2010/08/22(日)メシエ天体を制覇
星図の中に「M」が頭についた記号が載っていますが、これがメシエ天体です。散光星雲や球状星団、銀河系外星雲などです。全部で百ちょっとあります。
当時の望遠鏡で見つけたということは、小口径のものでも見られるということです。百名山を登覇・・なんてしんどいことをするよりも、「メシエ百天体を制覇」のほうが楽です。
私も主だったメシエ天体は、ほとんど見たと思います。科学雑誌に載っている写真のようには見えませんが、そこに天体があることはわかります。
印象に残っているのは、りょうけん座の M51 です。銀河系外星雲で、大小二つの銀河がつながっていて、子持ち星雲と呼ばれています。8等級と暗いのですが、見えたときには感動しました。
もうひとつは、こと座の M57 です。リング星雲と呼ばれる惑星状星雲です。中が暗くなっていて、名前のとおり扁平した指輪のように見えます。暗くて小さな天体です。
オリオン大星雲(M42/43)やアンドロメダ大星雲(M31)よりも、鮮明に記憶に残っています。
印象的だったのは、小口径の望遠鏡でも、写真で見たのと同じイメージに見えたからでしょう。ほかの散光星雲や球状星団は、綿埃みたいにボーッとしていて、面白くも何ともありませんでした。(機材は 10cm 反射式です)
長時間露光して写真で撮れば、目で見たよりも迫力が出ると思いますが、並の機材と技術では無理でしょうね。
メシエ天体の写真はコチラを参照
2010/08/21(土)コメットハンターはどこに?
彼らのような彗星探索家をコメットハンターと呼びます。夜更かしする必要はありませんが、早起きでないといけません。日没後の西の空か、夜明け前の東の空を望遠鏡を使って、目視で探すのがセオリーでした。
低倍率の望遠鏡で水平方向に探します。日周運動で星は少しずつ動いていくから、右に左にとゆっくり水平に動かしていれば、効率よく探せます。
なぜ日没後の西の空や、夜明け前の東の空かというと、彗星は太陽に近づくにつれて明るさを増すからです。口径が 20 ~ 30cm 程度の望遠鏡で発見するには、これが一番確実な方法でした。
雲の切れ間がある日は、毎日これを繰り返すのがコメットハンターの日課です。夜明け前のヒット率が高かったそうです。かなりの忍耐が必要だったでしょうね。
現在では、写真で探す方法が一般的になりました。一定範囲を何枚かに分けて撮り、何日か後に撮った写真と比較します。移動している星があったら、それは恒星ではないことになります。
彗星かどうかはわかりません。小惑星の可能性もあります。天文台などが握っているデータと照合して、新発見の天体かどうかを確めます。
彗星の探索が写真判定に変わって、昔ながらのコメットハンターは影をひそめました。趣味でやっている人はいるでしょうが、新発見の確率はほとんどなくなりました。望遠鏡では見えない、まだ暗いうちに、写真で発見されてしまいます。味気ないですね。
新発見と確信したときは、天文台へ「スイセイカ?」というウナ電を打ったと言います。いまならEメールでしょうが、夜明け前に打つことは、もうなさそうです。
2010/08/20(金)星が見える平地の穴場
こういう情報は、天文ファンに聞くのが手っ取り早い方法です。彼らはそういう場所をよく知っています。ただし、マナーを守らないタイプと思われたら、教えてもらえません。
苗木の盛んな地域の植林畑とか、周囲を塀で囲まれた資材置き場は、格好の観測スペースとなります。天の川は見えなくても、目が慣れれば3~4等星くらいは確認できます。私有地だから、無断で立ち入ってはいけませんが・・・
自宅が郊外にあるなら、庭やベランダに衝立や幕で遮光して、簡易な観測スペースを作ることができます。要は、街路灯や近隣の人家の明かりをいかにカットするかということです。もちろん、自分の家の明かりもです。
もし自宅の屋根が開いて空が見えれば、電気を消すだけで立派な観測所になります。機材を運ぶ必要がないし、AC 電源は取れるし・・・
そんな発想で、スライド式のルーフを備えた、マイ観測所を建てる人がいます。小屋の中には、自慢の望遠鏡や観測機材がギッシリと・・・
天文ファンの夢ですね。遠くまで出かけなくても、自分の家なら好きなときに星が観られます。
我が家にも空き地があって、その可能性がないではありません。いまは草ボーボーですが、観測小屋が建てば、草むしりをせずに済みそうです。(発想が矮小)
ただ問題は、周囲の人家が2階建てで、壁をかなり高くしないと遮光できないことです。それと家族からの「弾圧」ですね。最終的には、物置小屋にされそうな雰囲気です。
そうならないためにも、近場に観測スポットを握っておくのが無難な選択です。いずれリタイアして暇ができたら、もう一度望遠鏡でスカイウォッチを楽しみたいですね。