2009/02/22(日)有線LANでデータ転送
有線LANを使った写真スタジオを見せてもらったことがあります。振袖レンタルショップに併設されたスタジオです。
ストロボの電源部はコメットの2400Ws最新型でした。天井高がせめてあと30cmあったら、立派なスタジオです。オーナーの話では、スタジオ設備に2000万円かけたとか・・・
この業界のひとは大風呂敷が多いから、実際にいくら払ったのかは疑問です。
ニコンのデジタル一眼レフについていたのは、ニッコールED28-70mm F2.8Dで、予備を兼ねて2台並べていました。リッチですね。(現在は製造中止ですが・・)
照明設備やカメラ・レンズは、価格がはっきりしています。多少の開きはあっても、何割も違うことはないですね。照明設備とカメラでいくら贅沢しても2000万円にはなりません。何を根拠にそんな高額な数字が出てくるんでしょう?
高額を謳う根拠は、LANを使ったプレゼンのシステムにありそうです。
顧客管理を兼ねたセレクト用のソフトやパソコンなど、システム一式で数百万円、あとは立体背景の内装費がウン百万円、ということでないと計算が合いません。
ネットワークの知識があるひとなら、写真スタジオ程度のLAN構築に、多額の費用が必要ないことは容易にわかります。
セレクト用のソフトも安いものなら1万円前後からあります。出力装置はA4サイズの昇華型だから、これも価格は知れています。
ハリボテの立体背景は、どう見てもお金が掛かっているようには見えません。
やはり、2000万円というのは、ハッタリでしょうね。
2009/02/21(土)無線LANのトラブル
ひと口に無線LANといっても、その規格は様々です。当面の大きな問題は、データの転送速度です。
画素数が増えて写真のデータは日増しに大きくなっています。文字情報なら十分な速度が得られても、画像データは荷が重い相手です。
業務用途で使うには、いまの転送速度では不満足に感じます。普及するには少なくとも、もう一桁スピードアップする必要がありそうです。
前回指摘したデータのセキュリティーも重要な課題です。
カメラメーカーの謳い文句に乗せられて、無線LANシステムを採用しているスタジオは、かなりあると思います。
ハッカーにとって、無線LANのセキュリティーを破るのは、それほど難しいことではないとの指摘があります。官公庁が無線LANの利用を制限していることからも、その危険性が推察されます。
カメラメーカーの売り込みで無線LANシステムを採用した、呉服店のスタジオからデータが漏洩し、まったく関係のない「僕の振袖コレクション」みたいなサイトで、お客の写真が無断公開されたりしたら、その呉服店の信用は失墜してしまいます。
無線LANシステムを推奨したメーカーの責任は、どうなるんでしょうね。
スタジオ向けに作られた、ある感材メーカーのデジタル一眼レフは、某カメラメーカーのOEM製品です。製造元のメーカーからは無線LAN用のアクセサリーが発売されていますが、感材メーカーに問い合わせても使用できるかどうかの返事は得られませんでした。
知り合いのカメラ店に聞いてもらったのですが、自社のシステムではないので、ノーコメントとの返事だったそうです。
どこかで痛い目に遭ったことがあるんだと推察します。
2009/02/20(金)デジカメ画像と無線LAN
デジカメのメディアをパソコンに移して、モニター画面でセレクトするのが一般的なやり方ですが、なかには読み込み時間を短縮するために、無線LANを利用するところも見受けられます。撮影と同時にプレゼン用のパソコンに画像データを送り、撮影終了までに目つぶりなどのNGカットを外しておくことができます。
便利なように見えますが、トラブルの原因になる・・との指摘もあります。使用環境によっては、1割ほどの転送ミスが発生するとか・・・
大事な画像データが消滅しては大変なので、メモリへの記録を省略するのは危険なやり方です。あくまで時間を短縮する手段のひとつであって、無線LANだけに頼るのは間違った考え方です。
無線LANには、もうひとつの危険が潜んでいます。画像データの漏洩です。
よほどしっかりセキュリティーを強化しておかないと、悪意のある第三者に撮影時の画像を傍受されてしまう危険性があります。
駐車場に見慣れない車が止まっているな・・と不審に思っていたら、ノートパソコンで画像データを傍受されていた、なんてこともありえます。
お客の画像を無断でインターネットで公開されたら、そのスタジオの信頼はなくなってしまいます。利便性を求めるあまり、個人情報や肖像権を軽視する結果にならないよう配慮が必要ですね。
カメラメーカーのなかには、無線LANを使ったスタジオシステムをウリにしているところがあります。いままで漏洩によるトラブルがあったかどうかは、具体的に耳にしていませんが、噂のレベルでは「要注意」という話をよく聞きます。