2008/08/04(月)デジカメ用のストロボ

 デジカメに絞りの制約があると嘆いているのは、いまだに銀塩時代の照明装置を使っているからだ・・と揶揄する声が聞こえてきそうです。

 フィルム時代のストロボは、300WSにパラソルだと2灯でも人物撮影ではF8まで絞れませんでした。ソフトボックスを使うか、500WSを2灯使う必要がありました。
 デジタルカメラはレンズの焦点距離が短いので、ブローニーでF11だったのが、F5.6で十分です。被写界深度だけを考えれば、F5.6でも絞りすぎくらいです。

 デジタル時代の業務用ストロボは、大光量であることよりも、いかに小さな光量まで落とせるかが重要視されるようになりました。
 150WSのモノブロックストロボに、光量を1/8~1/16まで落とせる機能がつく時代です。動く被写体でなければ、蛍光灯照明でも撮影できますからね。

 コマーシャルスタジオで使う電源部は、フィルム用の大光量とデジタル用の小光量をワンタッチで切替できる機種へと変わりつつあります。組んだライトそのままで光量が変えられれば、フィルムとデジタルで交互に撮影できて便利です。

 カメラメーカーから供給されている外付けのストロボも、小光量のものでよいように思えますが、こちらはできるだけ大光量のものを購入するようお奨めします。
 俗にいうクリップオンストロボ程度の光量でも、本格的な照明として利用することができるからです。小さな外付けストロボは中途半端です。

 結婚式のスナップ写真に使うなら、首が縦横に振れるものを選びます。縦位置でも横位置でも、天井や壁にバウンスして撮影できるからです。
 反射光は光量のロスが多いので、大光量であるに越したことはありません。

2008/08/03(日)広角レンズの制約

 コンパクト型デジカメの広角レンズには、致命的な制約があります。最小絞りの問題です。

 コンパクト型の撮像板は小さいので、広角レンズの焦点距離は一眼レフに比べて短くなります。135換算で28mmなら、実際の焦点距離は5~6mm程度です。
 こんなに短い焦点距離のレンズだと、有効開口径もかなり小さくなります。あまり絞りを小さくすると、針穴写真の原理で回折現象が起きて画質が大きく低下してしまいます。

 135換算で28mmクラスだと、F8まで絞れる機種はほとんどありません。NDフィルターで光量調節している機種もあります。
 被写界深度は十分あるので、絞り込む必要はないのですが、自動露出の幅に制限が生じます。ISO感度がオートのときはいいですが、高感度に固定しているときは要注意です。明るい屋外で露光オーバーになる可能性があるからです。

 絞り優先オートに慣れているひとで、コンパクトカメラにF11以上の絞りがないことに戸惑った経験をお持ちのかたは多いと思います。
 ワイド系でなくても、F11まで絞れる機種は少ないですね。絞りが手動でセットできる機種は、かなりマニアックな部類に属しますが、撮像板の大きさが小さいので最小絞りの制約は避けられません。

 写真スタジオのストロボ照明装置を使うときに、標準設定の絞りがなくて不便を感じるときがあります。ISO100でF8半かF11に設定しているところが多いですからね。
 光量ダウンすれば済むことですが、モノブロック型だと1灯ずつ調節しなければならないので不便です。

 プロユースには、APSCサイズか135フルサイズの一眼レフが便利です。コンパクトカメラで代用するのは、かなり無理がありますね。

2008/08/02(土)コンパクトカメラの広角

 一般に普及しているカメラは、コンパクト型です。小型軽量で、価格も手頃です。レンズは固定式ですが、ズームレンズ内蔵型がほとんどなので、広角から望遠まで楽しむことができます。

 フィルム全盛時代から、コンパクトカメラの広角側は、焦点距離28mmが一番広く写るレンズでした。もちろん135フルサイズ換算です。
 日本人は、広角よりも望遠を重視する傾向があるのか、○倍ズームというと、望遠側の焦点距離が何ミリかを強調する宣伝が目立ちます。カメラは望遠鏡じゃないんだけどね。

 ヨーロッパでは、広角側が何ミリかを重視するようです。
 昔、PENTAXからESPIO 928というコンパクトカメラが出てました。1994年4月発売のカメラです。28mm~90mmのズームレンズを内蔵したカメラです。
 日本では望遠側が90mmまでの割には価格(\56,000)が高かったので、爆発的な人気にはなりませんでした。品薄の状態が続いたのは、欧米のクリスマス需要で生産が追いつかなかったからとか・・・
 「海外では28mmのワイドが圧倒的に評価されている」と、メーカーのひとは鼻高々でしたね。日本人は見る目がない・・と言いたげでした。

 その後2002年12月には、24mm~105mmズーム内蔵のESPIO 24EWが発売されました。望遠側重視の日本では、あまり売れなかったように思います。
 24mmのワイドはコンパクトカメラにしては珍しいけど、流行のデジタルカメラじゃなかったしね。

 デジタルカメラは、デジタルズームという奥の手で、望遠側を引っぱることができるので、ようやくワイド側が重視されるようになりました。
 初期のコンパクトデジカメの広角側は、135換算で38mmか35mmでしたが、28mmワイドを強調する機種が増えました。
 コンパクトカメラを買うときは、ワイド側が何ミリかチェックすることをお奨めします。
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