2012/09/30(日)往生した古物許可証の更新

 ソフトバンクが古物許可証を取得せずに下取キャンペーンをして御用になったのは、初歩的なミスでした。下取した旧モデルのスマホを廃棄せずに海外に転売する方針だったのが、法律違反と判断されました。
 古物商許可証については、個人的に苦い思い出があります。昔、会社勤めをしていたときに、許可証の更新手続きで往生しました。ただでさえ警察嫌いなのに、ますます大嫌いになりました。

 きっかけは、ある日突然「御社の社長は○○さんですか?」と、警察から問い合わせがあったことです。ずいぶん前に引退した人の名前でした。古物商許可証の更新手続きが必要だと言います。手続きは公安委員会ではなくて、近くの警察署が代行していました。その署では生活安全課が窓口です。

 生活安全課では、水商売や風俗関係の許認可窓口もやっています。隣の席では、「シャワー設備があるような店は喫茶店では通らない」、「いやこれは従業員用で・・」と押し問答が続いていました。
 当方の担当者は若い女性の警察官です。舐められてはいけないと思ったのか鉄面皮での対応でした。提出した書類に割り印がないとの指摘です。受理できないので出直してこいと・・・

 本社に書類を送ってハンコを押してもらい、再度届けに行きました。今度は偉そうな男の警察官が出てきて、「うちの書類に割り印が必要なものはない」と言い張ります。すぐ後ろにいた前回対応の女性警察官は、チラッとこちらに目をやっただけで知らん顔です。(姐ちゃん、あんたの指図だぜ!)

 隣の席では風俗関係風の男が、しびれを切らしたのか「何回通ったら許可が出るんだ!」と叫んでいました。「来るたびに言うことが違う」と、憤懣やるかたない様子です。その気持ちよくわかります。
 「そちらの要請で動いたのに、こんな面倒なら更新手続きはやめる」と言うと、許可証を取り消すのにも手続きが要るんだそうです。そんなことならもう一回だけ足を運ぶことにしました。

 今度は優しそうな男の警察官が対応してくれて、やっとのことで更新手続き完了です。
 本社は許可証を持っていないのに、なぜ出先の営業所だけ取得したのか最古参に聞いてみました。大昔に下取名目で値引するキャンペーンをやったときに、ここの警察署だけが古物商許可証が要るとしつこくクレームをつけてきたそうです。管轄の警察署によって見解が違うというのも困ったもんですね。

2012/09/29(土)下取セールと古物免許

 スマートフォンをめぐる競争の激化で、ソフトバンクがフライングです。iPone 5 を拡販するために打ち出した旧型の下取キャンペーンが、当局から法律違反で差し止めの警告が出ました。いわゆる「古物免許」がないとの指摘です。
 中古品を買い取ったり、販売したりするのには、「古物商許可証」の取得が必要です。俗に「古物免許」と言われていますが、正しくは営業許可で免許証とは違います。

 業務として中古品を扱うには必須の申請ですが、携帯電話の世界では無縁だったみたいです。写真業界では中古カメラの売買は付き物だから、許可証を取得している小売業者は大勢います。業界によって古物の扱いに対する認識に差があるようです。
 今回の事件は、旧型のスマホを下取して海外に転売する方式だったのが、問題視されたみたいです。単なる値引であれば、お目こぼしだったかもしれません。下取した旧品が廃棄される前提であれば、古物の売買にはあたらないからです。値引の口実に下取を謳うことはままあります。公取や消費者センターからクレームがつくことはあっても、古物で警察の御用になることはないはずです。

 古物許可証の申請はかなりやっかいで、司法書士など専門家に依頼しないとすんなりいきません。とくに法人は揃える書類が多く、手続きが面倒です。本社だけや出先の事業所だけを申請するのか、全事業所で取得するのかで、手続きの内容が変わります。
 もうひとつやっかいなのは、申請を受け付ける窓口で対応が違うことです。各都道府県の警察署が窓口になっていますが、シビアな署もあれば比較的ラフなところもあります。担当者によっても対応が違うから、申請から取得まで、かなりの時間を要するとみたほうがいいでしょう。

 今回の一件は、すでに古物許可証を取得している子会社を使い、下取キャンペーンを継続する方向で調整しているようです。古物の扱いを誰も知らなかったというのは、ちょっとお粗末でした。管轄先の警察に通報したのは、おそらく競合先の同業者でしょうね。

2012/09/28(金)野外ロケの無線LAN

 撮影した画像データをワイヤレスでパソコンの大容量 HDD に送るやり方は、スタジオ撮影だけでなく野外ロケでも使われています。車の中やテントに設置したパソコンに、無線 LAN を使って画像を転送します。野外での無線 LAN 環境は電源の確保など難しい問題があります。それにもかかわらず採用するのは、クライアントやデザイナーにリアルタイムで撮影画像をプレゼンしたいからです。

 実際には、本命の RAW データではなく JPEG 画像だけを転送します。数百万画素の JPEG データなら比較的短時間で転送可能です。撮影現場でパソコンのモニターを見ながら良いカットをチョイスするのに、RAW データを使う必要はないからです。
 こういう使い方をするのに、カメラ内に Wi-Fi 機能を内臓する必要はなさそうです。外付けのワイヤレス装置(例えばニコンのワイヤレストランスミッター)を利用するほうが実用的です。元は報道写真用に開発されたシステムです。

 無線 LAN は到達距離が長いので、野外での撮影に向いています。100m から 200m は飛ぶでしょう。実際には、障害物が途中にあったり、スタッフが間を横切ったりして、通信障害が起こる可能性があります。30m から 50m の地点に中継用の無線 LAN ポイントを高めの位置にセットすれば、安定性が確保できます。
 ここでも問題なるのはセキュリティーです。到達距離が長いシステムほど、画像データが漏洩する危険性が高まります。パスワードなど機器の設定をきっちりしないといけないので、面倒がって敬遠する向きもあるようです。

 個人的な撮影では、第三者にプレゼンする必要はないので、ワイヤレスの使い方はもっと簡素でも構いません。カメラのそばに停めた車の中でモニターしたり、カメラをコントロールしたりできれば事足ります。
 無線 LAN でなくてブルートゥースでもいいのですが、こういう使い方は業務用途が優先されます。当面は無線 LAN が主流になるでしょう。ただし、カメラ内臓の Wi-Fi 機能は、画像データを手元のスマホに送るのが目的で、あくまで個人用途を前提にしています。野外ロケには向きません。
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