2011/06/24(金)使いきりのデジカメ(その後)

 写真のデジタル化で、使いきりのデジカメも登場しました。売り出したのは全国チェーンのパレットプラザです。3年ほど前に、一部地域でテスト販売して話題になりました。次回は全国展開か?との噂でしたが、その後どうなったんでしょうか?

 「エコデジモード」の名前で、関東の一部店舗で扱っていました。50 枚撮で価格は 1,980 円でした。
 仕組は「写ルンです」などの使いきりカメラと同じです。撮り終わったら系列店に持ち込み、プリントと CD-R にしてもらいます。カメラは回収され、リサイクルされることになっていましたが・・・

 「完売御礼」を発表した後、全国展開どころか全く音沙汰なしです。事業としては、うまくいかなかったみたいですね。
 理由のひとつは、デジカメのメリットがないことです。10 秒以内なら取消ができますが、それ以外はフィルム式と同じです。CD-R のデータが無料で付いてくるとはいえ、必ずプリントしなければなりませんでした。写ルンですは、現像のみでも受付けてくれるのに・・・

 写真店を介さずに、画像データを自由に扱えるのがデジカメの特徴です。店に持ち込んで、必ずプリントしなければならないシステムが、一般受けするとは思えません。
 案の定、初回のロッドのみで頓挫したようです。興味半分で購入し、バラしてしまった人もいたでしょう。どのくらいの率で戻ってきたかは不明です。

 液晶モニターの付いたデジカメを写ルンです並の価格で売ろうとしたのにも無理がありました。回収してリサイクルしなければ、採算が合わなくなるのは目に見えています。
 昨年秋に発売されたプライベートブランドのデジタルカメラDシリーズは、使いきりではなく、普通のデジカメでした。1万円以下のラインナップで、一番安い機種は 5,980 円と破格です。

 使いきりのデジカメが今後投入されることは、もうないかもしれませんね。

2011/06/23(木)「使いきりカメラ」のリサイクル

 「写ルンです」のような使いきりのカメラは、回収されてリサイクルされています。フィルムは現像処理を伴うから、受付窓口が限定されます。ほぼ全数が回収可能です。

 出始めのころは「使い捨てカメラ」と呼ぶ人がいました。使い捨てカイロと同じ発想です。それではまずいと、メーカーによって「使いきり」「撮りきり」という言い方を推奨していました。
 「写ルンです」は FUJIFILM の登録商標で、「レンズ付きフィルム」(略称は LF)が正式名称です。カメラと言わなかったのは、当時は物品税の関係があったからだと思います。

 これら使いきりカメラは、各メーカーの共同歩調でリサイクルされることになります。ストロボユニットなどは、検査して再利用します。フィルム1本撮って捨てるのは、もったいないですね。
 実際には、リサイクルに掛かる費用のほうが、製造コストより高いかもしれません。それでもリサイクルに踏み切ったのは、社会的な責任のほかに、高収益のドル箱商品だったからでしょう。

 フィルム全盛時代には、全数は回収できませんでした。途中で闇ルートに流れたものがずいぶんあったみたいです。それ専門の買取業者が暗躍していました。
 狙った先は市中のミニラボ店です。1個十数円で買い取っていたようです。リサイクルに回すため、メーカー系列のラボに渡しても手数料はゼロです。内緒で流す店がありました。

 闇ルートに流れた筐体は、別のフィルムを詰め直して再生品として市販されました。感材メーカーは、違法行為だとして訴訟にまで発展します。
 もぐらたたきの末、再生品を扱う業者は次第に姿を消しました。割に合わないと踏んだみたいです。デジタル化の波が押し寄せ、販売本数が激減したことも影響したようです。

2011/06/22(水)リサイクルと資源の輸出

 よく街中を巡回している不要品回収車は、何でもタダで引取るかというと、実はそうではないみたいです。リサイクル法の4大家電などは、バッチリお金を請求してきます。

 では、きちんとメーカーに渡してリサイクルしているのかというと、それは怪しい話です。大抵は輸出業者に転売していて、お客と業者からダブルでお金を受け取るのが普通です。
 大手家電店で、お客からお金をもらって回収したリサイクル品を別の業者に流して、御用になったところがありました。その辺を車で回っている業者が、きちんとリサイクル法を遵守しているとは思えません。

 法律でリサイクルが義務づけられている製品は、再利用可能な資源でもあります。国内で処理すれば、また国内メーカーの原料として再利用できますが、海外へ輸出してしまえばそれで終わりです。言ってみれば資源の流出ですね。

 ペットボトルは、かなりの率で回収が進んでいます。石油の高騰で、中国からの大量買い付けが問題になりました。回収した自治体が、高値をつけた中国の業者に転売するケースが相次いだからです。
 自治体が回収した資源をアテにしていた日本のリサイクル工場は、原材料が入手できないため、操業停止に追込まれる事態になりました。

 せっかく築いたリサイクルシステムが、目先の欲で崩壊してしまうようでは、何をかいわんやです。自分が不要品を処分するときには、その辺のところも十分考慮に入れて判断したいですね。
 それにしても家電のリサイクル料金は、ちょっと高いように思います。あまり高いと不法投棄を招きます。これも資源の喪失です。
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