2010/10/28(木)著作権の保護と利便性

 画像や音声のデジタル化で、ダビングの制約が強化されました。コピーしても品質の劣化がないから、複製を制限することで著作権を保護するのが目的です。
 デジタル放送を録画しておいて、あとからCMをカットして再編集することができなくなりました。画質が落ちない代わりに、融通性がなくなりました。

 どうしても従来どおりにCMをカットしたいなら、アナログ機(VHS デッキ等)にダビングすればできます。アナログ出力にはコピー制限がないからです。
 ただし、アナログ機にダビングしても、コピーワンスの信号は一緒に記録されます。ダビング制限がないのは、アナログ機器同士の話です。

 デジタル放送にここまで厳しい制約を設けているのは、日本くらいだという話を聞きました。もし著作権が侵害されたら、補償は裁判で争うのが欧米流です。
 ダビング 10 開始のときには、コピー回数に制限を設けたうえに、さらに著作権の補償金をデジタル機器に上乗せして徴収しようという動きがありました。著作権団体の欲の皮の厚さに、反発の声が上がりました。

 ダビング 10 のデジタル放送は、地デジ全般と無料のBS、有料放送でもニュースなど一部の番組だけです。民放はCMの収入で成り立っているから、孫コピーができないのなら、回数制限までする必要はないのでは?

 いずれにせよ現時点では、デジタル録画はダビング 10 かコピーワンスしかありません。VHS や 8mm ビデオデッキと同じような扱いができないことに、戸惑う人が多いと思います。
 画質や音質がよくなった代償として、個人で楽しむ権利は制約でがんじがらめです。

2010/10/27(水)地デジ放送の録画

 テレビ放送のデジタル化で、番組の録画に制約ができました。2008 年7月までは、コピーワンスといって、1回しか録画できないことになっていました。
 HDD から他のメディアにダビングすると、元のデータが消去されてしまいます。要するにムーブ(移動)しかできない仕組みになっていたわけです。移動したデータを別の媒体に移すことはできませんでした。

 その後、ダビング 10 という方式が採用されました。9回まではダビング可能で、10 回目がムーブとなります。ただし、これができるのは、ダビング 10 に対応した機器だけです。
 非対応機はもちろん、外付けの地デジチューナーを通すと、ダビング 10 対応機でもコピーワンスとなるそうす。録画装置に内蔵のチューナーを使う必要があるわけです。
 ダビング 10 でコピーしたデータから、孫コピーはできないので、手にできるメディアは 10 枚までとなります。

 こうした制約は、何回ダビングしても画質が落ちないデジタルコンテンツを保護するために設けられたと言います。著作権の保護はわかるけど、視聴者の利便性は無視された形です。
 無料の BS 放送はダビング 10 ですが、有料のデジタル衛星放送の多くは、今でもコピーワンスを採用しています。

 ハイビジョン画質での録画はできないものの、VHS デッキなどのアナログ機器は、何回でもダビングすることができます。デジタル時代になって、アナログデッキの良さがわかった・・という人もいます。
 アナログだから、コピーするたびに画質は低下しますが・・・

 VHS テープには、コピーワンスの信号も記録されます。HDD にダビングした場合は、そのデータはムーブしかできないみたいです。再生しながらのダビングは、時間が掛かるから、何回も別の媒体に移すのは非効率的です。

2010/10/26(火)アナログ録画機の余命

 テレビ放送の地デジ化で、アナログ式の VHS デッキが使えなくなる可能性が出てきました。録り貯めた VHS テープを再生して観ることはできますが、アナログチューナーで地デジ放送を録画することは不可能です。

 現時点では、地上アナログ波と地上デジタル波が並存しているので、従来どおりアナログ式ビデオデッキで録画予約ができます。これが、アナログ波が停止してしまうと・・・
 ビデオデッキのアンテナ入力を外し、地デジが視聴できるテレビの出力端子とつなげば、地デジの録画は可能です。ただし、留守録はできなくなります。テレビに予約機能があれば、話は別ですが・・・

 いまテレビに映っている番組が録画できるだけでは、いかにも不便です。録画の目的の多くは、裏番組を後で観るとか、不在時の番組を留守録しておくことです。
 地デジチューナーをビデオデッキつなげば裏番組の録画が可能ですが、テレビもアナログの場合は地デジチューナーが2個必要です。将来テレビを買い換えたり、デジタルレコーダーに入れ替えるつもりなら、無駄な投資になります。

 共同配信を請け負っているケーブルテレビ会社の地デジサービスを利用すれば、アナログ機器がそのまま利用できます。デジアナ変換した信号を配信する有料サービスです。2015 年3月までの暫定措置ですが、そのころには機械の寿命がくるだろうから、選択肢のひとつではあります。

 問題は費用です。アナログ波停止から 44 ヵ月利用すると、46,200 円の使用料が掛かります。自前のアンテナで、地デジ対応機器に乗り換えたほうがよさそうですね。
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