2011/06/03(金)1500円で高画質を楽しむ

 シグマ SD1 の発売価格を見て、「これでは買えない」と落胆の声が巷で渦巻いています。3層構造という特殊なイメージセンサーとはいえ、4600 万画素相当のデジタル一眼レフが、20~30 万円で買えると糠喜びしたのが、間違いの始まりかも?

 APSC サイズのイメージセンサーで、価格的に PENTAX 645D の向こうを張ろうというのはどうかと思いますが、D700 や EOS 5D 並みの価格設定というのは、常識的に考えてありえない話です。
 社長の過去のコメントがどうであれ、2大メーカーのシェアを崩すだけの力量は、多分ないと思います。シグマはカメラメーカーではなく、現時点ではまだサードパーティーのレンズメーカーです。

 3層構造のイメージセンサーは、いずれほかのメーカーからも出てくると予想されます。採用されるのは恐らく上位機種だろうから、一般消費者や普通のアマチュアが買える価格帯ではないでしょう。
 ベイヤー配列の現行フルサイズ機が、見切り処分になる可能性はありますが・・・

 デジイチのボディーに数十万円の投資をしなくても、高画質の写真を撮る方法は、ほかにもあります。中判以上のリバーサルフィルムを使えば、普及型のデジイチとはひと味違った趣のある画像が得られます。
 フィルム代と現像料を足して、1500 円ほど見ておけばいいでしょう。カメラが手元になければ、中古市場で二束三文で売られています。ちょっとしたコンデジを買う予算で手に入ります。

 個人的には、セミ判、67 判、シノゴ判の銀塩カメラを持っているから、掛かる費用はフィルム代と現像料だけです。それをはるかに超える画質の写真が撮れるというなら、数十万円出してデジイチを買う価値があるかもしれませんが・・・

 高画質のリバーサルフィルムが供給されているうちは、いまある機材を活用するのが最も安上がりな方法です。デジタル式は、時間とともに性能が上がるか、価格が下がるかです。仕事で使うならともかく、果報は寝て待て・・ですね。

2011/06/02(木)フルサイズの3層センサー

 3層構造のイメージセンサーもいいけど、135 フルサイズにも興味があります。ソニーのフルサイズ機α900 は、ちっとも安くなりませんね。1年前よりも実売価格が少し上がったのでは?

 この手の「正統派」一眼レフは、ソニーからはもう出ないような気がします。次期フラッグシップ機は、半透過ミラーの EVF だったりして・・・
 安くなる前に製造中止になる可能性が大です。購入資金が貯まるのと、どちらが早いか駆け競べの様相になってきました。
 シグマ SD1 と違って、こちらはまだ手が出る価格です。レンズもゴロゴロしてることだし・・・

 もし SD1 が、3層構造のフルサイズ機だったら、70 万円以上の価格設定でも受け入れられたと思います。実際に買えるかどうかは別問題として、少なくとも非難轟々の状態にはならなかったでしょう。手ごろな APSC 機を待ち望む声が渦巻くのは間違いないとしてもです。

 SD1 は、中継ぎ商品ではないか?と疑っています。フルサイズの3層センサーは、ほぼ実用レベルまで見えていて、歩留りの問題が解決すれば、投入時期を検討する段階まできているのでは?
 少なくともフルサイズが本命との認識は、メーカー側にあるはずです。

 発売時の実販価格を大手メーカーのフラッグシップ機と同程度と仮定すれば、SD1 の 70 万円というのは、あながちとんでもない価格設定ではないのかもしれません。
 APSC 機が 20 万円台で、フルサイズ機が 80 万円では、ギャップが大きすぎます。見込みユーザーの相場感覚を慣らすためにも、本命の価格帯に近い設定にしたと考えるのは、思い過ごしでしょうか?

 3層構造のイメージセンサーに拘る層は、作品志向のアドアマか写真作家です。APSC 機が本命ではないでしょう。仮に SD1 が手の届く価格だったとしても、「フルサイズはいつ?」という声が出るのは必定です。
 販売台数は見込めないものの、協力関係にある大手メーカーの意向を汲み、高めの価格設定にすることで、次期製品の下地をならすのが狙いだとしたら、なかなかしたたかですね。(考えすぎか・・)

2011/06/01(水)APSCの3層イメージセンサー

 昨年のフォトキナで開発発表されたシグマ SD1 が、いよいよ今月発売になるそうです。3層構造のダイレクトイメージセンサーでは初の APSC サイズを採用し、4800×3200×3 で 4600 万画素を実現しました。

 従来機が、開発発表から発売までずいぶんかかったことを思うと、予想よりも早かったですね。気になる価格は、70 万円前後だとか・・・
 ちょっと手が出ないお値段です。レンズマウントは専用のシグマ SA マウントだから、レンズも含めるとかなりの金額になります。
 手元に PENTAX 645 のレンズがあれば、645D とどちらがいいか迷うレベルです。(どちらも買えないから迷うことはないか・・)

 正式発表前の大方の予測は、20~30 万円でした。多分に希望的観測のフシもありましたが、それにしてもこの価格は予想外です。
 一方、3層センサー搭載のコンデジ DP2x は、実売価格が5万円以下と、予想よりも安かったのが対照的でした。135 フル換算で 41mm F2.8 の単焦点レンズ固定式です。撮像素子の規格は、現行機種の DP1x/DP2s や SD15 と同じ 20.7×13.8mm です。

 2,652×1,768×3 の SD15 なら、知り合いの竹ちゃんがやっている通販サイトで、6万円くらいで売っています。X3 センサーに興味があるのなら、しばらくこちらで遊んでいたほうがよさそうな・・・

 以前に、シグマからEマウントのミラーレス機が出るのでは?との予測を書きましたが、少なくとも APSC のミラーレスで3層構造の可能性は当面なさそうな雰囲気です。
 世の中、そう甘くはないみたいですね。SD1 の価格をみて、そう感じました。たくさん売れれば量産効果でイメージセンサーのコストは下がりますが、あの価格でたくさん売れるとは思えません。

 サードパーティーのレンズメーカーだから、一眼大手の意向に配慮したのかも?との観測もあるようですが・・・
 一般消費者でなく、業界内に顔を向けた結論だったとしたら、ユーザーの離反を避けられないのは自明です。ほかに何か深いわけでもあったのでしょうか?
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