2011/11/27(日)コンデジが儲からないわけ

 コンパクト型デジカメの機種の多さには閉口しました。価格も多様で、30 万画素程度の WEB カメラは除くとして、A4 サイズのプリントに十分な画素数のカメラでも数千円からあります。
 フィルムカメラで1万円以下のものは、フィルムのラチチュードをあて込んだ粗悪品が多かった記憶がありますが、デジカメの場合は、ちゃんとしたカメラが多いですね。一流メーカーのものもあります。発売時は3倍以上したみたいですが・・・

 この乱戦状態では、メーカーは儲からないはずです。なんでこんなドングリの背比べみたいな状況になったんでしょうね。もっと個性的で特徴のあるスペックで勝負すればいいのに・・・

 「闇夜のカラスは写りませんが・・」という CM が、昔ありました。FUJIFILM の 8mm カメラ AX100 です。イラストのカラスがキャラクターでした。
 初代シングル 8(P-1)の CM には女優の扇千景が起用されています。「私にも写せます」がキャッチコピーでした。いまでは「扇のカナメは政治の要」が口上の元参院議長と言ったほうが、馴染があるかもしれませんね。
 その後発売された AX100 は、F1.1 の大口径レンズと広開角シャッター、高感度フィルムの組合せで、室内撮影が可能なホームムービーカメラとしてヒットしました。(野外での写りはイマイチだったような・・)

 ようやくフィルムを超える高感度性能を手に入れたことだし、暗さに強いのを前面に打ち出したコンデジが登場してもいいように思います。
 オールマイティーで手ごろな価格のカメラばかり目指すから、ドングリの背比べになるのでは?

 とある繁華街のスーパーにテナントとして入っていた写真店は、周辺の店のホステスさんが上得意でした。馴染客が再来店したときに渡す写真の注文が多かったからです。彼女たちがいなければ、この店はやっていけないとか言ってました。

 誰もが屋外中心で写真を撮るとは限りません。室内や暗い場所に特化したカメラは、そこそこ需要があると思いますがねぇ。

2011/11/26(土)結婚式を撮るならどのカメラ?

 「結婚式を上手に撮る秘訣」というサイトを立ち上げるときに、知り合いの写真館の先生から指摘されたことがあります。
 「そんなしょうもないサイトを作るくらいなら、どういうカメラを買ったらいいか教えたほうがマシでは?」

 うーむ、それは言えてますね。でも、もう準備はできていたので、とりあえずスタートしました。当時は一眼レフを除いて、まだ「これ!」というカメラがなかったこともあります。
 普及し始めたデジカメは室内撮影に弱かったし、デジイチもいまほど適応していなかったように思います。

 裏面照射型センサーの登場で、高感度対応のデジカメが増えてきました。ここらでお奨めのカメラを検討しようと調べたら・・・

 とある比較サイトで、何の条件もつけずに検索したら、レンズ一体型だけでナント! 1800 件も出てきました。価格登録のある機種に絞っても 700 近い数です。色違いがダブっているにしても、フィルム全盛時代には、こんなにたくさん「現行品」はなかったのに・・・
 仕方がないので、結婚式の撮影に適したカメラの一例を示してみることにしました。

レンズ:28-56mm / F2.8-5.4 最短撮影距離 0.4m
シャッター速度:2秒~1/360 秒 オート
ISO 感度:ISO 50-3200 自動設定
本体質量:155g (電池別)

 なるほど。気になるフォーマットは、画面サイズ:24x36mm ・・・ えっ!フルサイズ?
 驚くことはありません。これはフィルム式の FUJIFILM ナチュラ CLASSICA のスペックです。当サイトが、フィルム式のコンパクトカメラで、結婚式の撮影に最も適した機種として推奨しているカメラです。同名の ISO 1600 のネガカラーを詰めると、自動的にノンフラッシュ撮影に切り替わるのがミソです。

 価格面も含めて、これに近いスペックのコンデジは、なかなか見つからないですね。あっても逆にスペックオーバーです。高倍率ズームの望遠側を使わない前提なら、近い仕様のものはありますが・・・

2011/11/25(金)負担が重いプロのお守

 マミヤは今年4月から、デジタル機器のサポートをデジタルバックメーカーの Phase One に移管しています。カメラ本体とレンズのアフターサービスは従来通りです。
 6月には、マミヤクラブも中判カメラ専門店 ㈱ワイズクリエイトに事務局を移しています。これからは製造メーカーに徹するのが狙いだそうです。今年になって 645AF レンズを3本リニューアルしているから、完全撤退の下準備ではないようですが・・・

 プロも含めてユーザーのお守をするのは、メーカーにとって負担の重い業務です。作って売るだけなら余分な経費は掛かりません。コダックがカメラの販売を打ち切り、撮像センサーを供給するだけにしたのも、京セラがカメラ事業から撤退したのも、同じような理由からでした。
 コダックは撮像センサー部門を売却したそうだから、そんなに収益は上がらなかったのかもしれませんね。

 PENTAX 645D を「プロ用」としなかったのは、やはりアフターフォローの問題があったからだと言われています。プロの面倒を見る体制を維持するためには、そのぶん製品価格を高めに設定する必要があり、これまで支えてくれたアマチュア層のユーザーを失うことになります。

 以前、写真館向けのセミナーに来ないかと声をかけてくれた人は、3月末でマミヤを退職したそうです。当時は、ニコキャノあたりのフルサイズ機でいいか・・と妥協する写真館が多いと嘆いてました。RAW モードでなく JPEG モードで簡単に撮れるカメラを希望する店が多かったとも・・・

 撮影を生業にしている写真館ですらそうだから、一般ユーザーが簡単できれいに撮れるカメラを求めるのは、自然なことだと思います。
 デジタル写真は自分で RAW 現像するのが基本で、デジカメ側で処理した画像を見て云々するのはナンセンスだ、との意見もあります。確かにお説のとおりなのですが、RAW 現像が必須だったら、写真人口はフィルム全盛時代よりも減っていたでしょうね。

 とはいえ、メーカーも含めた業界全体が、ユーザーの無知や誤解をいいことに、あまり意味のないスペックや数字を振りかざし、物事の本質を見えにくくしてきたのも事実です。
 価格設定なんかもそうですね。ミラーレス初代の PEN は発売時いくらでしたっけ?
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