2008/07/28(月)交換レンズを望遠鏡に

 写真用品メーカーのケンコーから、一眼レフ用の交換レンズを地上用望遠鏡にする部品が出ていました。「スコープアイピース」です。望遠鏡を撮影レンズにするのと逆の発想ですね。数年前に製造中止になりました。

 交換レンズにただアイピースを付けただけでは、倒立逆像になってしまいます。「スコープアイピース」には、正立正像にするために、内部に小さなプリズムが仕込んであります。
 50mmの標準レンズで、5~6倍程度の望遠鏡になったと記憶しています。300mmだと30倍以上です。手持ちでは辛いですね。

 大口径のレンズなら天体観測に使える!と思ったら、さにあらず。正立正像にするためのプリズムが小さくて、暗い対象物には不向きです。あくまで日中の地上用ですね。
 わざわざ望遠鏡を1本担いでいかなくても、テレコン程度の大きさのアイピースを持っていけばいいので、便利といえば便利ですが・・・

 最近の交換レンズは、絞りリングがなくて、ボディーから外すと最小絞りになってしまうものがあります。絞りを開放にできないレンズには使えません。
 タムロンのアダプトール2シリーズみたいに、各社のカメラマウントに変換できるレンズは、汎用性があって便利です。ニコン用のスコープアイピースなら、ニコンマウントをはめれば使えます。

 手元に転がっているスコープアイピースは、ミノルタα用です。タムロンのαマウントは貴重品ですね。新品では、もう手に入りません。
 どこかにPENTAX-K用のスコープアイピースもあるはず・・と、探していたら見つかりました。物持ちがいいですね。

2008/07/27(日)望遠鏡での撮影

 結婚式の撮影にはあまり出番のない超望遠レンズですが、人間の視覚を超えた世界が写せるのは魅力があります。
 スポッティングスコープなどの地上用望遠鏡以外に、天体望遠鏡を利用する方法もあります。合成焦点距離は、こちらのほうが長くなります。

 写真撮影用の超望遠レンズと眼視用の望遠鏡では、基本的な構造は似ていますが、若干の違いがあります。
 一般論として、交換レンズを望遠鏡に代用すると、見え味が甘くなる傾向があります。逆に望遠鏡での撮影は、画像に乱れが出る場合があります。
 画面全体を平均的に整える撮影用レンズと、画面の一部(中央)だけシャープさを要求する眼視用レンズとの差が、撮影結果に現れるわけです。

 手元にあるシュミットカセグレン式の天体望遠鏡は、焦点距離が1200mm、有効口径が125mmです。アダプターを付けて一眼レフボディーを装着すると、1200mm F9.6の反射式望遠レンズになります。アイピースを使えば、もっと超望遠になるけどね。
 ケンコーから発売されていた望遠鏡ですが、製造元は日本特殊光学(JSO)です。愛知県にあった光学メーカーです。山田坂雄社長一代限りで廃業してしまいました。
 同社のシュミットカメラを愛用していた天体写真愛好家は、かなりいたと思います。(いまでもいるかな)

 天文機材を扱っていたひとの紹介で、山田社長からお話を伺ったことがあります。いかにも光学好きの技術者というかたでした。
 タムロンから発売されたカタディオプトリックタイプ(特殊光学系)の交換レンズSP500mm F8の技術が、天体望遠鏡に応用できないか?といった質問をした記憶があります。マンギンミラーの応用です。

 その後、お会いする機会もなく他界されてしまいました。廃業したのは、きっと後継者がいなかったんでしょうね。

2008/07/26(土)望遠鏡でデジカメ撮影

 数年前に出ていたコーワのデジカメ内蔵のスポッティングスコープは、姿を消したようです。製品名は、確かTD-1だったと思います。
 ある意味で「一生もの」の望遠鏡に、製品寿命の短いデジカメを内蔵するというのは、いささか無理があったようです。

 現在では、市販のコンパクトデジカメを使った撮影法が主流です。コリメート法というやり方です。人間の眼で見る代わりに、デジカメに望遠鏡を覗かせるわけです。
 接続用のアダプターを使って装着しますが、アダプターが使えない機種はアイピースに押し当てて撮ることも可能です。

 一眼レフは重いし、ミラーショックがあるので、コンパクトカメラのほうが使い勝手がいいかもしれません。液晶画面でピントを確認するのは、ちょっと辛いけどね。
 合成焦点距離は、(アイピースの倍率)×(デジカメの焦点距離)です。30倍のアイピースなら、数千mmの超望遠撮影が可能です。すごいですね。実際には、F値が暗すぎて晴天下の日中以外では使い物にならないけどね。

 F値の計算式は・・ F=(合成焦点距離)÷(対物レンズの口径) です。

 焦点距離100mmのレンズと30倍のアイピースだと、合成焦点距離は3000mmです。口径60mmのスポッティングスコープなら、F値はF50になります。ISO800~1600まで感度を上げれば、何とか写せますかね。

 コーワのWEBサイトから、「DIGISCO WORLD」にアクセスできます。デジカメを使った撮影法が詳しく出ているので、興味のあるかたはどうぞ。
http://www.kowa-prominar.ne.jp/%3c/a
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