2010/02/25(木)建築土木写真の行方

 警察など官公庁が写真のデジタル化に踏み切ったのは、ライトワンスの記憶メディアが登場したからですが、建築土木関係の写真はどうなるのでしょうか?

 デジタル化が早かった分野だけに、修整写真が横行し、いろいろ物議をかもしました。自治体によっては、フィルム原板の提出を義務付けるところもあったようです。
 フィルムはあるものの、写すカメラが姿を消していきました。土建関係は取扱いが荒いから、そう何年も持ちません。さすがに最近では、フィルムの使用を強制する話は耳にしなくなりました。

 ライトワンスのメモリーカードを使えば、偽造や修整に一定の歯止めをかけることができます。市販のカメラでも使用可能なら、メディアの種類を指定すれば事足ります。
 公共工事の建築土木写真は、ライトワンスメモリーへ移行すると考えるのが普通ですが・・・

 多分すぐにはそうならないと思います。公共工事には、国の管轄もあれば自治体の管轄もあります。国土交通省や各自治体が足並みを揃えるまでには、時間が掛かると予想されます。
 姉歯事件みたいな社会問題が起きれば、一気に制度化される可能性はありますが、民間企業に負担を強制するには一定の期間が必要です。

 もうひとつ、役所の体質があります。JPEG画像のexifデータを調べて、デジタル画像の信憑性をチェックする自治体がある一方で、「臭いものに蓋」式の役所が多いのも事実です。
 体裁が整っていればいい・・という「事なかれ主義」の風潮が蔓延しています。

 警察みたいに他のセクション(裁判所や弁護士)が絡む業務には、デジタル画像の信憑性を担保する必要性がありますが、官民馴れ合いの建築土木業界では、積極的に導入しようという動きはないでしょう。
 画像修整しまくりの結婚式の写真には、ライトワンスメモリーは、もちろんお呼びじゃありません。

2010/02/24(水)ライトワンスメモリーとは?

 警察など官公庁がデジタル写真に全面的に舵を切ったのは、画像修整ができない保存方式が出てきたからです。2008年夏に、サンディスクから SD WORM(Write Once,Read Many)という記憶媒体が発売され話題になりました。

 書込みは1回限りで、消して使い回すことはできません。撮ったらそのまま握り込むことになります。その点は、フィルムと同じですね。
 家電量販店などの店頭では売られていないので、実売価格はよくわかりませんが、特殊な用途だけに汎用品よりは、かなり割高だと思います。普通の人が使うことはまずないでしょう。

 画像の修整加工ができないだけでなく、安定した条件なら100年ほどの保存が利く点も官公庁向きです。長期保存がウリだったフィルムを使い続ける意味がなくなりました。
 年度末を控えて、駆け込みでデジカメを購入する案件が公開入札されているようです。1回の入札で数十台から数百台というから、官庁需要はデカイですね。

 鑑識用のカメラは市販品ではなく、ライトワンスメモリー仕様の専用機のようです。一眼レフを作っているメーカー数社が、対応していると聞きました。
 昔から警察には強かったPENTAX(現在はHOYA)も参入しているはずです。一般からの修理を打ち切った後、警察分だけは中古品を買ってきてでも直していたSVやSPは、まだ現役で動いているでしょうか? 修理室を支えていた先輩たちの苦労をHOYAの人達は知らないかも・・・

 フィルムでの撮影でも画像修整が絶対できないかというと、そうとは言い切れない部分がありました。ましてやデジタル画像です。素人が簡単にできないというだけで、その道のプロの手にかかれば、修整したのを見破るのは簡単ではないと思います。
 ライトワンスというのは、入手が難しくなった銀塩一眼レフから、デジイチに乗り換えるための口実というか、気休めというか・・・
 ただ、この動きがフィルムへの引導になるのは間違いなさそうです。

2010/02/23(火)フィルムの終焉は秒読みに

 フィルムで撮影する人が少なくなって、0円プリントの窓口は姿を消しました。今でも大元のラボが集配している店は、デジカメプリントの受付けがほとんどでしょう。ドラッグストアのチェーン店が目立ちます。

 自宅の近くで窓口がないかネットで調べてみました。すぐ近くのドラッグストアが一番近いかな?と思ったら、名前が出てきません。提携先のチェーン店だし、ほかの支店はリストにちゃんと載っているのに・・・

 そういえば、同じ敷地内にパレットプラザがあります。駐車場の入口に1軒だけポツンと小さな店を構えています。ひょっとすると、その土地の大家さんかもしれませんね。
 事情はともあれ、スケベ根性で隣の商売を邪魔していないのは、なかなか感心です。隣の写真店へ集配に来ているのは、チェーン店を回っているのと同じラボかもしれません。

 最後の砦と言われた官公庁(とくに警察)のフィルム需要が激減しそうな雰囲気です。一部でデジカメも使われてはいましたが、証拠写真になる鑑識の撮影はフィルムを使っていました。それが、昨年からデジタル写真に切り替わりつつあります。

 ライトワンスメモリーカードという、1回限りしか撮影できない記憶媒体が出てきたからです。警察に先駆けて、海上保安庁ではすでに導入しています。
 消して再生利用できないということは、コスト的には不利です。いくら現像代が要らないからといって、使い切りだとかえって高くつくのでは?

 データの管理が一元化できるなど他の要素もあるから、一概には言えないようです。フィルム式の一眼レフが、一部の高級機を除いてほとんど製造中止になっているのも大きな要因でしょう。
 最後の砦が陥落して、銀塩フィルムの終焉は、いよいよ秒読みに入ったみたいです。
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