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2017年06月01日の記事

2017/06/01(木)6月1日は「写真の日」でしたね

 長いこと忘れてたけど、今日6月1日は「写真の日」でしたね。写真美術館がある地域では、写真展などの大型企画が目白押しでしょうが、全国的に一般市民が意識することはないと思います。そもそもの由来が間違っていた点も関係しているかもしれません。

 「写真の日」は日本写真協会が 1951 年に制定しました。日にちの根拠は、天保 12 年(1841 年)6月1日に日本人が初めて写真を撮影したとの資料からでした(島津斉彬の銀板写真)。ダゲールがダゲレオタイプの写真機を発明したのが 1839 年頃だから、わずか2年ほどで日本人に伝承されたことになります。ちょっと早すぎやしませんかね。

 案の定、天保 12 年説は間違いだったのが後になって判明します。実際には安政4(1857 年)9月 17 日に薩摩で藩家臣が島津斉彬を撮ったのが日本人による初めての写真撮影だとされています。天保 12 年6月1日に島津斉彬は江戸屋敷に居たというから、事実がどうあれ前説が間違いだったのは明白でしょう。

 すでに決まった日にちを変更することはありませんでした。由来を問われてゴニョゴニョ歯切れの悪い記念日を積極的に宣伝するのもはばかられます。そんないきさつから「写真の日」は、深く問わない記念日となったわけです。

 「カメラ発明記念日」というのもあります。3月 19 日です。ダゲールがダゲレオタイプのカメラを発明し、その特許をフランス政府が買い上げて、すべての人が自由に使ってよいと宣言した日(1839.3.19)が根拠だそうです。制定からまだ歴史は浅いけど、記念日というのはこうでなくちゃいけませんね。

 「カメラの日」というのもあるようです。始めてオートフォーカスを実現した小西六写真工業(現コニカミノルタ)の C35AF (通称ジャスピンコニカ)が発売された日だそうですが、いつ・だれが・どういう形で制定したのか詳しい経緯はわかりませんでした。一企業の製品というのが、少なくとも業界を挙げて…という形にならなかったのかも?

 ジャスピンコニカの AF 機構は米ハネウェル社の位相差式を採用していました。この方式は、近いか遠いか中間か、みたいな大雑把なもので、ピントのスッポ抜けもありました。日本のメーカーは赤外線を使ったアクティブ式にシフトすることで、次第にハネウェル社の特許を回避するようになります。(確かキヤノンのオートボーイあたりからかと)

 事態を一変させたのは、当時のミノルタから発売されたオートフォーカスの一眼レフ(α 7000)でした。ハネウェル社は自分のところの特許を侵害していると提訴します。最後は「ピントが自動であること自体が特許だ」と強引な言い分でゴリ押ししたそうです。米国市場を重視するミノルタは和解に応じて 165 億円を支払いました。ハネウェル社は日本のカメラメーカー十数社から 400 億円以上を手にしたと言われています。いわゆる日米貿易摩擦です。

 なんかいまのトランプ政権の「ディール政策」を連想させますね。「写真の日」から日米貿易摩擦に話が飛びましたが、こちらのほうがこれからの話題になりそうな嫌な予感がします。
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