マミヤは今年4月から、デジタル機器のサポートをデジタルバックメーカーの Phase One に移管しています。カメラ本体とレンズのアフターサービスは従来通りです。
6月には、マミヤクラブも中判カメラ専門店 ㈱ワイズクリエイトに事務局を移しています。これからは製造メーカーに徹するのが狙いだそうです。今年になって 645AF レンズを3本リニューアルしているから、完全撤退の下準備ではないようですが・・・
プロも含めてユーザーのお守をするのは、メーカーにとって負担の重い業務です。作って売るだけなら余分な経費は掛かりません。コダックがカメラの販売を打ち切り、撮像センサーを供給するだけにしたのも、京セラがカメラ事業から撤退したのも、同じような理由からでした。
コダックは撮像センサー部門を売却したそうだから、そんなに収益は上がらなかったのかもしれませんね。
PENTAX 645D を「プロ用」としなかったのは、やはりアフターフォローの問題があったからだと言われています。プロの面倒を見る体制を維持するためには、そのぶん製品価格を高めに設定する必要があり、これまで支えてくれたアマチュア層のユーザーを失うことになります。
以前、写真館向けのセミナーに来ないかと声をかけてくれた人は、3月末でマミヤを退職したそうです。当時は、ニコキャノあたりのフルサイズ機でいいか・・と妥協する写真館が多いと嘆いてました。RAW モードでなく JPEG モードで簡単に撮れるカメラを希望する店が多かったとも・・・
撮影を生業にしている写真館ですらそうだから、一般ユーザーが簡単できれいに撮れるカメラを求めるのは、自然なことだと思います。
デジタル写真は自分で RAW 現像するのが基本で、デジカメ側で処理した画像を見て云々するのはナンセンスだ、との意見もあります。確かにお説のとおりなのですが、RAW 現像が必須だったら、写真人口はフィルム全盛時代よりも減っていたでしょうね。
とはいえ、メーカーも含めた業界全体が、ユーザーの無知や誤解をいいことに、あまり意味のないスペックや数字を振りかざし、物事の本質を見えにくくしてきたのも事実です。
価格設定なんかもそうですね。ミラーレス初代の PEN は発売時いくらでしたっけ?