2008/05/31(土)生き残った写真屋さん
そのK嬢が定年退職し、後に残った直販子会社も現地撤退で、さぞかしガッカリしていることでしょう。そういえば、元気がないのか、最近連絡がありませんね。無事に生き延びてくれていることを祈ります。
生き残った写真屋さんは、何らかの形で写真撮影に関係しています。物品販売と違って、撮影は利益率がいいですからね。売上が少なくても何とかやっていけるようです。
DPに代わる利益源は、写真撮影ということですかね。
写真のデジタル化で一気にリストラが進んだコマーシャル写真の分野では、ブライダルフォトに転進して生き延びた業者が多いようです。ただし、この分野ではハコ(式場)の利権が強くて、ピンハネがきついみたいで、皆さんピーピー言ってますね。
3割以上ピンハネされるハコもあるとか・・・
このピンハネを嫌って、新天地を求めて中国市場に進出する業者もいます。富裕層が急速に拡大する中国では、一攫千金の夢が渦巻いています。
でも、もともと華僑発祥の国ですから、日本国内よりももっとエグいハコが表われたりして・・・ スタジオ側が敗退しなければいいけどね。
DP主体の写真屋さんは、中国進出なんてことは、夢のまた夢です。銀塩材料の値上がりの波を乗り越えて、何とか生き残って欲しいと思います。
2008/05/30(金)写真業界の崩壊
ニコンがサービスセンターだけ残していたり、タムロンが現地駐在員を置いていたりするくらいで、ほとんどが撤退です。
プリンターメーカーのノーリツ鋼機も22号線沿いから移転したみたいです。メンテは、ずいぶん前から自宅待機でしたから、広い事務所はもう必要ないしね。
かつては、名古屋商工会議所ビルの最上階全フロアを占めていた富士フイルムの写真部門が姿を消したのは、時代の流れの象徴のような気がします。
高校時代に駆り出されて参加した学生写真連盟の撮影会で、貸し出しのデモカメラを配っていたのは、富士フィルムのT氏でした。「おじちゃんがいいカメラを貸してあげるからね」といって宣伝していたのは、ナント!その後すぐに製造中止になったラピッドカメラでした。
コダックに対抗して出したカートリッジ式フィルムのカメラです。発売後まもなく製造中止になって回収した、いわくつきのカメラです。(学生だと思ってバカにして!)
フィルムを1本タダで付けてくれるといってましたが、誰も借りませんでしたね。でも、当時の富士フイルムは必死だったと思います。
富士のT氏は珍しく転勤もせず、名古屋現地で定年退職するまで、写真団体の面倒を見ていました。同じ世代の女子社員K嬢は、「影の所長」といわれるくらい古株で、生き字引的存在でした。
昔、大したことではなかったのですが、必要な資料があって、K嬢に頼んだことがあります。「私の力では何ともねぇ」というので、「アナタにできないことは所長に頼んでも無理だからもういいよ」というと、すぐにメールで届きました。さすが「影の所長」です。
そのK嬢が、定年後しばらくしてから事務所を尋ねたら、たまたま古参社員が誰もいなくて、「どちら様ですか?」と聞かれたそうです。FICは、解体された問屋やラボから来た「新米」社員の寄せ集めでしたからね。
その新米社員も誰もいなくなって、K嬢が尋ねる先はなくなってしまいました。寂しい話です。
2008/05/29(木)アナログ機材の値上げ
富士フイルムの直販子会社「富士フイルムイメージング」(FIC)の営業拠点が東京と大阪の2箇所に減って、いよいよ銀塩も終わりかな?と様子を窺っていたら、次々と値上げの発表です。
大判(シノゴ)用レンズが20-25%値上げになったと思ったら、7月以降には感材製品が10-20%値上がりしそうです。メーカーによれば、「写真印画紙などの感光材料製品」をワールドワイドで価格見直しをするそうです。
カラーペーパーは、標準価格のほかに対策費(値引)があったので、それもカットとなると、実際にはかなり大幅な値上げになりそうです。銀塩ペーパーが一番きれいで安い・・という言い方は、もうできなくなるかもしれませんね。
衰退傾向にある写真屋さんは大変ですね。泣き面に蜂です。
銀塩ペーパーは、すでに国内生産から海外生産にシフトしています。世界のどこかで集中的に製造することで、コストダウンを図ってきました。日本市場向けはオランダ工場製ですかね。中国製は、いわゆる外モノとして闇で流通しています。
ワールドワイドで見直すということは、正規流通品も外モノも値上げになるということでしょう。「富士極彩色」という裏印字のペーパーも、もうコストダウンの切り札ではなくなる時代がきたわけです。
値上げするということは、「いますぐにはやめない」ということです。しばらく続けるために価格を改定するわけですが、さらに需要が減った場合に再値上げして継続するか、いっそのことやめてしまうか・・どうなるんでしょうね。
婚礼写真の世界も巻き込んで、しばらく予断を許せない状況が続きそうです。