2011/03/28(月)フォーサーズの将来性

 デジタル時代の新しいフォーマットとして登場したフォーサーズ規格ですが、大きなシェアを獲得することはできなかったようです。ミラーレスのマイクロフォーサーズ機がヒットしたことが、かえって元祖フォーサーズ規格を窮地に追込む形となりました。

 5年後には、マイクロフォーサーズに一本化されるという噂まで飛び出し、フォーサーズ愛用者をやきもきさせています。陣営からは、はっきりしたアナウンスはないようですが・・・
 どの企業もビジネスとしてやっているから、売れる商品には投資し、売れない商品からは手を引くのがセオリーです。火のないところになんとやら・・根拠のない噂話ではないのかもしれません。

 デジカメの高画素化はまだ続いていますが、もうそろそろ限界にきているようです。撮像素子側の限界というより、レンズの解像力の問題があるからです。フィルム時代の交換レンズを併用するつもりなら、これ以上画素数を上げるのは考えものです。

 デジタル一眼レフはいま、ファインダー機構をどうするか?という曲面にきています。ミラーで反射した光をペンタプリズムで正像化する従来の光学式か、それとも電子ビュー式か、クイックリターンミラーか半透明固定ミラーかなど、「一眼レフ」の定義にも関わる問題です。

 フォーサーズ規格は、従来の光学式ファインダーを前提に、フランジバックが長めに設定されています。フォーマットが小さいので、ファインダー画像を拡大して見る構造です。ファインダーの見え味は、フルサイズ機のようなわけにはいきません。
 パナのミラーレス機みたいに、初めから電子式を想定していたなら、いまとは少し違った展開になっていたと思います。時期が少しズレましたね。

2011/03/27(日)APSCとフォーサーズ

 フィルム時代のレンズ資産を引継ぐために、一眼レフメーカーは APSC サイズを採用しました。焦点距離が約 1.5 倍になるものの、マウントが同じならデジイチにはまります。

 「はまる」という表現にしたのは、実際に実用できないレンズがあるからです。フィルムと撮像素子では性質が違います。画面のどこにもピントがこないものや、周辺光量が極端に落ちるもの、隅のほうで色被りが出るレンズが続出しました。

 ピント精度が出ないのは、焦点面がシビアなワイド系によく見られる現象です。広角レンズを絞り込んで撮ったのに、どこにもピントが合っていない・・そんな疑問を抱いた人もいるでしょう。
 乳剤に厚みのあるフィルムと違って、撮像素子はただの平面です。被写体側の被写界深度が深い反面、カメラ側の焦点深度が浅いワイド系の多くは、デジタル用に設計し直す必要がありました。

 この点をはっきりと明示するメーカーは、ほとんどありませんでした。使えると思って同じメーカーのデジイチを買ったのに、レンズを買い直すハメになったユーザーは多かったのでは?
 既存のユーザー層をそのまま取り込みたいメーカーの思惑に、まんまと乗せられた形です。

 一方、一眼レフから撤退状態にあったオリンパスと、デジカメに新規参入したパナソニックは、共同で新しいフォーマットを採用しました。フォーサーズです。
 撮像素子の面積を 135 フルサイズの4分の1程度に抑えることで、カメラの小型化とコストダウンが図れます。実際には、期待したほど小さくなかったし、低価格ではありませんでしたが・・・

 一部のユーザーからは支持されたものの、フォーサーズ規格はその優位性を発揮できず、APSC フォーマットを凌駕することはできませんでした。息を吹き返したのは、ミラーレス一眼用として採用された、マイクロフォーサーズ規格です。
 市場を握っていないメーカーだから冒険できたのかもしれませんね。

2011/03/26(土)Eマウント公開の行方

 ソニーは、NEX シリーズに採用したEマウントの仕様開示を4月1日から行なうと発表しています。昨年のフォトキナでのアナウンスでは、レンズだけでなく、Eマウントのカメラを他社が出すことも否定しないとか・・・

 現時点では、「基本仕様は、所定の審査を経た上で、当社とライセンス契約を締結したレンズ、マウントアダプターメーカーに対して開示する予定」となっています。カメラはまだですね。
 カールツァイス・コシナ・シグマ・タムロンから、基本仕様の開示について賛同のコメントが寄せられています。

 ツァイスは、ソニーのロードマップを見てもEマウントのレンズを出す予定になっています。コシナはツァイスからライセンスを受けてレンズを作っている関係で、マウントアダプターの供給を考えているようです。
 タムロンは、もともとソニー陣営の一角だから、この話に賛同しないわけにはいかないでしょう。

 シグマは要注目です。CP+2011 では、ソニーのブースにEマウントレンズのモックがあったそうですが、レンズだけの供給を考えているのでしょうか?
 コメントでは、「カメラシステムの充実・多様化が一層強化され・・」となっています。ソニーのシステム充実という意味で言っているようにも受けとれますが・・・

 臭いのは「多様化」です。ソニー以外のメーカーからもカメラの供給があって、初めて「多様化」と言えるのではないでしょうか?
 シグマは、デジタルカメラを販売しています。イメージセンサーメーカーの Foveon 社を買収し、3層構造の撮像素子を搭載した新製品を開発中です。
 ミラーレス機にEマウントを考えているフシは十分あります。

 仕様開示を間近に控えて、ニコンがEマウントで出すのでは?といった希望的観測まで飛び出すようになりました。もしそうなら、本当に「多様化」ですが・・・
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