2008/09/21(日)室内に強い大口径
F値の明るいサンニッパなら使えないことはないけど、あの図体じゃあ隠し撮りは無理ですね。
一般的に結婚式のスナップ写真では、望遠レンズよりも広角レンズのほうが出番が多いですね。室内での撮影は接近戦だから、超望遠の出番はほとんどありません。
とはいっても、少し離れた位置から自然な表情を狙うなら、望遠レンズに利があります。アルバムを笑顔で埋めるには、中望遠レンズは便利な道具です。
お奨めなのは、80-200mmか70-210mmくらいのF2.8クラスの大口径ズームです。ちょっと値段は張りますが、室内・屋外を問わずオールマイティーに使えます。APSCサイズのデジカメらなら、150mm以下のズームで十分です。
85mmか100mmの大口径単焦点レンズも役に立ちます。F1.4からF2の明るいレンズは、室内撮影のために開発されたようなものです。舞台写真の定番レンズです。
ズーム全盛時代になって、持っているひとは極端に減りましたが、50mm F1.4の標準レンズは、あれば重宝するレンズです。
APSCサイズのデジカメなら、135フルサイズ換算で75mmの中望遠に相当します。ポートレート写真からスナップ写真まで、幅広く使えるのが魅力です。
デジカメの高感度化で、やや影が薄くなった感じがする大口径レンズですが、ここ一番のシーンで、あって助かった経験をお持ちのかたは多いと思います。
2008/09/20(土)掌サイズの反射式望遠
マクロ比率でいうと1:3に相当します。1.7mの距離で人物を撮影すると、口元だけがアップで撮れる計算になります。
このカタディオプトリー系のレンズは、もし売れなかったら会社が潰れる!くらいの開発費が掛かったそうです。幸いヒットしてよかったですね。
のちにライバルのトキナーからも500mm F8の反射式望遠レンズが発売になります。サイズはタムロンよりも、やや小ぶりでした。最短撮影距離は確か1.5mだったかな。後発ですが意欲的な設計です。
タムロンのひとに感想を聞いたら、煮え切らない返事です。どうやら開発者を引き抜かれたみたいで、批判すれば「天に唾」ということのようです。
コンパクト化した代わりに、最短撮影距離の実効F値がかなり落ちるということだけは、指摘してました。写りは悪くないとの評価です。
タムロンからは、SP500mm F8のほかにSP350mm F5.6という反射式望遠レンズも発売されました。数があまり売れなかったのと、後玉に傷がつきやすい構造だったため、まともなレンズは中古市場を探してもなかなか見つかりません。
発売当時に買っておけばよかったかナ? いまは昔の話ですが・・・
ミノルタから250mm F5.6という掌サイズの反射式レンズが出てました。いまのアルファマウントではなく、MDマウントのレンズです。
このレンズはあまり売れなかったように思います。250mmというのが中途半端だったからですかね。250mmにしてはF値も暗かったし・・・
しかし、数が売れなかったということは、中古市場では人気が上がる要素です。一時は現役時代の定価よりも高値で取引されていたようです。
2008/09/19(金)カタディオプトリー系
光路を折り返す構造なので、レンズの鏡筒を短くすることができます。
反射式レンズを大きく発展させたのは、カタディオプトリータイプ(特殊光学系)の登場です。タムロンが開発したSP500mm F8は画期的なレンズでした。
マンギンミラーという裏面コートの反射鏡を使っています。反射鏡そのものが屈折レンズの役割を持っていて、屈折-反射-屈折を1枚の鏡で行なうタイプです。
収差の補整と全長の短縮が一石二鳥でできるようになり、掌サイズの超望遠レンズが実現しました。
このレンズは、ただ小さくて軽いだけでなく、写りも抜群でした。副鏡の回折による画像の乱れが少なく、実にシャープな画像です。完全にボケたらリング状のボケになるのは、他の反射式レンズと同じですが、反射式特有のボケ味の汚さは感じません。
当時、世界で最高峰の反射式レンズは、カールツァイスのミロター500mm F4.5でした。カタディオプトリー系のレンズで、価格は約270万円しました。
タムロンのSP500mm F8は、その次にランクされていました。数万円で買えたから、庶民の感覚でいえばこちらが一番です。
発売当初のモデル(55B)は、レンズ基部に着脱式の三脚座がついていました。ところが、すぐに55BBにマイナーチェンジです。
ミラーショックもシャッターショックも、ボディー側で発生します。あまりに軽いレンズだったので、カメラボディーのほうを雲台に固定したほうがブレにくいという理由からでした。
55BBからは三脚座をやめて、ボディーに下駄を履かせるスペーサーが添付されました。レンズとボディー底面の高さを調節して、レンズの底面が雲台に当たらないようにするためです。