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2017年03月04日の記事

2017/03/04(土)現像用の保温器をバラしてみた

 本来は現像用の平バットを温める保温器を種の発芽に利用する記事を書いたら、師匠から使う前に内部を点検したほうがいいとコメントを頂戴しました。確かに、数時間じゃなくて何日も通電するわけだから、念のためにチェックしておいたほうが安心です。さっそくバラしてみました。

 バラすといっても側面のネジを2本外すだけです。天板は簡単に外せます。開けてビックリ玉手箱(というほどでもないか)、予想以上に中はガラガラです。ニクロム線が箱の中を何往復か張り巡らされているのかと思ってましたが、直射じゃなくて間接的に箱の内部を温める構造でした。
保温器の内部構造

 ニクロム線の熱を伝える放熱板は、見えないところなのに磨き上げのステンレス板を使っています。薬品を使う前提だから、腐食に強い素材であることと、外装と同じ素材にしたほうが作業が簡略化できるからだと思います。大量生産するようなものじゃないしね。

 サーモスタットは予想通りバイメタル式です(写真右下)。膨張率の違う金属を張り合わせた板が、加熱されることで反り返り、スイッチのオン・オフをするシンプルな構造です。通電を知らせるパイロットランプは 200V のシールが貼ってあったから、暗い代わりにすぐに切れる心配はなさそうです。

 テストで通電したときは、温度コントロールのつまみを真ん中にして、室温 10 度で天板が 37 度になったところでパイロットランプが切れました。そこから 45 度あたりまで温度が上がりましたが、のせたバットが空なので、実際に使うときはもっと低い温度だと思います。

 昔使っていた HANZA の保温器は、20 度を維持するのに調節つまみがもっと高温側だったように記憶しています。たぶんモノクロ現像を基準にしていたからでしょう。今回使う King の保温器はカラー現像(30 度)と兼用型です。真冬にバットの現像液を 30 度に維持するには、かなりの熱量が必要です。筐体の大きさはひと回り小さいのに…

 保温器も進歩してるようです。いま市場ではいくらくらいしてるか調べてみたら、ない! 現像用の保温器なんてもうないんですね。手元にある新品の保温器は貴重品でした。(天国の社長、ありがとね)
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