ラボ機器にはメンテナンスがつきものですが、コインちゃりちゃりの自立型セルフ式プリンターも同様です。ペーパーやインクリボンを詰め替えるだけで、そのまま使い続けられるというシロモノではないみたいです。
セルフ式プリンターは、メンテ込みのリースで導入するのが普通です。大抵は3年から5年のリースです。リース期間が終わる頃になると、印字ヘッドの交換などメンテナンスが必要になります。
しっかり稼いだ後ならいいけど、まだ機械代の元を取っていないのにメンテに費用が掛かるようでは、商売的に辛い話です。
知り合いの写真屋さんが自立型のプリンターを入れたときもそうでした。リースが終わり、次のメンテナンス契約をする段になってメーカーとひと悶着しました。
サーマルヘッド交換を含むオーバーホールをしないと、継続してメンテが受けられないと言います。「そんな話は聞いてない!」「いや、それでは困る」と大もめでした。
電卓を叩いてみたら、順調に利用されたとしても、機械代をペイしたころにオーバーホールの時期が巡ってくる計算です。「これではメーカーに奉公しているだけでは?」と、販売元の担当者に問い質したら、「バレた?」との反応でした。
いいかげんな話です。
結局、オーバーホールはしない、もし故障したときは自店で廃棄処分する、ということでメンテ契約の継続はやめたそうです。デジタル式の銀塩プリンターを入れてからは、サーマル式プリンターの利用頻度が低くなっていた事情もあったようです。
プリント1枚あたりのコストは、サーマル式よりも銀塩印画紙のほうが安く済みます。わざわざ売価の高いセルフ式プリンターを利用する客は、減少の一途でした。
デジタル銀塩プリンターを導入するまでの「看板」代わりにはなりましたが、利益は出なかったみたいです。設備投資をするときは、細部にわたるまできちんと調べないといけませんね。