2011/07/13(水)自動現像機を解体
車ごと撮影できる大きなスタジオを造った写真館は、移転する前はフィルム現像機と業務用プリンターを設備していました。新スタジオに引っ越すときに廃棄処分です。
ここの先生は器用な人で、自分で機械をバラして処分しました。数万円だったそうです。てっきり処分費用だと思ったら、話をよく聞けば逆にお金が入ってきたんだとか・・・
いまどきのプリンターは塩ビや FRP の塊ですが、昔のプリンターは母液タンクがステンレス製でした。鉄などの金属もふんだんに使っていました。使える資源にきちんと分別して持って行ったら、お金をくれたそうです。手間賃が出たと喜んでいました。
ノーリツ鋼機の 15 型でしたかね。使いやすいように改造していたので、ほかへ転売するのは無理だし、デジタル時代には使い道のない旧タイプです。
銀塩への拘りはなかったみたいです。銀塩素材の良さは十分承知の人ですが、デジタルにはデジタルの良さがあるというのが持論です。
この先生の前向きな姿勢には感心します。新しい技術が登場したら、それをどう活用できるのか考える態度は立派ですね。写真館の館主は、どちらかというと保守的なタイプが多いのですが、この先生は前向きで積極的です。
それでも自分のポリシーは大事にしています。本物志向で、いいものはそれなりの値段になるという考え方です。それを理解してくれるユーザーばかりではないみたいですが・・・
自分が理想とするレベルと、消費者の志向とのギャップに寛容なのは、この先生の優しさだと思います。若いカップルが出せるお金とかけ離れた料金では、ブライダル産業はいつかダメになるだろう・・というのが、この先生の言い分でした。撮影もまた然りだと・・・
2011/07/12(火)便利な倉庫スペース
仕方がないので写真屋の社長に頼み込んで、しばらく預かってもらうことにしました。
写真館向けのスタジオ機材は、天井レールやスクリーンなど長いものが多いから、保管する場所に難儀します。その倉庫は、天井は高いし広さも十分あったので、ほんの一角を借りるだけで済みました。
写真屋のほかに焼肉屋もやるつもりで、出物の業務用冷蔵庫や厨房機器を保管していたこともありました。ちょうど O-157 の騒動が起きて、計画は頓挫してしまいましたが・・・
焼肉屋の設備は買い手がついたので売ってしまったそうです。広い倉庫がひとつあると、何かと便利ですね。
周りがまだ田んぼの田舎だから維持できるんだと思います。都会だったら固定資産税だけでも大変です。
本業の役に立ったのは、使わなくなった自動現像機や業務用プリンターの保管です。フィルムの現像本数が減って、タンク容量の小さいタイプに替えたときも、前の機械は処分せずに取っておきました。
話を聞きつけた業者から、ぜひ譲ってほしいと話があり、売却したそうです。ブライダルフォトの会社でした。まだフィルムで撮影しているところがあるんですね。若い衆が何人も来て、トラックに積んでいったとか・・・
たまたま転売できたからよかったものの、場所があるからといって何でも仕舞っておくと、粗大ゴミの溜まり場になってしまいます。
いざとなったらバラバラに解体して、売れる資源とゴミに分別する能力はあるから、こちらが気をもむ必要はないかもしれませんが・・・
2011/07/11(月)写真屋の巨大倉庫
実際に中に入ってみると、工作道具や作業台があり、写真の仕事とは関係ないものばかりです。アルゴンガスのボンベまでありました。アルミの熔接に使うそうです。
ここの社長は機械いじりが好きで、車や農機具などの手入は自分でやっています。建物の外にはユンボが置いてあって、ちょっとした土木工事までこなします。
総合ラボで機械メンテの仕事をしていた関係で、独立して写真屋になりましたが、建築土木の仕事のほうが向いていたかもしれませんね。
そんな性格からか、得意先は土建会社でした。現場を回って工事写真のフィルムを集め、その日のうちに現像して配達していました。フィルム全盛期には、月に数千本を現像していたそうです。
儲かったから、趣味のプライベートな作業場を建てられたのでしょう。ちょうどそのころオウム真理教の問題が持ち上がり、周りの人達は「第2サティアン」と呼んでいたとか・・・
「サティアンとはなんだ!」と、ご立腹でした。「幸庵(さちあん)でしょ」と言ったら、まんざらでもなさそうでしたが・・・
男には、こういう自分だけの趣味のスペースが必要なのかもしれませんね。それにしてもこの社長は変わっています。
隣の倉庫を覗いたら、ロングホイールのトラックにジェットボートが載っていました。クルー全員がヘルメットを被って乗る競走用のあれです。100km 以上出るそうです。
趣味もここまでくると命がけですね。