2011/08/10(水)お店プリントの補正範囲
モニター画面を見て、人物の顔がはっきりわかるように濃度補正するのは、それほど難しいことではありません。デンシティー(D)キーでプラス・マイナスするだけです。少し慣れれば誰でもできる操作です。
色が判断できる人は少ないと言います。写真を2枚並べたときに、どちらが赤いか青いかくらいは判断できますが、1コマだけ見て色の偏りを見抜くのは、難しいとされています。
日ごろ写真を見慣れているオペレーターでも、RGB と CMY の関係を数値で判断できる人は、ほんの一握りだとか・・・
それなら、ユーザー段階で画像処理ソフトを使い、きっちり補正した画像データを作って、液管理がしっかりしている店に依頼すれば、期待通りのプリントが得られると考えられますが・・・
実際には、そう単純な問題ではなさそうです。理由は、プリンター側に自動補正機能があるからです。
初期のデジタルカメラは、ダイナミックレンジが狭かったため、元データは紗暗い感じの画像でした。それを鮮やかに見せるために、プリンター側で自動補正していました。
現在では、この補正はカメラ側でも行なっています。ホームプリントが多いからでしょう。画像処理エンジンの改良で、メディアに記録された JPEG データでもそこそこの画像が得られるようになりました。
画像データを補正せずにプリントしたい場合は、お店に事情を説明して、自動補正をキャンセルしてもらう必要があります。数枚プリントして仕上りを確認してから、補正値を決めて大量処理すれば、失敗の確率が減らせます。
こうした面倒な作業は、激安のネットプリントでは無理でしょう。少々高くても、馴染みのお店に依頼するのが無難です。やはりお互いの顔が見える取引でないと・・・
2011/08/09(火)コンストで液管理
処理量が少ない場合はもちろん、多すぎても処理液の安定は得られません。コントロールストリップ(略してコンスト)を流して、母液の状態を確認します。毎日一定量をコンスタントに処理すれば、いちいちコンストでチェックしなくても安定するのですが・・・
フィルム用もプリント用も、コンストにはテストパターンが事前に露光されています。実際に現像処理することで、その結果と理想の現像結果との差を計測するわけです。
測定には専用の濃度計を使います。目で見て異常がわかるようでは重症です。普通は写真店では計測できないため、資材の納入業者か薬品メーカーに依頼します。
こうした形態なので、コンストは月に一度か二度のペースで、間隔をあけて行なうのが通例です。中には、何か異常があったときだけ流すところもあるそうです。日ごろ一定の処理量があれば、それでも不都合はないでしょうが・・・
プリンターに備わっているデイリーセットアップ機能は、処理液の変化に順応させるためのものなので、根本的な解決にはなりません。正常なプリントが得られなくなる直前まで、内部補正でごまかしているだけです。
コンストは感材メーカーが握っていて、ペーパーと薬品が純正でないと出荷してもらえないことがあったそうです。他社製品のみならず、逆輸入ペーパーの先にも出さないというのは、消費者不在の施策では?
他社製品を使われるくらいなら、自社の海外ものを暗に勧めていたみたいだから、逆輸入もへったくれもないと思いますが・・・
コンストは感光材料だから冷蔵保存が原則です。届いたコンストをその辺に放置していたのでは、正確な計測は期待できません。特に夏場は要注意です。
写真屋さんの冷蔵庫には、食料品以外のものが詰め込まれていることが多いみたいですね。感光材料は冷蔵保存することで経年変化を抑え、消費期限を伸ばすことが可能です。
2011/08/08(月)デジカメプリントの平均枚数
では、デジタルカメラが主流になったいま、写真店が受付けている平均プリント枚数は、どのくらいなんでしょうか?
調べた範囲では、具体的な数字や統計は見当たりませんでした。フィルムと違って現像しなくても画像が見られるから、あとでまとめてプリントするケースもあります。1回の注文が何枚かは、業界関係者でなければ興味の対象外かもしれません。
常識的に考えて、プリント価格が 30 円台の店は平均枚数が少なく、ネットプリントみたいに低価格のところは多いはずです。
一般的な写真店の場合、フィルム1本あたりの売上は千円くらいだったから、1枚 35 円として平均 30 枚あれば帳尻は合う計算です。あとは受付口数ですね。毎日 30 人以上あれば従来どおり経営が成り立つはずですが・・・
実際には街の写真店では厳しいように思います。自家プリントで済ます人が多いからです。L判換算で、月3万枚以上焼いているところは少ないかもしれませんね。
フィルム現像機と同様、プリンターの薬品も補充式だから、一定枚数以上をこなさないと母液が回転不良で疲弊します。機械の大きさにもよるでしょうが、低補充液だと月2万枚くらいないと安定しないのでは?
母液を回転させるためにネットで安売り・・それはないでしょうね。大口の注文をディスカウントすれば、店頭受付でも処理量は確保できます。
あまり処理量が多すぎても液の状態が不安定になります。毎日コンスタントに処理するのが理想ですが、実際には難しいみたいですね。