2011/06/09(木)3Dテレビは普及するか?

 ディスプレーの高画素化よりも先に、3D が注目されています。家電各社も相次いで参入しています。いつもの事ながら、3D の規格が各社各様なのが引っ掛ります。

 映像を立体的に観る方法は、ずいぶん前からありました。博覧会などでは、3D 画像をウリにするパビリオンが、必ずひとつはあるものです。
 前に見たのは、オープン前に視察した USJ でしたかね。ターミネーターの立体映画です。専用メガネをかけて視聴しました。敵のロボットがウニュ~ッと画面から飛び出してきて、思わずのけぞったのを覚えています。

 個人的には、特殊なメガネを使わずに立体画像が楽しめる方式が最善だと思います。日ごろメガネをかけている人間にとって、視力調整のないほかのメガネに替えるのは不便なものです。
 後付けのサングラスみたいに、偏向グラスをメガネの上から被せる方式なら、まだ我慢できそうですが・・・

 パソコンモニターの世界でも、3D 対応が注目されています。目的は PC ゲームでしょうね。三菱電機から出た 23 インチの 3D 対応モニターは、発売前から完売状態だとか・・・
 IPS パネル採用で、入力端子もひと通り装備しています。応答速度も早そうだし、AV と PC 兼用で使うならいいかもしれませんね。3D メガネは偏向方式だそうです。

 今度買い換えるモニターは、3D は検討対象外です。そんな機能よりも、画質と使い勝手が優先です。四目並べに 3D は必要ないし・・・
 3D テレビについては、まだ7割の人が、購入する予定がないか、購入しないという統計データもあります。コンテンツが少ないのと、価格的な問題が大きいみたいです。それと、メガネと・・・

 ところで、一般家庭に 3D テレビが普及した場合、博覧会のパビリオンは、どんな映像で集客するんでしょうか?

2011/06/08(水)懐かしの70mmシネマ

 ようやく 35mm フィルムの画質に近づいたデジタル映画ですが、もっと上をいく 70mm フィルムというのがあります。「ありました」と過去形で言ったほうがいいかもしれません。最近ではとんと見かけませんね。

 撮影時のフィルム幅は 65mm です。サウンドドラックを含めて、転写するときに 70mm 幅のフィルムを使いました。ブローニーフィルムよりも幅の広い規格です。
 アポロ計画で最初に月面に降り立ったとき、ハッセルブラッドに付けられていたのは、70mm フィルムマガジンでした。映画用のフィルム規格にしたのは、撮影枚数の問題があったからでしょう。

 35mm 映画フィルムの1コマをハーフ判とすると、65mm フィルムはセミ判で映画を撮影しているようなものです。フルハイビジョンの4倍にあたる 4K2K でも勝負できるかどうかの高画質です。
 さすがに金に糸目をつけない映画制作でも、コストが高すぎて、このフォーマットで作られる映画は、ほとんどなくなりました。上映できる映画館が限られたのも理由のひとつです。

 幼い頃、母に連れられて大阪の劇場まで「シネラマ」を観に行きました。これは 35mm 映写機を横に3台並べたもので、70mm 映画とは違います。当時上映できたのは、東京と大阪の2ヶ所だけだったと思います。
 当日分の切符が売り切れで、結局は観ずじまいでした。ダフ屋のおっちゃんがウロチョロしてたのを覚えています。

 ニクソンとレーガン元大統領は、「パットン大戦車軍団」が好きだったそうです。ここ一番の決断をする前に観たと伝えられています。ハイライトは、星条旗をバックにパットン将軍が演説するシーンですかね。
 この作品は 70mm 映画でした。ホワイトハウスの試写室で観たのが 70mm だったか、35mm に焼き直したものかは知りません。
 ロナルド・レーガン元大統領は、まかりなりにも元ハリウッドスターです。「ブローダウン」はないと思いますが・・・

2011/06/07(火)フィルム映画とデジタル

 画像を表示するディスプレーの話題をとりあげたところで、デジタル技術がようやくフィルム画質に近づいてきた実感が湧きました。
 ハイビジョンは、35 ミリ映画フィルムの画質を目標に開発されましたが、超えるところまでは行っていませんでした。4K2K(ハイビジョンの4倍)の登場は、映画フィルムの衰退を促すのでは?

 35 ミリ映画フィルムは、写真用 135 サイズと同じ規格です。縦送りで横位置画面だから、1コマがハーフ判くらいのサイズです。実際には 1mm 狭くなります。京セラの「サムライ」シリーズは、ハーフ判(24mm × 18mm)ではなく 35mm シネサイズ(24mm × 17mm)でしたね。

 映画は、1秒間に 24 コマ必要です。36 枚撮(ハーフで 72 枚撮)をたった3秒で消費してしまいます。1時間だと 36 枚撮で 1200 本分になる計算です。
 アマチュア用の 8mm 映画は、リバーサルフィルム(透明陽画)ですが、映画館用の撮影フィルムはネガです。編集した後でフィルムに転写して透明陽画にし、それを映写機で投影します。同時に上映する映画館がいくつもあるからです。
 スチール用より割安だとしても、フィルム代と現像料がしっかり掛かります。捨てコマもあるから使う量は膨大です。それでもフィルムが使われるのは、制作予算の桁が違うからでしょうか?

 ハーフ判程度のサイズでも、走査線数で約 3000 本相当だと言われています。映写機がデジタル化されても、撮影段階はフィルムが使われるとの予測は、画質の問題があるからでしょう。監督の拘りもあります。
 それと、映画館のまだ多くがデジタル映写機を設備していない事情もあります。映画館にとってデジタル化の設備投資は大きな負担です。ここ1~2年でかなり普及したきたようですが・・・

 当面は、フィルムで撮影し、フィルム転写とデジタル変換で両方に対応するやり方が続くと思います。映画館の大半がデジタル化されたあとどうなるか?ですね。
 映写機のデジタル化で、映写中にフィルムが切れたときのヤジ(「カネ返せ!」)が聞けなくなるのは、ちょっと寂しい気がします。
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