2008/11/30(日)テンプレートは高い

 業務用のブライダルアルバムは、テンプレートと呼ばれるデザインの型を使います。あらかじめ決められた定型のデザインがあって、空いた窓に写真をはめこんでいきます。

 世界で1つだけの・・と謳っていますが、写っている本人は世界で一人・・くらいの意味しかありません。
 一人ひとりデザインを変えていたら大変です。業務用の写真集は、こなす数が違います。違うのは、はめこむ写真と名前くらい、と考えたほうが間違いないですね。

 業務用のテンプレートは、個人で買うには少々高いシロモノです。安いもので数万円します。商売道具だから、仕方ありません。
 個人相手のブライダル写真集が増えてきて、テンプレートを無料で提供する業者が現れてもいいような気がします。それが魅力で注文が取れるなら、初期投資としては安いものです。

 問題となるのは、テンプレートを無償で提供したら、間違いなく自社に注文がくるのかどうか?です。
 テンプレートだけちゃっかり拝借して、制作は別の業者へ・・ということもありえます。完全データで入稿すれば、安く作ってくれる業者はいっぱいあるから、その可能性は大ですね。

 この問題をクリアするためには、テンプレートを自社で握りこんだままにしておいて、画像データだけを送ってもらうのが確実な方法です。
 その代わり、画像処理は業者側でしなくてはなりません。ワンパターンのテンプレートでは魅力がないから、複数のデザインを用意する必要があります。それではコストダウンという意味合いが薄くなります。

 だれでも自由に使える、著作権フリーのテンプレートが登場したら、写真集制作の価格競争は、さらに激しくなるでしょうね。
 完全データなら、刷って製本するだけですから・・・

2008/11/29(土)印画紙の写真集

 デザインアルバム(写真集)には、写真用印画紙を使ったものと、オンデマンド(少量)印刷の2種類があります。
 インターネットで注文を受けている業者は、オンデマンド印刷が多いですね。

 一般的に、印画紙を使った写真集は部厚く、オンデマンド印刷の写真集は市販の本と一緒で薄い仕上りになります。どちらがいいかは、好みの問題です。
 印刷よりも印画紙のほうが耐久性はありますが、乳剤層が湿気を吸うので、表面にラミネート加工を施します。それを厚手台紙の両面に糊貼りするから、印画紙のほうが部厚くなるわけです。

 印刷は、インクが透らない程度の紙に直接刷るから、ページ数が多くても厚みはさほどではありません。本屋に並んでいる写真集と同じです。
 少量印刷ができなかった時代には、印刷物の写真集は高嶺の花でした。5百から千部刷って、百万円前後かかりました。
 印刷のほうが値打がある・・という感覚のひともいるでしょうね。いまでは、1部だけ作っても数千円から数万円で済みますが・・・

 写真店が自家制作する写真集は、大半が印画紙です。写真のプリンターは持っていても、オンデマンド印刷機は持っていないからです。銀塩素材に対する信頼と愛着もあります。

 将来的には、印刷による写真集がほとんど大半になるでしょうね。銀塩素材は値上がりする傾向にあるし、現像処理するところは減少傾向にあります。
 それに対しオンデマンド印刷は、技術開発が進み、コストダウンが期待できます。デジタル時代の写真集は、少量印刷のほうに分があるようです。

 どちらにするか迷ったら、印画紙仕様にするのも悪い選択ではありません。いまなら、同じような価格で作ることができます。
 時代の流れとともに、将来「貴重品」の部類に入る可能性もないではないし・・・

2008/11/28(金)写真店制作の写真集

 市中の写真店や写真館でデザインアルバム(写真集)を自家制作しているところがあります。業者向けのところもあれば、自店の分だけのところもあります。

 アルバム専門の業者に比べて融通性はありますが、ブライダル写真集となると荷が重いようです。自前の裁断機では、部厚い写真集ができないからです。
 写真スタジオや呉服店を相手に写真集を制作している知人の店には、かなり大きな裁断機が置いてありました。両手で同時に裁断スイッチを入れるタイプです。うっかり指を落としたら大変ですからね。
 それでもブライダル写真集の製本は外注にしているとか・・・ 自家制作は、比較的薄手の七五三や振袖のアルバムまでなんだそうです。

 先日、久しぶりに地方の写真店の社長から電話がありました。ブライダルフォトが増えてきて、写真集を自家制作しているそうです。
 前から裁断機を持っているのは知っていますが、手動の小さな機械です。本物の印画紙を使っているので、ページ数の多いブライダル写真集は無理だと思いますがねぇ。
 何でも自家処理しないと気が済まないタイプだから、外注したくない気持ちはよくわかりますが・・・

 フィルム現像がとうとう1日10~20本になってきた・・とボヤいてました。最盛期には、多い日で1日数百本現像していたから、確かに激減です。
 たとえ10本でも、まだフィルムで撮っているひとがそれだけいる・・という気もします。世の中、デジタル時代ですからね。
 母液タンクの小さい現像機に替えたそうですが、それでも液管理をするのにギリギリの本数です。これからさらに減るだろうから、この先どうするんでしょね。

 DPがダメになってきて、写真集など付加価値のあるメニューに力を入れる写真店は、増えると思います。
 印画紙の出力にこだわるなら、大型の裁断機を入れるか、製本する外注先を探さないと・・・
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