2010/07/07(水)現像所の浮気は禁物
撮影するたびに現像を依頼する店を変える人がいますが、リバーサルフィルムに関しては、処理するラボをコロコロ替えるのはご法度です。外注先のラボが同じなら、受付窓口が違っても構いませんが・・・
リバーサルの撮影は、常用するラボの仕上に合わせるのがセオリーです。一度出して気に入らなかったといって、すぐに別のラボに替えるのは、感心しないやり方です。
何回出してもダメだったり、結果が安定しなかったりしたら、その時点で切り替えます。
とは言いつつ、プロラボの相次ぐ撤退で、ラボを選べる時代ではなくなりました。地元で頑張っているラボに頼るしか仕方がないですね。
地域によっては、宅急便か郵送でフィルムを送るしかない場合があります。かえってこのほうが選択肢が多くなります。
リバーサル現像を支えているのは、いまやプロではなくアマチュアです。土日・祝日に撮影する人が多いので、その翌日か翌々日に処理が集中します。
「酸化セリウム」の先生は、よほど急ぐ仕事でない限り、月曜・火曜は現像に出さないと決めていました。アマチュアの処理が集中して、液の状態が変わるからです。元の状態に戻るまでに1~2日かかるとか・・・
以前は木曜日がアタリでした。テスト現像したその日か次の日に本現像に出します。いまはどうでしょうね。
フィルム現像は、多すぎても少なすぎても液が安定しないと言われています。毎日一定の本数をコンスタントに処理するのが理想です。
処理本数が少なくなって、液がヘタることも考えられます。いまはひょっとすると、補充液が回った後の火曜・水曜がアタリかも?
2010/07/06(火)リバーサル現像は難しい
ネガの場合はプリント時に補正するから、現像処理が多少ズレていてもごまかしが利きます。一方、リバーサルは現像結果が全てなので、シビアな管理が要求されます。市中のミニラボみたいなわけにはいきません。
プロラボは、タンク式を採用しています。ハンガーにフィルムを吊るし、処理タンクに沈めるやり方です。135/120/220 のロールフィルムでも大判のシートフィルムでも現像できます。
アマチュア相手の現像所では、自動現像機を使っていることがあります。ネガ現機に反転露光装置を加えたものです。処理速度が一定なので、増減感処理には向いていません。温度管理は自動で補充量も一定です。(処理できるのはブローニーまで)
シートフィルムを処理しないのなら、自動現像機を使えば簡単に現像できそうに考えがちですが、そう単純にはいかないのがリバーサルの難しいところです。
増減感ができないのは段階露光でカバーするとしても、現像結果を一定に保つのは簡単ではないそうです。自動補充というのがクセ者で、処理本数と時間経過で液の状態が微妙に変化するからです。
医療現場でリバーサルフィルムが使われていた時代には、大きな病院のフォトセンターには自動現像機が設置してありました。
すぐ近くの写真店にそこの先生がやってきて、リバーサルの現像を依頼していました。「外部で現像しないことになっているのでプリント代か何かで請求してほしい」と言います。
事情を聞いたら、学会で発表する大事な写真なので、フォトセンターで現像したくないんだとか・・・
きっと液管理ができていなかったんでしょうね。
2010/07/05(月)地元になくなったプロラボ
大判クラブの連中の面倒をみていたから、地元で現像できない不便さを人一倍感じているはずです。カットホルダーの両面に入れたフィルムを同じ露出で撮り、先に1枚現像してから2枚目を増減感するやり方は、この人が広めました。
アマチュア写真家にプロのやり方を教えたわけです。
東京・大阪へ送るとなると、いままで3時間で済んでいた現像が、2回の往復で1週間は掛かります。1枚目が「適」でも3日間です。
もう1軒あった地元のプロラボは、つい先日、営業をやめてしまいました。潰れて現像所の土地建物が競売にかけられていたのですが、売れるまでのあいだ細々と現像処理をしていたそうです。それも終わりです。
別の物件を探しているそうですが、ある程度の面積が必要だから、採算が合うかどうかです。鶴さんは、「そのうちきっと誰かが始めるんじゃないか」と期待している口ぶりです。どうでしょうね。
「酸化セリウム」の先生は、「こうなったら自分で現像するしかない」と言っていました。リバーサルの現像を自分でするなんて、そんな発想ができるのはこの先生くらいです。アマチュアでは無理ですね。
実際には、カラーネガ現像に反転露光が加わる程度の処理工程ですが、時間と温度管理に加え補充量がシビアです。自分の原板ならともかく、他人のフィルムを現像するのは勇気が要ります。