BS-NHKのメッセージ2011/04/24(日)

 放送のデジタル化で、チューナーに B-CAS カードが必須になりました。このカード機能を使って、放送者側からさまざまな制限を加えることができるようになりました。
 認証を受けたカードだけ受信できるようにしたり、受信料が未納の受像機に警告を表示したりすることができます。

 NHK の BS 放送は、地上波の契約のほかに BS 放送の受信料を納めることになっています。BS 放送の追加分は、2ヶ月で 1,890 円。BS 放送だけの契約はないから、地上波と合わせて、2ヶ月で 4,580 円となります。
 地上波と同様、受信料を納めていなくても BS 放送は受信できます。ただし、視聴開始から 30 日経つと、画面左下に受像機設置の登録を促すメッセージが表示されます。

 アナログチューナーで BS アナログ放送を見ているぶんには、このメッセージは出ませんでした。しかし、アナログ放送は、今年すべて打ち切りです。メッセージがどうこうよりも、BS 放送がすべて見られなくなります。
 デジタル放送になってメッセージが出るようになった仕組は?というと・・・

 例の B-CAS カードです。NHK が 視聴契約者であることを確認すれば、B-CAS カードの番号を登録して、メッセージが出なくなるように操作します。
 地上波の契約者であれば、一旦メッセージは消えますが、BS 契約をするよう勧誘が続きます。それでも契約せずに放置しておくと・・・

 以前は消えたままだったみたいですが、最近になってメッセージを復活させる動きが出てきたようです。BS の受信料を払わない世帯が多いからでしょうね。
 総務省の指導では、メッセージを出すことで契約を強制しないことになっていますが、しびれを切らしたみたいです。お気持ちはよくわかりますが・・・

 WOWOW や CS 放送を見るためにアンテナを設置した人もいるはずです。受信設備があるからといって、強制的に契約を迫ることはできないのでは? 建前では、BS の契約は自己申告制ということになっています。
 BS 視聴を申告(契約)しないのであれば、メッセージが出ようが出まいが関係ないことになります。(見るつもりはないのだから)

B-CASカードの流用2011/04/23(土)

 地デジの難視聴対策に衛星放送を使う話をとりあげましたが、普通のエリアでは B-CAS カードの認証を受けられないから見ることはできません。
 では仮に、難視聴エリアで認証を受けた B-CAS カードと差し替えれば、BS-17ch で、東京キー局の放送を地方で見られるのでしょうか?

 衛星からくる信号を受け入れるかどうかだから、視聴可能だと思います。ただし NHK 以外は、申し込みをしたエリアの地方局と同系のキー局だけに限定されます。すべて見られるはずだった難視聴地域のカードであれば、全局が視聴可能でしょう。

 画質は標準(SD)画質です。家庭だけで事業所などは対象外。一家につき3台までの制限があります。しかも放送予定期間は5年間。その間に地デジ電波が届くようになれば、その時点で認可が取り消されます。
 解除の判断は、どこで見ているかではなくて、どの地域で申請したかです。東京キー局の系列放送がすべて見られるはずだった地域で、最後の最後まで地デジ電波が届かないエリアはどこでしょう?

 わざわざ難視聴エリアの B-CAS カードと差し替える意味は、ほとんどないですね。実家が僻地で、せめてテレビだけでも両親と同じ境遇で見て偲びたい・・というなら話は別ですが・・・

 総務省の難視聴対策対象リストによれば、同じ県内で認可された地域は 29、世帯数は 21 でした。計算上は、300 万近い世帯数のうちの 0.0007% です。
 ちなみに東京都は、72 地区、2344 世帯でした。比率は 0.037% です。全国の合計数字は出ていませんでしたが、出したくないのが本音だったのでは?

 このためにいくら税金を投入したかについては、もちろん一切記述がありませんでした。いくら公平を期すためとはいえ、もっと賢明な方法があったのではないかと思います。

B-CASカードによる管理2011/04/22(金)

 デジタル衛星放送を受信するためには、デジタルチューナーが必要です。パネル型テレビなら内蔵されているはずです。ほかに、DVD/ブルーレイレコーダーなどにも内蔵されています。
 これらデジタルチューナーは、B-CAS カードを挿入しないと映らないことになっています。BS・CS・地デジ3波対応は、赤色のカードです。

 この B-CAS カードを使って、視聴者に利用制限をかけることが可能になりました。電波が届くところなら誰でも見られる・・というわけにはいかないようです。
 地デジ電波が届かない世帯のために、衛星を使った難視聴対策がとられています。BS-17ch です。東京キー局の地デジ放送が、衛星経由で視聴できますが・・・

 ただし、誰でも見られるわけではありません。総務省と社団法人デジタル放送推進協会が、難視聴地域と認めたエリアだけです。山間部や離島など、人口が少ない地域を想定しているようです。
 ビルの谷間で視聴できない家庭は、対象外です。都会ならたとえ有償でも別の手段で視聴可能だからです。

 なぜ厳しく制限するかというと、地方民放局の保護がひとつの目的です。東京キー局の放送が、全国どこでも誰でも見られるようになったら、地方の放送局は経営的に大打撃を受けます。
 もちろん、地方の放送局に番組を再販している在京キー局にとってもマイナス要因です。視聴者には無料の放送でも、業者間ではお金のやりとりがあります。

 衛星からくる電波を特定のエリアだけ視聴可能にするのが、B-CAS カードを使った管理です。許可を受けていない B-CAS カードでは、視聴できない仕組になっているわけです。
 この BS-17ch は、すでにスタートしています。どんな映り具合か確めたかったら、人里離れた地域まで行くしかないでしょうね。
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