2008/07/10(木)ブローニーの現像

(前回からのつづき)
 開発担当者から、ブローニーの現像に対応すべきかどうかを聞かれたので、ぜひ対応すべきだ、と答えておきました。最後まで銀塩に拘るのは撮影畑の写真館です。需要はある!という考えを伝えました。

 その後、発売になった小型のネガ現機は、135サイズまででブローニーは現像できませんでした。QSF-Vシリーズが2レーンだったのに、新発売のT15は1レーンです。母液タンクの容量は、単純に考えて半分です。
 こんな少ない容量の現像機で、業務用のブローニーを流すのは、品質維持に責任が持てない・・というのが理由だったようです。技術者の気持ちは、よくわかります。

 小型のネガ現機は、うっかりもたれたら倒れそうなくらい薄ペラの機械でした。省スペースです。主にアメリカなど海外のDPショップ向けに作られたようです。
 一般大衆を相手に、いまさらDPショップを始めるひとはいないでしょうね。ノーリツ鋼機のホームページからT15が姿を消したのは、こうした事情かもしれません。中古のネガ現機は、いくらでも手に入ります。ブローニーも現像できるし・・・

 ブローニーフィルムの現像は確かにシビアです。同じ品種でも乳剤は135サイズと違います。いつも同じ条件で撮影されるスタジオ写真だと、現像の反復精度が求められるので、母液タンクの小さいT15では荷が重いでしょうね。
 一般客からの現像が多い時代には、ブローニーの現像に注意が必要でした。常時135フィルムばかり流しているので、たまにブローニーを流すと頭の1~2コマに汚れがつくことがありました。

 自店のネガ現機で現像できるのに、スタジオ撮影分だけはプロラボへ出していた写真館は多かったみたいですね。そのラボも大半はなくなってしまいました。
 自店の現像機の液管理が手に負えなくなったら、フィルムでの撮影を諦めるんでしょうか?

2008/07/09(水)少なくなったネガ現像

 先日、地方の写真屋さんから電話があって、フィルム現像機を容量の小さなタイプに入れ替えたそうです。
 ノーリツ鋼機のV50(50本/h)からV30(26本/h)にスペックダウンです。最盛期にはV100A(92本/h)を使っていたので、隔世の感がありますね。(本数は24EX換算)

 「母液タンクの容量は小さくなっても補充タンクは同じだから補充液の管理が・・」と言ったら、「おっ、なかなか詳しいじゃないか」との返事。以前V50に入れ替えたときにも同じような話だったけどね。
 フィルム現像が少なくなって、とうとうV30です。全国チェーンのキタ○ラでも1日10本か20本の店が多いらしい・・なんてことを言ってました。さびしい話です。

 ノーリツ鋼機のフィルム現像機には、確かT15とかいう容量の小さな機種があったはずですが、ホームページを見るともう出ていないようです。小さな機種ほど需要が高いように感じますが、いまさら新品のネガ現機を入れるところはないということでしょうか?

 何年か前に和歌山のノーリツ鋼機におじゃましたことがあります。前述の写真屋さんが当時の専務と「池ちゃん」「○ちゃん」の仲で、一緒に連れて行ってもらいました。
 広くて立派な工場でしたね。本部ビルのエントランスは、まるで高級ホテルのようでした。開発技術の部長や担当者と、これからの銀塩写真がどうなるのか、意見を交換する機会を得ました。

 そのとき開発中だったのが、V30よりも容量の小さなネガ現機です。ブローニーに対応すべきかどうか?という点で意見が割れているようでした。(つづく)

2008/07/08(火)新暦の七夕は梅雨空

 7月7日の七夕は、日本では梅雨の真っ最中です。織姫と彦星はなかなか逢えませんね。話の由来から、旧暦でやればいいのに・・と思いますが、なぜか新暦です。

 商業地で行なわれる七夕祭は、新暦にこだわりません。商売が絡むと天気のよさそうなほうを選ぶんですかね。仙台の七夕祭は盛大です。
 幼稚園の七夕祭は、毎年雨の心配をしながら行います。でも、旧暦にすると夏休みだから、仕方ないでしょうね。

 五月(さつき)晴れというのは、旧暦では梅雨の合い間の晴天を意味しますが、現在ではGWの天気がいいと、ニュースのコメントなどに使われることがあります。
 季節を表わす言葉は、旧暦のほうが実態に合っていることが多いですね。農業に関わる季語が多いので、種を撒く時期を間違えたら大変です。
 春分・秋分・夏至・冬至から何日目というなら、新暦でも同じですが・・・

 正月を新春というには、グレゴリオ暦の1月1日は真冬なので無理があります。中国をはじめアジア圏では、正月を旧暦で祝う習慣が根付いています。日本がアジア圏からの輸入に頼っている品物は、少なからずこの影響を受けます。
 ウェディングドレスは、現在ほとんどアジア圏で作られているので、正月明けに注文したものは、2月の旧正月に引っ掛ります。納期が1ヶ月ほど遅れるそうです。

 キリストの生誕を祝うクリスマスには、さすがに旧暦はないだろうと思っていたら、どっこい!そうでもないようです。
 アフリカのキリスト教国のなかには、独自の暦を採用しているところがあって、1月になってからクリスマスを祝うとか・・・ 世界は広いですね。
OK キャンセル 確認 その他