2012/03/21(水)郷土の歴史と三猿

 「酸化セリウム」の先生の家は、代々続いた庄屋の家柄です。敷地内にある蔵は米蔵ですね。中学生の頃に初めて訪ねたときは、周りは田んぼでした。いまでは、住宅がビッシリ建ち並んでいます。近くに空き地か畑があったら、たぶん先生の土地だと思います。

 そんなことから、地元の寺社とは長年の付き合いで、何かあるたびに寄付金の依頼がくるそうです。土地はあっても金はないから、そうそう付き合ってはいられないとこぼしてました。
 神社やお寺に寄付しても、普通は税金の控除はありません。控除の対象になるのは、重文などに指定された寺社仏閣で、しかも指定寄付金が認められている一定期間だけです。「へたに寄付すると使途不明金扱いだ」とか言ってました。

 いまの戸籍法が施行される前の家系は、お寺の過去帳で辿ります。先生が調べた範囲では、この土地が開墾されて以来続く家柄のようです。
 町名に「申(さる)」の字がつくのは、申の年に先祖がこの土地に赴任してきたのが由来だそうです。

 そういう郷土史を知らない住民が、町興しと称して神社の前に三猿の石像を立てたのを嘆いてました。「見ざる聞かざる言わざる」を逆にもじって、「見る・聞く・言う」猿の像というのが、お気に召さないみたいです。
 町名の由来は動物の猿ではなくて申年の申なんだけど・・とか、新しい世代の人が何をやろうが勝手だが、歴史に基づかないパロディーは、神社の前でなくて公園の中でやってほしい・・とか、いろいろ言ってました。

 三猿の解釈についてもウンチクがあるようです。宗教的な祭事の中には、知っていても言わない、あえて公にしないことがあるんだとか・・・
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