2008/08/13(水)結婚指輪の撮影
ブライダル誌に載っている結婚指輪の写真は、それ専門のプロが撮影したものです。真似して撮ろうとしても、なかなかうまくいきません。
指輪の固定にはワックスと呼ばれるものを使います。パラフィン(蝋)の一種で、ハードとソフトの2種類があります。どちらがいいかは好みの問題です。
カッターナイフで米粒大に切り、指で丸めながら柔らかくして指輪の底につけ、土台に固定します。倒れたり転がったりしないようにするためです。
その辺には売っていないシロモノですが、お子様向けの蝋粘土でも代用できないことはありません。できれば無色のものがいいですね。
被写体が小さいのでマクロ撮影になります。専用のマクロレンズがあると便利です。なければできるだけ拡大率の高いレンズを使います。
近接撮影は被写界深度が浅くなるので、かなり絞り込む必要があります。照明のパワーを要求する被写体です。小さいからといって侮れません。
電球照明ならスローシャッターになるから、しっかりした三脚が必要です。
結婚指輪は新郎用と新婦用の2つあります。被写界深度が浅い撮影なので、どちらにもピントが合うように並べなければなりません。小型カメラではアオリはできないから、思い通りにレイアウトするのは難しいですね。
リングピローを使えばワックスは要りません。斜めに構えると片方にしかピントがこないので、リングピローを回しながら両方にピントがくる位置を探します。真上からならほぼ等距離になるけどね。
2008/08/12(火)家庭での商品撮影_3
屋外では雰囲気が出ないというなら、室内でそれらしいセッティングをして撮ることになります。
照明で大事なことは、光源の種類を混ぜないことです。自然光か蛍光灯、白熱電球のどれかに統一します。蛍光灯と他の光源は、とくに相性がよくないです。自然光と白熱電球の組み合わせは、室内の雰囲気を出すのに使うことがありますが・・・
蛍光灯や白熱電球で撮るときは、ホワイトバランスをマニュアルで設定します。白熱電球なら電球モードに固定します。
蛍光灯には種類があるので、品種に合ったモードに設定します。大抵は、白色と昼光色の2つのモードがあるはずです。なかには3~5モードの機種もあるけどね。
蛍光灯の種類は、管にFL-Wの記号があれば白色、FL-Dなら昼光色です。目で見て大差がなくても、種類を混ぜて使うのはご法度です。
フィルムカメラなら赤紫色のフィルターをかけますが、それとおなじことをデジタルカメラの内部処理でやってるので、自然光や白熱電球が混ざるとそれにも補正色が被ります。光源を混ぜてはいけないのは、こうした理由からです。
もうひとつ気をつけるのは、ガラスの反射です。ウェルカムボードにはガラスがはまっていることが多いので、映り込みに注意します。
どこを向けても映り込むようなら、映っている場所に黒い紙か布を張ります。黒を映し込むことで、映り込みがないように見せるわけです。結構大掛かりですね。
目障りでない程度の映り込みなら、あっても構いません。ガラスがはまっていることがわかって、かえってよい場合があります。
2008/08/11(月)家庭での商品撮影_2
人物と違って、商品撮影は正面から光を当てません。斜め後方からの光が重要な意味を持ちます。窓際の光は後方からの光になるので、立体感を出すのに適しています。
光源は太陽の反射光なので、色の濁りが少なくAWBモードでも十分な発色が得られます。ただし、直射日光は避けたほうが無難です。直射日光は点光源だから手前に強い影が出ます。
窓側からの光だけだと、商品の手前側が陰になって暗くなります。レフ板で光を戻して全体のバランスを整えます。
レフ板は白い紙でもいいけど、発砲スチロールが最も適した素材です。あのザラザラした表面が、光を適度に散乱させるからです。色の濁りもありません。梱包材などで適当な大きさの発砲スチロールがあったら、捨てずに残しておくと役に立ちます。
特別なライトや道具なしで簡単に撮れるこのやり方は、失敗がなくお奨めの撮影法です。欠点は、夜間に撮れないことです。
それと、撮影時には室内の明かりを消すことを忘れないように。シャドー部に室内照明の色が被るからです。蛍光灯なら緑色、電灯なら黄色が被ります。
背景は、適当な紙か布を利用するとよいでしょう。色のついた素材は、照り返しで敷物の色が被写体に被ります。被写体を傾けるなどして反射角が合わないようにすれば、回避できます。
ブライダル写真集に載せる小物の写真は、このやり方でほとんど撮影できるはずです。ウェルカムボードなど大きな被写体は、ちょっと難しいけどね。