2010/10/04(月)3層構造の撮像素子

 フォトキナで発表されたデジタルカメラで、ひときわ注目を集めたのは、シグマのデジタル一眼レフ SD1 です。フルカラー X3 ダイレクトイメージセンサーを搭載し、APSC 機で有効画素数 4600 万画素を謳い文句にしています。

 PENTAX 645D もビックリの高画素ですが、実際には 1530 万画素を RGB 3層構造にして、1530 万×3で有効画素数 4600 万画素ということです。

 この画素数表示は、出始めのころのスーパー CCD ハニカムを想起させます。素子面積の大きなハニカムは、画素数を内部で2倍に増幅しても十分な余裕がありました。ところが、実際の素子数とは違うと、他社から猛攻撃を受けます。FUJIFILM は泣く泣く画素数を下げて表示せざるをえませんでした。
 現在のハニカム CCD (SR/EXR)は、主素子と副素子を足せば、表示どおりの画素数になります。

 フルカラー X3 ダイレクトイメージセンサーは、1つの素子で RGB 3色を構成するので、原理的には偽色が発生しないとされています。ローパスフィルターは不要です。
 4素子で RGB+G を構成するベイヤー式センサーよりもシャープな画像が得られます。仮に 1530 万画素のセンサーとして見ても、かなり有利といえるでしょう。

 この特殊なセンサーは、米 FOVEON 社が開発したものです。現在ではシグマに買収されているので、今回は FOVEON という表記はされていないようです。
 まだ開発発表の段階ですが、裏面照射型センサーと共に、今後の展開が気になる撮像素子のひとつです。

 この3層構造のセンサーを使ったコンデジが、先日シグマから発売されました。470 万×3で 1400 万画素の DP1x です。28mm 相当の 16.6mm F4 レンズが固定式で搭載されています。
 スペックを見た限りでは、シグマのデジイチ SD15 と同じセンサーのようです。20.7x13.8mm だから APSC よりも少し小さめですね。

2010/10/03(日)Eマウントを開示?

 ミラーレス「一眼」 NEX シリーズで注目を集めているソニーが、フォトキナのプレス会見で、Eマウントを他社に開示する話が出ていました。
 ソニー以外のメーカーから、Eマウントの交換レンズが出てくる可能性があります。もし本気で言っているなら、タムロンはソニー陣営だから、発売されるのが早いかもしれません。(それとも裏方に回るか?)

 他社レンズを装着する変換アダプターに対しても寛容な姿勢です。仕様を公開することで、より精度の高いマウントアダプターが出てくるのを期待しているとか・・・
 このあたりの姿勢は、ミノルタ譲りですね。世界初の本格的 AF 一眼レフ α7000 が発売されたとき、AF のノウハウを一社で握りこまない方針を打ち出しました。Nikon、PENTAX など各社が同じ方式を採用しています。(無償ではなかったようですが・・)

 他社がEマウントのカメラを出すことも規制しないそうです。M42 のプラクチカマウントや、PENTAX K マウントみたいに、違うメーカーから共通マウントのカメラが登場する可能性が出てきました。
 こうした動きは、マイクロフォーサーズを意識してのことだと推察します。1社だけで主流の座を獲得するのは、難しいとの判断でしょう。相手陣営には、パナがいます。

 実際にこの話に乗ってくるメーカーが、あるかどうかは、現時点では未知数です。各社各様、思惑もあれば事情もあるはずです。
 一方、一般ユーザーにとって、Eマウントの開示は朗報です。他社からEマウントのカメラが出なかったとしても、マウントアダプターの精度が上がれば、恩恵が受けられます。

 韓国のサムスンが、APSC サイズでレンズ交換式のミラーレス機を出しています。日本国内での販売は未定だそうですが、仮にこれが独自の NX マウントでなくて、Eマウントだったら・・・
 伏兵は、意外なところにいるかもしれませんね。

2010/10/02(土)Eマウントの交換レンズ

 発売以来好調の SONY NEX シリーズ用の交換レンズが、フォトキナで参考出品されました。2012 年までに、あと 7 本ほど追加する予定だそうです。
 カールツァイスのレンズも含まれていました。Eマウントでは初の発表です。ツァイスとしては、Aマウントよりも脈アリと踏んだのでしょうか?

 既存のパンケーキレンズに不満の声もあったから、ツァイスのワイド系に期待している人がいると思います。以前サンプル写真を見た感じでは、いまのパンケーキで十分な気もしますが、選択肢は多いに越したことはありません。

 EマウントのGレンズもアナウンスされています。そのうち、Aマウントよりもこちらのほうが主流になるかもしれませんね。デジカメだけでなく、ビデオカメラもあることだし・・・
 そんな懸念を払拭する意図からか、Aマウントの交換レンズも出品されました。500mm F4 G と標準ズームです。しばらくは、並行しながら様子見ですね。

 次回のファームウェアアップグレードで、EマウントにAマウントレンズを付けるマウントアダプターが、AF 対応になるそうです。
 オートフォーカスになるのは、AF モーター内蔵のレンズだけですが、期待する声があったので、αユーザーにとっては朗報です。
 AF モーター内蔵のAマウントレンズが、今後追加投入されるかどうかも気になるところです。

 ミラーレス機は、現行機種のカラーバリエーションが発表されただけでした。ケータイ感覚ですね。レンズの色はそのままです。発売されて間がないから、新機種投入はもう少し後のようです。
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