2010/09/22(水)使い捨ての現像液
処理量がある程度見込めるうちは、手間が掛からず便利な方式でした。ところが、フィルムで撮影する人がここまで減ると、ケミカルの維持が難しくなります。母液が更新される前に、回転不良で液が疲弊してしまうからです。
それなら、補充式にせずに1本現像するたびに新液に換えればいいのでは?という意見もあるでしょう。モノクロ時代の現像タンクみたいな発想です。
自動現像機でこの方式は、難しいと思います。モーター駆動でフィルムを搬送しながら現像するためには、ある程度のタンク容量が必要です。数百 cc の現像液の中を何分もかけて通すのは、構造的に無理があります。
メーカーの技術者と話をしたときに、噴霧式はできないか聞いたことがあります。いろいろやってみたが、母液タンクをくぐらせ、使った分を補充する以外に安定した現像処理する方法はない、とのことでした。
機械は作れても、ケミカルの開発は専門外です。毎回新液にしていたのでは、採算ベースに載らないだろうという想いもあります。
実際には、業務用のケミカルコストは、アマチュア用ほど高くはありません。仮に従来の補充式の何倍か掛かったとしても原価割れはしないはずです。(採算が合うかどうかは別)
今日は1本しかなかった・・それでもケミカルの維持ができる現像機があるといいのですが・・・
「そんな処理能力の低い機械では商売にならない」・・・昔、1時間に 26 本処理できる現像機を入れようとした写真店に、メーカーの人が言った言葉です。
1日数本のフィルム現像でもケミカル管理できる小型機を この人は、いま何と言って売り込むのでしょうか?