2010/07/06(火)リバーサル現像は難しい
ネガの場合はプリント時に補正するから、現像処理が多少ズレていてもごまかしが利きます。一方、リバーサルは現像結果が全てなので、シビアな管理が要求されます。市中のミニラボみたいなわけにはいきません。
プロラボは、タンク式を採用しています。ハンガーにフィルムを吊るし、処理タンクに沈めるやり方です。135/120/220 のロールフィルムでも大判のシートフィルムでも現像できます。
アマチュア相手の現像所では、自動現像機を使っていることがあります。ネガ現機に反転露光装置を加えたものです。処理速度が一定なので、増減感処理には向いていません。温度管理は自動で補充量も一定です。(処理できるのはブローニーまで)
シートフィルムを処理しないのなら、自動現像機を使えば簡単に現像できそうに考えがちですが、そう単純にはいかないのがリバーサルの難しいところです。
増減感ができないのは段階露光でカバーするとしても、現像結果を一定に保つのは簡単ではないそうです。自動補充というのがクセ者で、処理本数と時間経過で液の状態が微妙に変化するからです。
医療現場でリバーサルフィルムが使われていた時代には、大きな病院のフォトセンターには自動現像機が設置してありました。
すぐ近くの写真店にそこの先生がやってきて、リバーサルの現像を依頼していました。「外部で現像しないことになっているのでプリント代か何かで請求してほしい」と言います。
事情を聞いたら、学会で発表する大事な写真なので、フォトセンターで現像したくないんだとか・・・
きっと液管理ができていなかったんでしょうね。