デジタルカメラの高画素化はまだ進んでいます。実用性のない高画素化は、メディアの容量を食うだけだし、パソコンなど周辺機器のパワーアップが必要になります。
一般消費者が求める最高画素数は、出力プリンターに因ると思われます。最も普及している A4 サイズのインクジェット式は、1000 万画素もあれば十分です。コンパクトカメラでも、このレベルに達しています。A3 サイズなら一眼レフで対応できます。
次は高感度化です。使いもしない高画素より高感度のほうが実用性があります。コンデジはセンサーサイズが小さいので、高感度化には不利です。それを画像処理エンジンで補うわけですが、センサー自体の感度性能は、サイズで決まると言ってもいいでしょう。
APSC やフルサイズは、超高感度への対応に有利です。画素数を抑えて1素子あたりの面積を大きくすることで、よりノイズの少ない画像が得られると期待されています。
来春発売予定の EOS 1DX は、常用感度が ISO 100~51200、拡張でISO 204800 というから驚きです。フルサイズで、画素数を 1800 万画素に抑えた効果でしょうね。
市販品のフィルムは、ISO 1600 が最高感度です。増感現像しても 3200 までです。学生の頃は、トライ X を増感して使っていましたが、ISO 400 を 1600 まで上げるのは至難の技でした。(当時は ISO でなく ASA でしたっけ)
もう粒子はザラザラです。デジカメでノイズがどうとかいうのと似たようなもんですね。ただし、きれいに揃った粗粒子は、独特の味がありました。そこがデジタルノイズと違うところです。
ISO 20 万を超える高感度なんて想像もつきませんが、ISO 1600 で絞り開放・シャッター速度1秒だったのが、1/125 秒で切れると考えば、少しは実感が湧いてきます。
普及当初、暗さに弱いと言われたデジカメは、高感度対応については銀塩フィルムを超えました。1コマごとに感度が変えられるデジカメにとって、大きな魅力のひとつです。