2012/10/16(火)満足できるフォーマットサイズは?
最低でも1インチか 4/3 以上というのが実感です。それ以下のフォーマットサイズでは、画像処理でごまかしている印象がぬぐえませんでした。(そこそこ写ってはいるけどね)
レンズを含めたシステム全体のダウンサイジングを図るには、フォーマットサイズが小さいほうが有利です。コストも安く済みます。コストダウンした分を利益確保に回しているフシもありますが、プライスダウンできるゆとりがあるということは、競争力があることの裏返しでもあります。
小さなフォーマットサイズを採用しながら、価格設定が高止まりな機種は、この典型例でしょう。具体的にどれとは言いませんが、思い当たるフシのものはいくつかあります。
1インチセンサーは、ニコワンの作例を見て、こんなものかと思いましたが、ソニーの RX-100 のサンプル写真を見て、ちょっと見直しました。ツァイスレンズ固定ということもありますが、このサイズでもやればできると感じました。
続けて発表されたツァイス単焦点レンズ一体型のフルサイズ機 RX-1 は、小型カメラの最先端を行く描写力と評判です。市場想定売価が高いのにもかかわらず、「買えない」「売れない」だった声が「買ってしまうかも」に変わりつつあるようです。(私は買えませんが)
さすがにフルサイズの威力は絶大ですね。さらなる高画素化で、中判カメラに取って代わる勢いです。商品撮影などの業務用途はともかく、アマチュアレベルの風景写真ならこのクラスで十分いけそうな気がしてきました。
メモカメラのコンデジは1インチ程度の撮像センサーで十分でしょうが、一眼レフタイプは、やはりフルサイズに魅力を感じます。メーカーとしては、まだまだこのジャンルでひと稼ぎしたい下心がありありです。いずれ普及を促す価格帯のものが登場する時期が来ると期待しています。
2012/10/15(月)フルサイズと画面の乱れ
ダイナミックレンジの広さや、ワイドレンズがそのままの焦点距離で使えることに、魅力に感じる人のほうが多いと思いますがねぇ。
フィルム時代の古いレンズを引っ張り出してきて、写りが悪いと文句をたれる人がいるそうです。しかもそれが他社製のレンズだったりして・・・
ミラーレス機は、いまやマウントアダプターを使ってやりたい放題です。フルサイズのミラーレスが出たら、どうなるんでしょうね。ソニーが小型のフルサイズ機 RX-1 をレンズ固定にしたのも肯けます。
画面の周辺部までシャープに写るレンズをフルサイズで作ろうとすると、大きくて重くて高いものにつきます。それが嫌だから小さいフォーマットのカメラを選んだ、という人もいます。ピクセル等倍にしたときに、四隅までバッチリ写っていないと気が済まない神経質な人は、4/3 サイズあたりがよろしいのでは?
こちとら、画面の四隅がどうだろうと構わないタイプだから、面積でフルサイズの 1/4 しかないフォーサーズは、とりあえずパスですが・・・
普及機と呼ぶにはまだ高いものの D600 あたりが売れ出すと、DX フォーマット(APSC)用のレンズをフルサイズで使う人が増えそうです。通常はクロップ機能で中央の 24x16mm を使いますが、自動切替を「しない」に設定し、撮像範囲設定を「FX 」にするとフルサイズで記録されます。当然ですが周辺部の画質は低下し、四隅がケラレて写らないことがあります。
それにしても、ふた手間かけないと FX モードで撮れないとは、ちょっと用心し過ぎじゃございませんかね。もっとユーザーを信用してもいいような・・・
あのレンズはフルサイズで使えるとか、○mm まではケラレないとかいった情報が、いままで以上に飛び交いそうな気配です。一方、キヤノンの EF-S レンズは、物理的にフルサイズ機には装着できないようになっているので、こういうした動きは出ないでしょう。
ニコンは自社の優位性を有効活用していないのでは? わかっていても前面に打ち出せないところが、頭のお堅いあのメーカーのいいところなんでしょうけどね。
2012/10/14(日)画像の乱れもレンズの味のうち
文献や方眼紙を精密に複写するのならともかく、風物全般の撮影で「画面の四隅が・・」と問題視されるようなことは、まずないはずです。周辺画像が甘く、暗く落ち込んでいたほうが、主要被写体に目がいって、かえっていいかもしれません。モノクロ時代には、画面の周辺を焼き込んで、わざと暗くしたものです。
レンズの特性を知る上で、チャートによるテストは大変参考になる情報だと思います。ただし、撮影目的に関係のない情報は、無視するようにしています。例えば、ソフトで柔らかい描写を期待するポートレート用のレンズに、開放から切れるような解像力は必要ないわけです。
スポーツ写真が目的のレンズなら、四隅の解像力が不足していても、十分実用できます。周辺部の画質より AF も含めた速写性のほうが大事です。シグマが、レンズごとに撮影目的に合う表示方法を考えているそうてすが、理にかなっていると思います。
フィルム時代のカメラで、写りが気に入ってよく使っていた TIALA は、周辺が光量不足でガタ落ちのクセのある描写でした。28mm F3.5 の単焦点です。とくに最短撮影距離の 35cm で撮ると、その特性がモロに出ます。常時発光のストロボ光が旨みに効いて、周辺がドーンと落ちたシュールな描写が魅力でした。
コンパクトカメラにしては珍しく、リバーサルフィルムでもよく写りました。とくに Velvia 50 との相性がよかったように思います。「酸化セリウム」の先生も愛用した玄人好みの写り方でした。
後に発売された APS フィルムの TIALA ix は、メーカーの人の話では四隅までシャープに写るそうです。「どうですか」と勧められましたが、「それなら要らない」と言うと、変な顔をしていました。四隅の乱れがない TIALA なんて買う意味がありません。
フォーマットサイズが小さいほうが、隅までシャープなレンズを作りやすいんでしょうね。