほうがよいかもしれません。エレベーターを伸ばしたときもテストしておくことをお薦めします。
簡単にできるテストの方法は、黒い紙(黒ケント紙など)に針で無数の穴を開けておいて、三脚にカメラを載せてシャッター速度を変えながら複写するやり方です。必ずケーブルレリーズかセルフタイマーを使います。
レフ板やライトを使って、紙の後ろから照明するとよいでしょう。針の穴は、真円になるように慎重に開けます。後で原板を顕微鏡か高倍率ルーペで見て、ブレているかどうかをチェックします。デジタルカメラなら、画像ソフトでピクセルが判別できるまで拡大すれば、ブレを検出できます。
使う交換レンズの重量や長さによって、魔のシャッター速度は変わります。ブレを重視する望遠レンズやマクロレンズを使ってテストするとよいでしょう。