2011/08/13(土)ペーパーの良し悪し

 お店プリントにしてもホームプリントにしても、色の問題は複雑です。インクジェットプリンターは、使うペーパーによって色が変わることは、経験済みだと思います。銀塩プリントも同じです。
 銀塩ペーパーを供給しているメーカーは限られます。日本国内で流通しているのは、FUJIFILM、Kodak、DNP(旧コニカ)くらいです。同じメーカーでも種類があります。

 最もポピュラーなのは FUJIFILM のシステムです。プリンターはフロンティア、ペーパーはエバービューティーⅡ for LASER の組合せです。レーザーエンジンの特性上、他のペーパーは不適とされています。
 レーザー対応でないペーパーを使うと、黒の締まりがよくないそうです。以前見せてもらったテストプリントは、確かに黒の濃度が出ていませんでした。

 メーカー推奨の組合せなら、北は北海道から南は沖縄まで、どの店でプリントしても同じ仕上りになるはずですが、実態はかなり違います。エマルジョンナンバー(乳剤番号)や処理液の管理が、店によってマチマチだからです。

 FUJIFILM 以外のペーパーは、ノーリツ鋼機のプリンターを使っている店がほとんどです。コニカは自社機と併売の時期がありましたが、コダックは昔からノーリツ機一本です。どこのペーパーでも対応できるよう、可変レーザー方式を採用しているそうです。もちろんフジも使えます。

 優劣というより、それぞれに特徴があるようです。プリンターやペーパー銘柄の違いよりも、セットアップや液管理の仕方で結果が大きく変わります。たまたま1軒の仕上りが悪かったからといって、ダメと決めつけるのは間違いでしょう。

 本店と支店で、同じプリンター、同じペーパー、同じ処理液を使っている店がありました。処理量は支店のほうが少ないそうです。アマチュア写真家の間では、なぜか支店のほうが色がいいとの評判で、わざわざ遠い支店まで通う人がいました。
 とくに大伸ばしのときに違いが出たというから、液管理の問題ではないようです。オペレーターの腕ですかね。

2011/08/12(金)プリントの良し悪し

 ある呉服屋さんを訪ねたときに、振袖姿の写真を見せられました。スタジオ設備の相談に乗った先です。どちらも同じコマから焼いた写真でした。
 1枚は従来から頼んでいる写真店のプリントで、別の1枚は新たに売り込んできた専業ラボの仕上げです。お店の人は、ラボのほうが綺麗だといいます。

 色がどうこうではなく、プリントの濃度が違います。従来の写真店のほうは濃いめで、ラボのほうは明るめでした。明るいほうが綺麗と感じるのは、いかにも素人判断ですね。よく見ればハイライトが白トビしています。
 写真店のプリントが濃すぎるのは事実ですが、白トビするほど明るいのも考えものです。ちょうどいいのは中間ですね。

 ラボの説明では、プリント結果の違いは純正ペーパーかどうかだそうです。写真店のプリントは裏が無印でした。相手が素人だと思って、こういうセールストークの仕方はいけませんね。問題は、そのペーパーに合った処理をしているかどうかだと思います。

 こうした話は、呉服業界ではよく耳にします。あそこのプリントは純正仕上げでない、という言い方です。結果がよければそういう話にならないのでしょうが、プリントにバラツキがあると、材料が悪いとレッテルを貼られます。
 実際には、撮影した画像データにバラツキがあるのが原因のようです。出力の依頼先を変えても根本的な解決にはならないと思いますが・・・

 素人が撮影したバラバラの写真を平均的なレベルでコンスタントに仕上げるのがよいか、それともきんと補正された元データを忠実に出力するのがよいか、意見が分かれるところです。
 個人的には、元データを忠実に出力してくれるほうがありがたいのですが、呉服屋さんは適度に補正してくれるほうがいいんでしょうね。

2011/08/11(木)行きつけの店に合わせて色補正

 写真スタジオの画像データを請負でプリントしている写真店があります。デジタルデータなら FTP ソフトで転送できるから、仕上りを届けるだけで済みます。
 業者同士のコラボなので、仕上りが安定しているかというと、どうもそうではないみたいです。写真スタジオは「仕上りが悪い」と文句を言い、写真店は「送られてくるデータが・・」とボヤいています。

 液管理だけきちんとしておいて、送られてきたデータをストレートでプリントするのが理想です。ところが、このデータがバラバラなんだとか・・・
 仕上りが悪いと仕事がこなくなるので、別の業者に画像処理させてからプリントしているそうですが、それでもクレームが絶えないみたいです。このコストがバカにならないとも・・・

 主な原因が写真スタジオにあるのは、容易に想像がつきます。モニターの調整がきちんとできていないことが多いし、安物の液晶モニターで済ませているところも結構あります。
 プリントが悪いと言うだけで、どこがどう悪いのかは定かでないケースがほとんどです。焼きが浅いとか、マゼンタが強いとか、普通なら具体的な指摘があるはずです。撮影する側がよくわかっていないというのは、困った問題ですね。

 撮影と画像処理を専門にやっている知り合いは、近所のミニラボ店にプリントを依頼しています。パソコンモニターの画像を見たらマゼンタが抜けていたので、「ちょっと G が強いのでは?」と指摘したら・・・
 そのミニラボのプリントはマゼンタが強いんだそうです。何度言っても直らないので、仕方なしにこちらで色を合わせていると言ってました。いつもマゼンタ気味で「安定」しているなら、それでもいいでしょうが・・・

 ほかの業者を紹介するつもりで、同じデータを借りて試しにプリントしてもらったら、結果はマゼンタが抜けていました。ご近所のはちゃんと出ていたから、お説のとおりマゼンタ気味のようです。目は確かですね。
 それでも近所のよしみで店を変えるつもりはないそうです。元はミニラボ店を経営していた人だから、その気持ちなんとなくわかります。
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