2010/09/29(水)CDUⅡは製造中止
かいつまんで言うと、超軟調のリバーサルフィルムです。デュープを繰り返しても、原板の諧調を損なうことなく複製できるのが特徴です。
タングステンタイプで、ISO 感度は一桁です。しかもプレフィルターで光源補正する必要があったので、一般ユーザーには扱いにくいフィルムでした。
当然、風景などの撮影には不向きです。メーカーサイトにも「写真撮影には向きません」と謳ってあります。ところが、桜のシーズンになると、この特殊なフィルムの需要が上がりました。目的は夜桜の撮影です。
夜桜のライトアップは、多くはタングステン照明です。感度は低いものの諧調が滑らかなので、ライトの当たった部分が白トビしにくい特徴がありました。
シアンとイエローのプレフィルターを省略すると、マゼンタがかった独特の発色となります。シュールな画創りが楽しめるのが魅力でした。
実際にこのフィルムを使って、夜桜をきちんと写した写真に、お目にかかったことはほとんどありませんでした。長時間露光に強いタングステンタイプとはいえ、相反則不軌の問題があります。ISO 感度が一桁では、アマチュアには荷が重かったと推察します。
CDU Ⅱのほかにも生産終了になったリバーサルフィルムがいくつかあります。トレビ 100C は、プロビア 100F のアマチュア向け廉価版で、135 だけ供給されていましたが終了です。
タングステンタイプの T64 は、135 だけ残してやめてしまいました。コダックも EPY の供給を昨年末で打ち切っています。コマーシャルでの需要が激減したからでしょう。