2017/11/29(水)低価格 PTZ カメラの落とし穴
画面に変化があった時だけ録画するようにすれば、記録できる時間をもっと延ばすことができるように思われがちですが、あまり実用的ではなさそうです。調べた範囲では、モーション録画は一日の作動回数に制限(カメラ1台ごとに 128回までとか)があるらしく、風が強い日や雨降りの日にはすぐに制限回数に到達してしまい、記録されない時間帯が出てしまいます。とくに夜間は虫の飛来が LED に反射して、頻繁にセンサーが働きます。やはり常時録画が無難なようです。(ただしメールアラート機能は働かない)
超広角の単焦点レンズを搭載した IP カメラ4台で、自宅の周りを監視するように設置しましたが、やはり画面に映らない死角が何か所かあります。自宅の周りをもれなくカバーしようとすれば、8チャンネルは必要でしょう。カメラの台数が増えれば記録媒体(HDD)の容量も増やさないといけないし、消費電力もバカになりません。どこかで妥協しないとコストが増すばかりです。
そこで重点的に監視したい場所だけ別のカメラでフォローすることにしました。カメラの映せる範囲を変えられる PTZ カメラで広範囲をカバーすれば、カメラ台数が少なくて済みます。PTZ とはパーン・ティルト・ズームの略です。電動でカメラを上下左右に動かし、電動ズームで画角が変えられれば便利ですね。
ところが、低価格品の中には PTZ を謳いながらどれかの機能が欠けているものがあります。本来ズームレンズは画角を変えてもピントが移動しないものを指します。画角を変えるとピントがズレるものはバリフォーカルレンズと言います。バリフォーカルは価格的に安く済むのが利点ですが、オートフォーカス機能で自動的にピントを矯正しないものは、画角が変わるたびにピントをマニュアル操作で調整することになります。
ズームと言いながらバリフォーカル式が多いのは、まぁ許せる範囲のことですが、低価格品のなかには焦点距離とピント調整を設置時に手動で決め、カメラアングルだけ電動化しているものが目立ちます。画角を変えたいときは脚立に上って手動で変えないといけません。一方、焦点距離は電動で変えられてもカメラ位置が動かせないものもあります。画面の真ん中だけ拡大縮小される方式です。どちらにせよ、こういうのは PTZ とは言えないのでは?
原因はこうした低価格品の生産国が、英語を母国語としない中国などの新興国であることにあるようです。PTZ がパーン・ティルト・ズームの略だということをちゃんと理解していれば、ズームが手動とか、パーンやティルトが手動とかいう製品に PTZ を謳うことはないでしょう。実際には、仕様表示を丹念に調べて、明示されていないことはできないことと読み替えないとハマります。
一般的に2万円以下で売られている 1080P の IP カメラで、パーン・ティルト・ズームがすべて電動化されているものはほとんどないのが実情です。もちろん国内メーカーの PTZ カメラは画素数が低い安価なものでも数万円、一般的に十万円以上するから、どれかの機能が手動であったとしても文句を言う筋合いではないかもしれません。でも PTZ を謳う以上は、すべて電動であってほしいと思うのは、決して間違ってはいないと思いますがねぇ。
そんな中で、2万円以下でパーン・ティルト・ズームがすべて電動の IP カメラを見つけました。さすがに PoE 機能まではありませんが、LAN ケーブル接続のほかに WiFi も使えるから、電源さえ確保できればケーブル配線が省略できます。性能的にあまり過大な期待は禁物だけど、いろいろいじって遊べそうです。とりあえず注文しておきました。