2010/08/19(木)天体観測のメッカ

 星を見に行こう!と思い立って、ではどこに行くかとなると、候補地は限られます。大抵は機材の山だから、車で行けるところに絞られそうです。
 昔から有名なところは、富士山の5合目です。ここまでなら車で行けます。駐車場は一般旅行者も利用するから、仲間の車で囲んで遮光するのがコツなんだとか。

 実は、山の中腹は天体観測には不適とされています。風が昇り降りするからです。空気の流れは星像を乱します。天気予報や気象図を確認してから出かけたほうが無難です。
 では山頂は?というと、重い機材を担いで登ることになります。車で行けるところとなると・・・

 乗鞍畳平の駐車場が思い浮かびます。標高は 2,700m と高いし、かなり開けた場所です。寒さ対策は万全を要求しますが、天体観測にはもってこいです。コロナ観測所があったくらいです。(「あった」と過去形なのは、2009 年 10 月末で観測が打ち切られたから)

 現在ではマイカー規制がしかれ、自家用車で畳平までは行けません。途中でシャトルバスかタクシーに乗り換える必要があります。
 ほかに 2,000m 以上の高所に歩かずに行けるのは、立山の室堂平(2,450m)など限られます。室堂平も自家用車はダメですが、貸切の観光バスなら通行できます。通行料が高いので、少人数では合いませんが・・・
 (参考までに、観光バスが 50,400 円、営業用マイクロバスが 18,900 円)

 こんな観光客がひしめき合う所に行かなくても、地元で手頃な場所があるはずです。天文愛好家は横の連絡が密だから、ツテをたどっていけば穴場が見つかると思います。
 全国区でないナントカ山の駐車場とか・・・

2010/08/18(水)きれいだった天の川

 都市化が進んで、天の川が見られる場所は少なくなりました。周りに明かりがないところでも、遥か向こうの街の明かりが、ほんのり夜空を照らします。
 山登りの趣味でもあれば、見られる機会はあるでしょうが、もう何年も天の川にお目に掛かっていません。昔見た天の川は、きれいでした。

 高校時代に仲間と山の中腹で天体観測をしました。「酸化セリウム」の先生も一緒です。陽が沈むと、夜空に星が瞬きます。真っ暗になると、雲のような帯が頭の上に現われました。「これが天の川か・・・」

 雲は見えません。雲のあるところは星が見えないので、そこに雲があるだろうとわかるだけです。漆黒の闇の中で星だけが輝いていました。昔の人は、月明かりの有難さを実感したでしょうね。
 「月影の至らぬ里はなけれども、眺むる人の心にぞすむ」(法然上人か・・)

 夜更かししているうちに、頭上を何かが飛び去りました。真夜中に鳥が飛ぶはずはないし、羽ばたいた様子もありません。どうやら、ムササビかモモンガのようです。
 出て来た方向の木までは、かなりの距離があります。ずいぶん長い飛行距離です。日ごろ見慣れない人間が、ワイワイやっている上を飛ぶなんて、よほど度胸がいいか、シビレを切らしたかです。

 自然が豊かな山の中で星を見ていると、いろんな発見があります。日本にはもう狼はいないし、熊が出没する地域でなければ、獣に襲われる心配はないので、安心して自然を満喫できます。
 気をつけるとすれば、他の人間だけですね。(おっと!イノシシがいたか・・・)

2010/08/17(火)都会の夜空は絞り込む?

 都市部で天体星野写真を撮るのは、いろいろ弊害がつきものです。最大の障害は、夜空が明るいことです。公害ならぬ「光害」ですね。数十秒の露光でも、空が明るくなりすぎて、写ったはずの星が埋没してしまいます。

 ところが、絞り込んでその分 露光時間を長くすると、思っていたよりも暗い星が写ります。露光倍数どおりでないのは不思議です。
 明るいレンズは面積体に強く、暗いレンズは点光源に強いという性質があります。赤道儀でガイドしながら、長時間露光をやっていて気がつきました。

 もうひとつ気がついたのは、絞りを絞ると、明るい星が小さく写ることです。恒星はあくまで点ですが、一般的に写真のうえでは明るい星は大きく、暗い星は小さく写ります。絞り込むと、その差が縮まります。
 フィルムのイラジエーション効果に変化が出たのでしょう。デジカメで星を撮ったことはありませんが、似たような結果になると思います。

 都市部の光害は、ほとんどが蛍光灯や水銀灯などの街路灯です。あとはネオンですね。これらの波長だけをカットするフィルターがあれば、都市部でも星野写真が撮れそうですが・・・
 こうした特殊干渉フィルターが、一時ブームになったことがあります。ほとんど姿を消したところをみると、期待したほどの効果はなかったのかも?

 蛍光灯や水銀灯の輝線スペクトルは除去するとしても、すべての波長をカットしたのでは実用になりません。星まで写らなくなってしまいます。どこまでカットするか難しいところです。
 被った夜空の色が赤紫だった・・なんてのもあったようです。

 星野写真は、やはり光害のない人里離れた所で撮るのが一番ですね。
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